イラストレーターとして活動中の中村 隆さん。彼の作品は雑誌・書籍・広告ポスターなどで見ることができます。19世紀フランスの画家スーラにも通じるような点描画、というよりも線描画、というか刺繍画…とにかくカラフルなペンを使って、縫い糸のようなタッチで繊細に描きあげていきます。さぞかし、ストレスが溜まるのではと思いきや…。

今一番後回しにしていい絵を描くのは、だいぶ息抜きになるな

  • (Twitter 中村 隆@takasi83より引用)

緑の点描の間を縫うように、黄色い点々を淡々と描き続ける中村 隆さん。いったい1枚の絵を完成させるのに、いくつの点を描くのでしょうか。次第に仕上がっていくイラストの美しさに、国内外のフォロワーから賞賛の声が集まっています。

「わあ!なんて細かいお仕事」「刺繍みたいな可愛い絵」「すごい! 点描みたいですね」「点の一つ一つが集まりがこんなきれいな世界になるなんてすてきです」「こういう描き方もあるんだ〜素敵すぎました」「Beautiful technique!」「Wow, so pretty! Your art put a big smile on my face.」などなど。みなさん賞賛する一方ですが、本当にこんなヘビーな作画作業が息抜きになるのでしょうか。中村さんに直接聞いてみました。

■作者さんに聞く

……ふだん1日何時間くらい絵を描いているのでしょうか。

仕事の入り方によってマチマチですが、一日、5時間から10時間くらい絵を描いています。忙しい時はもっとです。

……時間的にゆとりがあると同じ作業をしていても息抜きになるものでしょうか。

宿題をサボって遊んでいるような感じでしょうか。仕事ではない、たとえば個展用に自由に描くオリジナルの絵で、個展まで時間もある状況で描く絵は同じ作業をしていても、一番急いでやらなくてはいけない仕事の絵をサボって、落書きをしているような気分になります。

……時間的にゆとりがあって描いた絵とそうでない絵では、出来に差がありますか。

一長一短ですね。ゆとりがあった方が良い絵になるかどうかは少し別な気がします。意外と余計なことをしてしまったりもあるので。ただ、楽しさでいえば、ゆとりがある絵の方が描いていて楽しいです。新しいアイディアも試しやすいです。

▼今一番後回しにしていい絵を描くのは、だいぶ息抜きになるな