JR東日本は5日、福島県沖で3月16日に発生した地震の影響により、福島~仙台間で運転を見合わせている東北新幹線に関して、復旧作業および安全確保の見通しが立ったことから、4月14日の全線運転再開を予定していると発表した。
これにともない、4月10日までの臨時ダイヤ(3月30日発表)については、全線運転再開日の前日(4月13日)まで期間を延長。4月11~13日の指定券は4月6日の営業開始から販売される。運転再開後、当面は郡山~一ノ関間で徐行運転が必要となるため、臨時ダイヤで運転するとしており、詳細な時刻は別途案内するとのこと。平常運転の再開時期についても、復旧工事が進み次第、改めて案内する。
地震により被災した設備(新幹線)としては、電柱被害が79本、架線断線が2カ所、架線金具などの損傷が約550カ所、土木設備被害が約60カ所、軌道変位・損傷が約300カ所と発表。なお、被災箇所数は今後、変更になる場合がある。
新幹線高架橋柱に関して、今回の地震により桁やスラブの落下・柱の破断などによる構造物の崩壊といった大きな損傷はなかったものの、桁やスラブの沈下・鉄筋はらみ出しといった中程度の損傷、表面コンクリートの剥落・ひび割れといった小さな損傷が確認されている。
これらの損傷に対して、2022年3月末時点では、せん断破壊先行型の柱は約1万8,900本の補強が完了。曲げ破壊先行型(耐震性が比較的低いもの)の柱は約1万6,700本の補強が完了、約1,400本が今後に補強予定。曲げ破壊先行型(耐震性が比較的高いもの)の柱は約1,000本の補強が完了、約8,200本が今後に補強予定とのこと。