紳士服・スーツのはるやまでは4月28日より、タニタの体組成計測の技術を応用した新サービスを開始する。体組成計に乗るだけで健康チェックできるほか、身体にピッタリのスーツサイズやオススメ商品を提案するという。担当者は「ファッションとヘルスケアの異業種連携で、市場に新たな価値を生み出していけたら」と期待感を口にする。
新サービスの概要
新サービスはタニタが開発した、体組成データから体型を推定する「TANITA Body Shape Analyzer」を応用したもの。TANITA Body Shape Analyzerでは裸足で体組成計の上に乗り、両手に専用の棒を握ることで、微弱な電気信号が身体をめぐり、「どの部位に」「どれだけの筋肉・脂肪が」ついているか測定できる。この新技術を、はるやまが持つ商品データと連携させた。
タニタでは、これまで蓄積した豊富な体形データをもとに、腹囲、胸囲、首回り、裄丈、ヒップなどのサイズを推定。はるやまのスーツ、フォーマル、ジャケット、パンツに照らし合わせて商品を提案する。
実際、どのくらい一致するのだろうか?担当者は「男性なら96.2%、女性なら95.2%の高精度で一致します。たとえば競輪選手のように、太ももだけ人並外れて太い、というようなことがなければ、およそ正確にサイズを測定できます」と説明する。
はるやまではこの新サービスにより、これまでスタッフがメジャーで測っていた作業を代替する。余った時間は、ほかの接客やスタッフの教育などに充てたいとしている。一方で利用者にとってはショッピングの際の時間短縮になり、また気になる身体のサイズを他人に知られなくて済むというメリットもある。さらには新型コロナウイルスの感染防止の観点でも一役を買う。
まずは「はるやま吉祥寺店」(東京都武蔵野市吉祥寺東町1-7-1ハタビル)と「はるやま岡山大安寺店」(岡山県岡山市北区大安寺南町1-7-24)の2店舗で28日から試験提供をスタートする。利用料は無料。その後、効果検証を経て導入店舗を30店舗まで拡大し、将来的には全店舗で導入したいとしている。
コラボの到達点
はるやま商事 代表取締役社長の中村宏明氏は、同社がファッション業界にありながらも消費者の健康サポートを考えた取り組みを続けてきたことを強調する。「スーツはビジネスパーソンにとって、1日でイチバン長く時間を共にする服です。ストレスなく着て欲しい」と中村氏。タニタとは2017年から共同で「歩きたくなるスーツ i-Suit SUPPORTED BY TANITA」を開発したり、はるやま店舗内にタニタの体組成計による健康チェックコーナーを設置するなどしてきた。その流れで、今回の新サービスも生まれた。「採寸の過程で健康情報を付帯することで、お客様が自然と健康を意識できる環境を提供できます。これまで以上に具体的な健康サポートの提案ができるでしょう。今後、はるやまの新商品開発にも活かしていきます」(中村氏)と意欲をみせる。
一方で、タニタ 代表取締役社長の谷田千里氏は「はるやま商事様は『スーツで日本を健康に』を掲げており、これは弊社のミッション『日本を健康に』と合致します。そこで、ファッションと健康づくりを融合した様々なサービスを一緒に展開してきました。今回の新サービスは、両社によるコラボのひとつの到達点。今後も一緒に、常に先を見越した技術や商品、サービスに挑戦していきます」と説明した。このあと、ステージ上では中村氏、谷田氏が実際に体組成計に乗ってスーツのサイズを測るデモを披露。両者には、それぞれの体型にピッタリと合ったスーツが提案されていた。