■“面白いと思われたい”が最大にして唯一の目標
今年でコンビ結成22年となるが、相変わらず“面白いと思われたい”ということが最大にして唯一の目標だという。
「そんなのただの独りよがりだということは分かっているんです。売れた方がいいじゃんという思いも分かるんです。でも純度100%の思いって格好いいじゃないですか」。
そんな思いでお笑い界を見ると、徳井と同じような考えで苦しんでいる芸人が目に付くようになったという。
「本当に面白いと思う芸人っていっぱいいるんです。でも売れていない人もたくさんいる。そこは純度の薄め方。やっぱり100%で戦って“面白い”と芸人仲間から言われると、それでいいんだと思ってしまう。でも世間ではもうちょっと薄めていかないと売れないことも多い。そこで薄められるかどうかなのですが、妥協できずに消えていってしまう人もたくさんいるんです。それを見ていて感じていたので、何とかしたいな、この面白さを伝えたいなと思って考察を始めたということもあります」。
考察を始めてからは、厳しい批評を受けることもあったという徳井。SNSの発展によって、表に出て活躍する人物への批評というのはダイレクトに届くようになってきた。
「僕もボクシングや野球を見て、あーだこーだ言っているので、そのこと自体は健全なことだなと思います。そもそもダウンタウンさんなどのような人たちが出て、お笑い芸人ってすごいんだという風潮になっているのかもしれませんが、もっと身近な存在でいい職業だとも思うんです。それを『本当はすごいんだ』ってやっている僕の方がタブーなんでしょうね(笑)」。
それでも、心無い言葉にはヘコむこともあるという。
「まあ、酔っぱらったおじさんに暴言吐かれても大丈夫かなと思うのですが、SNSなどで文字になって届くと、結構ダメージを受けるんですよね。だからなんか職業と年齢だけは書いてくれると、それも少しは和らぐというか……。例えば、20代の看護師さんとかに言われたら、いろいろ大変なことも多いのかなと勝手に気持ちが緩和できるのかなと。でもただ単に『徳井つまんねーよ』と言われるのは、やっぱりヘコみますね(笑)」。