ネットオンは4月6日、「2022年度 中小企業の賃上げ実態調査」の結果を発表した。同調査は3月18日~24日、中小企業の人事・採用担当者192人を対象に、インターネットで実施した。

  • 2022年度の賃上げ予定

2022年度の賃上げ予定について尋ねたところ、54.2%が「実施予定」、45.8%が「実施しない」と回答し、賃上げを予定している事業所が実施しない事業所を上回ることが明らかになった。賃上げを予定している事業所のうち、「賃上げ税制の要件に関わらず実施する」と回答したのは63.5%だった。

賃上げ予定の事業所に賃上げ内容について聞くと、60.6%が「定期昇給」と答えた。2位は「ベースアップ」(39.4%)で、一時的な賃上げよりも、従業員にとって長期的な安定につながる賃上げを優先した事業所が多い結果となった。

  • 賃上げの内容

賃上げ率を年収換算ベースで尋ねると、「2~3%未満」(22.1%)が最も多く、次は「4~5%未満」(18.3%)だった。さらに1ポイント差で「5~10%未満」(17.3%)が続いている。「4%以上」の賃上げを予定している事業所は、全体の40%だった。

  • 賃上げ率(年収換算ベース)

賃上げの対象となる従業員の雇用形態について尋ねたところ、57.7%が「正規雇用・非正規雇用の両方」と回答した。

賃上げ理由について聞くと、1位は「従業員の定着率向上(引き留め)のため」(54.8%)、2位は「人材採用のため」(39.4%)、3位は「業界の給与水準に合わせるため」(29.8%)だった。一方、「業績が伸びた(回復した)ため」は21.2%、「賃上げ促進税制による税額控除を受けるため」は、9.6%だった。

  • 賃上げ理由

賃上げを実施しない理由について尋ねたところ、最も多かった理由は「現在の賃金が適切であるため」(51.1%)だった。2位以下には「景気回復の見通しが立っていない」(34.1%)、「業績の悪化」(22.7%)、「人件費以外の経費を優先する(した)」(9.1%)が続き、現在の業績や今後の見通しが賃上げ実施の有無に影響していることがうかがえる。

  • 賃上げを実施しない理由