ハレの日「結婚式」は、人生のビッグイベント。ですが、「費用が高すぎる」と心配に思う人も多いのではないでしょうか? 今回は結婚式が高くなるカラクリや、費用を抑えるコツなどをご紹介。また、結婚情報サイト「マイナビウエディング」編集部 部長の平田さんに、ポイントやアドバイスを伺ってきたので、ぜひ記事を参考に結婚式に備えてみてください。
■結婚式はいくらぐらいなの?
結論からいうと、結婚式は「高い買い物」と表現されることが多く、見積金額に驚くカップルはめずらしくありません。予算内に収めたいと思いながらも、結婚式は人生において大きなイベントなので妥協できないカップルも多いでしょう。
マイナビウエディングが結婚式を開催したカップルを対象に実施したアンケート「マイナビウエディング 結婚・結婚式実態調査2021」(※)によると、コロナ禍ということもあり、例年よりは縮小されて「100~150万円」が最多の結果に。ですが、続いて多かったのは「200~250万円」、「300~350万円」という結果でした。会場や衣装、料理、飲み物などによっては500万円以上になるカップルもいます。
ちなみに、挙式だけの料金を見ると、挙式料金と衣装料金で20~40万円程度が一般的な相場です。つまり、結婚式費用の多くを担っているのが、挙式後の披露宴と言えるでしょう。
■結婚式が高くなるそのワケとは⁉
ここでは結婚式が高くなる3つの理由を解説します。結婚式が高くなるワケを知れば、自分たちで節約するべき項目や費用を抑えられるポイントなどが見えてくるはずです。
1. 他業界とは異なる場所やサービス
「結婚式にはハード面とソフト面があります。式場の種類やサービス内容によっても異なりますが、土地や建物などのハード面を維持する費用、良質なサービスを提供するためのソフト面にかかる費用というように、結婚式を提供するには多額の費用が必要となります。それに加えて、日常的に使う場所ではないことを考慮すると、カップル一組あたりにかかる費用がその分だけ高くなってしまうのです」(平田さん)
毎日稼働する飲食店や宿泊施設などとは異なり、機会が限られ、さらに良質なサービスを求められる結婚式。どうしても費用が高くなってしまう傾向にあるようです。
2. 必要のないものまでついている可能性あり
結婚式費用の見積をみると、意外と必要のないものが多く含まれている場合があります。また、人生のビッグイベントという考えから、あれこれオプションを付けていくケースも多いでしょう。中にはよく分からないものまで含まれていて、金額が上がっている場合もあります。
経験のない結婚式の準備段階では、何が必要で不必要なのか見極めるのは難しいものですが、プランナーの提案するものがすべてとは限りません。内容の分からないものは、しっかりとプランナーに確認して判断していきましょう。
3. 良質なものが取りそろえられているが、中間マージンが発生する
結婚式が高いのは、式場が提携しているショップや業者に発生している中間マージン(手数料)が上乗せされていることも理由のひとつです。
式場は、挙式や披露宴で使用するドレスやアクセサリー、造花、カメラマン、ヘアメイク、司会などの専門ショップと提携しています。顧客の確保や中間マージンで収益を上げられるだけでなく、安定的に良質な商品やサービスを提供できる体制ができるというメリットもあるため、この構図は覆りづらいものです。
例えばアクセサリーやブーケなど、結婚式場で手配してもらうよりも、自分たちで探してみた方が安く手配できるケースがあります。直接、購入・レンタルをした方が、中間マージンがかからないため安くなることが多いのです。
ただし、式場によっては持ち込みをすると手数料がかかる場合や、自分で手配することでクオリティに差が出る可能性があるということは、念頭においておきましょう。
契約するのは、料金にきちんと納得できてからでも遅くはありませんよ。あとから変更できるものなどをきちんと確認し、見積書の内容を見直してみるのもポイントです。
■費用を抑えるポイント
結婚式費用を抑えるポイントは、主に5つあります。取り入れやすいものから実践して、少しでも結婚式費用を抑えてみるのもおすすめです。
1. 日取りや時間帯を変えてお得に開催
結婚式の費用は、オフシーズンや日取り、時間帯などによって安くなることがあります。まず、1年の中で結婚式の費用が安いのは1月・2月・7月・8月です。
寒さや暑さが厳しい時期の結婚式は、新郎新婦だけでなく、招待するゲストの負担にもなるので避ける傾向にあります。式場も、この時期には顧客獲得のために割安プランを用意していることも。
また、お祝いのイベントなので六輝によっても費用が変わってきます。六輝の中でお祝いごとにふさわしいとされている「大安」は人気のため費用も高額になりがちです。逆に、物が消滅するといわれる「仏滅」は結婚式の日取りとしては避けられる傾向にあるため、費用は安く設定されています。あまり気にしないのであれば、仏滅の結婚式も候補に入れてみるのもよいでしょう。
他にも、平日や夕方以降だと安くなることもあります。「土日にこだわらない」「ナイトウエディングに興味がある」という方はぜひ、検討してみてください。
2. 結婚式のスタイルによって値段は変わる
結婚式のスタイルは、新郎新婦によって自由に決められるものです。よく言われる、挙式と披露宴をセットにした結婚式にこだわる必要はありません。
例えば、ゲストに結婚の証人になってもらう挙式スタイル「人前式」に変えてみるのもよいかもしれません。式の進行だけでなく、誓いの言葉や演出なども、2人で全て決められるためオリジナリティの高い挙式が実現できます。教会の挙式で必要になる聖歌隊やオルガン奏者、牧師さんなどの手配を削れる分、費用も安く抑えられるでしょう。
また、招待客の人数を絞った少人数の結婚式も費用を抑えられる傾向にあります。会場代や料理、飲み物、引き出物など、招待客が少なければ少ないほど費用はかかりません。ですが、その分ご祝儀も少なくなるので、自己負担金をしっかり計算し、「どういう結婚式にしたいのか」「いくらが予算なのか」を確認するようにしましょう。
さらにここでは平田さんからワンポイントアドバイス。
「費用を抑えつつ写真にも残すことができるフォトウエディングも、人気のスタイルです。ただの撮影というだけではなく、パートナーやご家族と衣装を選んだり、すてきな場所で撮影する時間は、2人にとって楽しくて貴重な一日になるはず。中には、撮影中に簡易な挙式や、撮影後に会食を行うカップルもいらっしゃいますよ」(平田さん)
フォトウエディングをはじめ、自分たちに合ったスタイルを考えてみてくださいね。
3. アイテムを持ち込んで節約しよう
衣装やアクセサリーなど、式場で扱っているものではなく自分たちで手配してみるのもおすすめ。中間マージンがかからないため、費用が抑えられる可能性があります。引き出物やプチギフトなども、式場のものにこだわる必要はありません。外部の業者などに依頼すると安く済む場合があるので、まずは確認してみましょう。
また、ペーパーアイテムやウェルカムボード、プロフィールムービーなどは自作して持ち込むのもおすすめ。式場で依頼するよりも安くなるだけではなく、自由に制作できるところも魅力的です。しかし、式場によっては持ち込み料が別途かかる場合があるので事前に確認しておきましょう。
4. 料金交渉を行おう
契約前の見積書を提示されたタイミングで、料金交渉を行いましょう。交渉する際は、ただ単に安くしてほしいと切り出すのはNGです。「〇〇を追加したいけれど予算オーバーになるから調整したい」「契約したいけれど、もう少し料金を抑えたい」など、前向きな料金交渉を心がけましょう。
また、他にも見積書をもらっている式場があるなら持参して料金交渉をしてみるのもおすすめです。式場も、納得の契約をしてもらうために料金調整を検討してくれるでしょう。
5. 第三者を介入して節約ポイントを伝える
中には、式場に直接相談するのが難しい方もいるでしょう。そのような場合は、第三者を介入することを検討してみてください。例えば、会場探しから料金交渉など、結婚式に関わる決め事などを新郎新婦に代わってコンシェルジュが行う「ブライダルサロン」を活用する方法もあります。
結婚式場に手作りアイテムを持ち込みたい、外部の業者で手配したい、オプションを検討しなおしたいなど、直接言いづらいことがあるときに2人の大きな力になってくれるでしょう。
■正しい見積書ゲットが費用を抑える近道に
結婚式場の見学に行くと、最初におおまかな見積書をもらうことがほとんどです。予算を大きく超えた結婚式にならないためにも、見積書は正しくもらいましょう。
1. 人数・挙式スタイルなどを事前にチェック
ゲスト人数や挙式スタイルなど、事前に決められるものを確認しておきましょう。特に、ゲスト人数で披露宴会場の規模や料理などの金額が決まるため、あらかじめ人数を把握しておくことをおすすめします。
また、親族と友人ではご祝儀額も異なります。一般的に、1人あたり友人は3万円、親族は5万円とされているので、事前に招待ゲストとご祝儀額も計算しておくと、自分たちの予算もはっきりして、よりリアルな見積書をもらうことが可能です。
他には、日取りや希望月も2人はもちろん、家族と話し合って決めておきましょう。見学当日に意見が合わないと、正確な見積書がもらえないので注意してください。
2. 見落としやすい項目を確認
具体的に、式の内容が決まっていくと当初の見積書にはなかった項目などが増えていきます。その分、料金も高くなるためこまめに確認しておきましょう。
後から新しく追加される項目には、フラワーシャワーなどの演出関係やヘアメイクのリハーサルなどの美容関係、アルバムやプロフィール動画など、映像・画像関係が挙げられます。これらは、節約できるポイントにも含まれるのでどのように進めるか相談しておきましょう。
料理のランクアップも料金が追加される代表的な項目です。ゲスト1人にあたりプラス3,000円のコース料理にしただけでもゲストが70人いれば21万円も増額。実際は、見学当初の料理でも問題ないケースも少なくありません。料理のランクアップは、実際に試食してから十分に検討しましょう。他にも、衣装や装花、ウエディングケーキなどもランクアップすると予算オーバーになりやすいので注意してください。最初にこんな装花にしてみたいなどのイメージも持参するといいかもしれませんね。
さらにプロが考える見落としがちなこんな項目も……。
「ゲストのお車代や受付のお礼、新郎のシャツや新婦のブライダルインナーなどの衣装小物、芳名帳などウェルカムスペースのアイテム、招待状の切手代なども見落としがちなお金です。細かいですが、まとまるとある程度の金額になりますので、『そういったことに費用がかかるんだ』ということをあらかじめ意識しておくと、あとから予算オーバーで悩む可能性が減ると思います」(平田さん)
3. 複数パターンの見積書をもらう
結婚式は、人生のビッグイベントなので節約ばかりでは後悔するおそれもあります。ぜひ見積書をもらうときは、現実的なものと理想的なものの2パターン準備してもらいましょう。予算と照らし合わせてみると、意外と難しいと思っていた項目を追加できるかもしれません。また、現実的な金額も見えてくるため、内容の見直しなどもしやすくなるでしょう。
なお、招待人数は後から増える傾向にあります。例えば、70人の招待で考えていた場合でも80人程度で見積書を出してもらうと、後から予算が足りなくなる事態を回避できるでしょう。プランナーからいろいろ提案してもらうと、どれも魅力的に見え追加したくなりますが、現実的な見積書を見ながら冷静に判断していきましょう。
■見学前には事前準備を行おう
結婚式の料金は、どんどん高くなっていき最終的に予算を大幅にオーバーしてしまうケースがあります。契約をしてからだと料金交渉が難しくなってしまうため、事前にお伝えしたポイントを決めてから見学に行きましょう。
また、結婚式場を決める際はどのような結婚式をしたいかイメージしておくことも大切です。呼びたい招待客の人数や料理、衣装、へメイク、引き出物など、決めることはたくさんあります。節約できるポイントをおさえて、理想の結婚式をかなえてくださいね。
※「マイナビウエディング 結婚・結婚式実態調査2021」概要
調査期間:2021年8月10日~16日
調査対象: 2020年7月1日~2021年6月30日に入籍した全国の18歳~49歳までの男女1099名
調査方法:インターネット調査