煮物に天ぷらにサラダに、そしてスイーツに。楽しみ方が無限に広がるかぼちゃは、緑黄色野菜の代表格です。かぼちゃの主な栄養素はβ-カロテンですが、そのほかにどのような栄養素が含まれるのでしょうか。

本記事ではかぼちゃの栄養情報のほか、選び方や食べ方、保存方法などをご紹介します。普段、何気なく捨ててしまうワタや種にも栄養がたっぷり含まれていることなども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

  • かぼちゃの栄養成分などを解説します

かぼちゃとは

かぼちゃ(南瓜)は、ウリ科カボチャ属のつる性植物に実る果菜の総称です。原産はアメリカ大陸で、コロンブスの大陸発見とともに、ヨーロッパに広がったとされています。日本に入ってきたのは16世紀中期ごろ。ポルトガル人がカンボジアから持ち込み、それが訛って「かぼちゃ」と呼ばれるようになったと言われています。

かぼちゃは栄養豊富な緑黄色野菜

黄やオレンジ、赤などの色素(カロテン)を、可食部100g当たり600μg含む野菜を緑黄色野菜と呼びます。かぼちゃにおける含有量は、β-カロテンだけで日本かぼちゃが700μg、西洋かぼちゃが3900μgと基準を大幅に上回っており、緑黄色野菜の代表格と言えます。

かぼちゃの旬

秋のイメージが強いかぼちゃですが、かぼちゃは夏野菜の1つ。初夏から夏にかけてが旬だとされています。ただし、収穫後に寝かせることでデンプンが分解されて糖分に代わり甘みがアップするため、秋~冬も食べごろだとされています。

かぼちゃの種類

かぼちゃは大きく「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」の3種類に分けられます。現在は西洋かぼちゃが主流となっています。

日本かぼちゃ
カンボジアから伝わったのが、この「日本かぼちゃ」と言われています。水分が多めで粘りが強く、甘みは少なめ。味わいがあっさりと淡泊であることから醤油との相性がよく、日本料理に向くとされています。

見た目は全体的に凹凸がはっきりとして、ゴツゴツしています。代表的な品種は、「小菊かぼちゃ」「黒皮かぼちゃ」「菊座かぼちゃ」「鹿ケ谷(ししがたに)かぼちゃ」など。アメリカなどで人気の「バターナッツ」も、これらと同じ仲間です。

現在は西洋かぼちゃが主流となり、日本かぼちゃの生産量は減少しています。

西洋かぼちゃ
日本かぼちゃに比べると水分は少なめで、加熱するとホクホクの食感になります。甘みが強く粉質という特徴が人気を呼び、食生活の西洋化と併せて昭和40年代ごろから生産量が増加。現在、流通しているかぼちゃのほとんどが、この西洋かぼちゃといえるほど主流になりました。代表的な品種に、「えびすかぼちゃ」「みやこかぼちゃ」「九重栗かぼちゃ」「坊ちゃんかぼちゃ」などがあります。

ペポかぼちゃ
細長かったり、色が変わっていたりと珍しい形状のものが多く、食用のほか観賞用として用いられるものもあります。果肉が細い麺のようにほぐれる「金糸瓜(そうめんかぼちゃ)」や、イタリア料理に使われる「ズッキーニ」がこのペポかぼちゃの一種です。

  • 現在、流通するかぼちゃの多くは、表面に凹凸の少ない西洋かぼちゃです

かぼちゃの栄養成分・カロリー

かぼちゃはβ-カロテンが豊富な緑黄色野菜。ここでは食卓に上ることが多い日本かぼちゃ・西洋かぼちゃの栄養成分について紹介します。

※日本食品標準成分表2020年版より(生の状態のもの100g当たり)

<日本かぼちゃ>
エネルギー: 41kcal
・たんぱく質: 1.6g
・炭水化物: 10.9g
・カリウム:400mg
・葉酸:80μg
・β-カロテン: 700μg
・α-トコフェロール: 1.8mg
・ビタミンC: 16mg
・食物繊維総量: 2.8g

<西洋かぼちゃ>
エネルギー: 78kcal
・たんぱく質: 1.9g
・炭水化物: 20.6g
・カリウム:450mg
・葉酸:42μg
・β-カロテン: 3900μg
・α-トコフェロール: 4.9mg
・ビタミンC: 43mg
・食物繊維総量: 3.5g

日本かぼちゃと西洋かぼちゃを比べると、西洋かぼちゃは粉質で甘みが強いぶんカロリーは高め。β-カロテンやビタミンCも多く含んでいることが分かります。一方、日本かぼちゃの葉酸含有量は西洋かぼちゃのおよそ2倍です。

  • かぼちゃにはβ-カロテンやビタミンCなどが豊富

かぼちゃに含まれる栄養素の効果・効能

かぼちゃの栄養素には、どのような効果・効能があるのか見ていきましょう。

免疫力・抗酸化力がアップ
かぼちゃに含まれるβ-カロテン、α-トコフェロール(ビタミンE)、ビタミンCには、体の酸化を防ぐ働きや免疫力を上げる効能があります。

β-カロテンは体内でビタミンAとなり、粘膜を保護してウイルスや細菌から守る働きがあります。α-トコフェロール(ビタミンE)は、血行の促進や、細胞の酸化を防ぐ働きがあります。ビタミンCは鉄分の吸収を高めるほか、病気やストレスへの抵抗力を上げるなどとされています。

寒くなると免疫力が下がり、風邪の症状などで体調を崩すことも多くなるでしょう。冬至にかぼちゃを食べるという食習慣がありますが、免疫力を高めるという意味では理にかなっていると言えます。

肌の健康を保つ
β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変わり、粘膜や肌を保護します。ビタミンCはコラーゲンの生成に関与するほか、色素沈着を防ぐ効果も。若返りのビタミンとも言われるα-トコフェロール(ビタミンE)は、体の老化を防ぐほか、血流をよくする働きもあるので、肌の細胞の隅々まで栄養が行き渡らすとされています。

むくみ対策になる
かぼちゃは、体の余分な水分を排出する働きがあるカリウムを多く含んでいるので、むくみ対策にもぴったり。また、カリウムは体内のナトリウム排出を促す効果もあります。食塩を多く摂取することが続くと、高血圧になるリスクが高まりますが、カリウムを摂ることで体内の塩分排出が促され、高血圧の防止にもなります。

腸内環境を整える
かぼちゃには水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けずに水分を吸収して膨らむ不溶性食物繊維のどちらもバランスよく含まれています。腸の蠕動運動が促され、便秘の改善や予防に役立ちます。

  • かぼちゃは美容にも適した野菜

かぼちゃの皮・種・ワタにも栄養がたっぷり

かぼちゃを調理する際、無意識のうちに皮をむいたり、種やワタを捨てたりしていませんか。実はこうした皮や種、ワタには果肉部分以上のβ-カロテンが含まれています。また、皮には食物繊維が、種にはコレステロール値の上昇を抑えるリノール酸や、抗酸化作用のあるリグナン類などが含まれています。

かぼちゃの皮・種・ワタのおいしい調理法

かぼちゃの皮はともかく、種やワタはどのように調理すればおいしく食べられるのでしょうか。

ワタは煮つけやポタージュに

ワタには甘みがたっぷり含まれているので、かぼちゃは皮付きのまま種だけをとったら、ワタも一緒に煮つけにするのがおすすめ。濃厚な甘みに仕上がります。食感が気になるという方はミキサーにかけ、ポタージュやシチューにしてもおいしく食べられます。

種はカリカリに煎っておつまみに

製菓材料店で「パンプキンシード」として売られているかぼちゃの種。洗ってしっかり乾かしたら、フライパンで煎ります。焦げ目が薄くつき、殻にひび割れができるまで弱火でじっくりと。殻を割って中身を取り出せば、ナッツのようにカリカリと香ばしく、塩を振ればおつまみにぴったりです。

  • 栄養たっぷりの種までおいしく食べよう

かぼちゃの選び方

かぼちゃは収穫後、しばらく置くことで熟成して甘みが凝縮されます。そのため、選ぶ際は皮が濃い緑色のもの、ヘタがしっかりと乾燥している、ヘタの周りが凹んでいるものがよいでしょう。手にとるとずしりと重く、皮がかたいものもおいしさを見分けるポイントです。

かぼちゃはカットして売られているものも多いですが、断面のオレンジ色が濃いもの、種とワタがぎっしり詰まっており、種がふっくらとしたものが完熟の目印になります。かぼちゃはカット後、種から傷み始めるので、種の状態をよく見て選びましょう。

かぼちゃの調理法

かぼちゃの栄養素のなかで代表的なβ-カロテンは、脂溶性のため油と一緒にとると吸収力が高まります。天ぷらはもちろん、炒め物やサラダに使う際には油をしいたり、マヨネーズやオイル添加タイプのドレッシングを使ったりするのがおすすめです。煮物にする場合には油揚げや厚揚げと一緒に煮付けたり、肉のそぼろあんをかけたりなどで、油と一緒にとることができます。

デザートにも重宝するので、プリンやクッキー、マフィンなどにアレンジしてもよいでしょう。

かぼちゃの切り方

かぼちゃは切るときに苦労するという人も多いのではないでしょうか。丸ごと切る場合はまな板の上でグラグラしてしまうので、まずヘタを上にして包丁で半分にカットします。この時、ヘタのかたい部分は避け、ヘタの横から包丁を入れます。

半分にカットしたら包丁の先を使って、ヘタの周囲に三角形の切り込みを入れ、ヘタを取り除きます。丸の状態のまま切り込みを入れるにはかなり力が必要で、包丁の先が刺さったまま取れなくなることもあるので、半分にカットしてからがおすすめです。

その後、断面を下にしてかぼちゃを安定させてから、包丁の腹の部分を使ってカットしていきます。どうしてもかたが気になるという方は、ラップで包み、数分加熱して粗熱をとってから包丁を入れるという方法もあります。

かぼちゃの保存方法

かぼちゃを丸の状態のまま保存する場合は、風通しのよい冷暗所に置きます。保存の目安は、2か月程度です。

カットされたかぼちゃは空気に触れてワタの部分から痛みやすいので、早めに食べるのがおすすめ。ラップをしてもカビが生えてくることがあるので、すぐに食べないという場合にはスプーンでワタと種をこそげ取り保存するとよいでしょう。

かぼちゃは冷凍保存も可能です。カット後はラップで包み、保存袋などに入れて冷凍室へ。調理の際は凍ったまま使いましょう。

  • かぼちゃの栄養素・β-カロテンは、炒め物やフライにして油と一緒にとるのがおすすめ

かぼちゃは栄養たっぷりの緑黄色野菜!

かぼちゃにはβ-カロテンがたっぷり。β-カロテンは体の中でビタミンAとなり、抗酸化作用や皮膚、粘膜などを健やかに保ち、免疫力アップにつなげます。油と一緒だと吸収力が高まりますので、かぼちゃ料理にはできるだけ油を用いてみてください。

皮や種、ワタにも栄養が豊富に含まれているので余すことなくいただきたいですね。煮物のほか、シチューやコロッケ、サラダ、デザートなど、色々なアレンジをお試しください。