ワークス・ジャパンと産業経済新聞は3月7日、「2023年卒大学生就職希望企業人気ランキング」の結果を発表した。調査は 2021年10月1日~2022年1月31日、2023年3月卒業・修了予定の大学生、大学院生を対象にインターネットで行われ、2万9,150票の有効回答を得た。
就職を希望する企業を、第1〜第5志望まで選んでもらった結果、文系総合の1位は「伊藤忠商事」、2位は「損害保険ジャパン」、3位には「東京海上日動火災保険」がランクインした。「伊藤忠商事」は、視聴者制限なしのオンラインセミナーやVRを活用したイベントを開催するなど、現在の学生と親和性の高い情報発信を強化。損害保険ジャパンは、22卒よりインターンシップをオンライン化。企業と学生の双方向性を意識した広報活動や現場社員との交流を多く設けて企業理解や共感を促す施策を数多く行ったことで、学生の支持を集めた。
以下、4位「三菱商事」、5位「みずほフィナンシャルグループ」、6位「三菱UFJ銀行」、7位「三井住友銀行」、8位「アクセンチュア」、9位「ニトリ」、10位「三井住友海上火災保険」が上位にランクイン。
多くの企業が、昨年9月に実施した「インターンシップ人気企業ランキング」でも上位となっていることから、インターンシップを起点として学生と密なコミュニケーションを徹底し、企業理解・事業理解を促すことで学生からの高い興味関心につなげていることが伺える結果に。
また、「ニトリ」や「講談社」(12位)、「楽天グループ」(17位)など、学生にとって身近な商材を扱う企業も高い支持を得ており、文系男子では、「三井不動産」(10位)、「三菱地所」(14位)といった「不動産」が、文系女子では、「講談社」(4位)や「集英社」(12位)などの「出版」が上位にランクインした。
理系総合のトップは「ソニーグループ」。2位には「NTTデータ」がランクイン。8位の「日立製作所」、10位の「富士通」も含め、DX推進といったビジネスイノベーションへの取り組みを強化している企業が上位に。
また、3位の「アクセンチュア」、5位の「野村総合研究所」、20位の「PwC」といったコンサル系や、「トヨタ自動車」(4位)や「パナソニック」(6位)、「三菱重工業」(12位)など、事業のスケール感や幅広い事業領域、社会貢献性の高さが特徴であるモノづくり、インフラ系メーカーも上位に。そのほかTOP10には、7位に「鹿島建設」、9位に「JR東海」がランクインした。
男女別では、理系男子は総合と大きな差がない一方で、理系女子は、1位「資生堂」、2位「コーセー」、6位「味の素」、7位「花王」、9位「森永乳業」など、「薬品・化粧品・日用品」や「食品」がTOP10内に多くランクインした。
就職希望先の企業を選んだ理由については、「やりたい仕事ができそう」(35%)、「業界上位の企業だから」(18%)、「インターンシップでの印象がよかったから」(14%)が上位に並び、大手志向が進み、インターンシップの重要性も高まっていることが伺える結果に。
現時点で最も志望している業種を教えてもらったところ、1位「IT・ソフトウェア」(14%)、2位「銀行・証券」(8%)、3位「食品・製菓・飲料」(7%)となった。
最後に、コロナ禍での就職活動において苦労していることを聞くと、「社員と対面接触ができず、社風や雰囲気がつかみにくい」(45%)が断トツの1位に。次いで、「コミュニケーションがとりづらい」(20%)、「働く場所のイメージがしにくい」(12%)と続いた。