――今後の千鳥さんの活躍がさらに楽しみになりましたが(笑)、お二人にとって飛躍のきっかけになったと感じている出来事を教えてください。

ノブ:東日本大震災(2011年)のときに、みんなけっこう慰問ライブを行っていて、我々はそのとき知名度がなかったので、行っても喜んでもらえないんやと。もっと頑張ってみんなが知っている存在にならないと喜んでもらえないんだなと、悔しい思いをしたのを覚えています。そこから何をしようか考えたときに、僕らは情報番組にも積極的に出るように。どうにか知名度を上げられたら、変なネタをしても笑ってもらえるというか、そのために僕らに向いてないような番組でも挑戦するようにしました。

――ノブさん自身も、「クセがすごい」ツッコミで人気者に。自分の中でスイッチを入れた瞬間などあったのでしょうか。

ノブ:「クセがすごい」はずっとネタでやっていて、自分的には新鮮味がなかったんですけど、番組で笑ってもらえたときに、これが面白い感じになるんだと。でも、自分の中では飽きているし……と思っている頃に、ブラックマヨネーズの小杉(竜一)さんがテレビで『ヒーハー』を全力で言っていて、全力ヒーハーはいつまでたっても面白いんだなと。そのときに、自分は飽きていても、「クセがすごい」を求められたら全力で言おうって決めました。

――大悟さんは飛躍のきっかけについてどのように考えていますか?

大悟:ここ1、2年はようやくいろいろやらせてもらっていますが、つらい思いのほうが多かったというか、東京に出てきてなかなかテレビで受け入れられず、スベったりしてうまいこといかないなと。そういうときに、漫才師なので帰るところは結局舞台。東京だとルミネtheよしもとで定期的に漫才をさせてもらっていて、それが大きいのかなと思っています。

――やはり舞台、漫才が軸なわけですね。

大悟:テレビはスタッフさんが作る部分が大きいですし、いろんな人とやるものですけど、漫才だけはウケようがスベろうが千鳥の責任なので。そこでウケている限りは大丈夫というのがずっとあったからやってこられた。自信というか、漫才さえウケていたら千鳥が終わることはないという思いがあります。

――年々、漫才に磨きをかけられていると思いますが、意識的に頑張っていることなどありますか?

ノブ:若手もすごくて、どんどん漫才が進化している。我々も漫才を作らなくなったら千鳥が止まってしまう感じがするので、コロナでできなかった年もありますが新ネタライブは毎年やっていますし、やるたびに変なネタができる。進化しているかどうかはわからないですけど、楽しく作れているのでまだまだ安泰かなと思います。

――楽しくどんどん新ネタが生み出せるって本当にすごいことですよね。

ノブ:新ネタを作るのは一番大変なんですけど、だからこそやらないといけないなと。

――お二人は高校時代に大喜利などをして遊んでいたそうですが、遊び感覚で楽しみながら笑いを生み出すというような変わらないものが根底にあるのでしょうか。

ノブ:それはあると思います。ちゃんといろいろ考えて綿密に作り込んだネタもあれば、2人であわせながら10分くらいでできるようなネタもあって、自分たちが楽しんでいるからなのかそっちのほうがウケたりするんですよ。不思議ですね。