東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて「ザ・フィンランドデザイン展ー自然が宿るライフスタイル」が2021年12⽉7⽇(火)〜2022年1⽉30⽇(⽇)まで開催されている。Bunkamuraで行われる展覧会といえば、会期中に館内で味わえる期間限定コラボメニューもお楽しみのひとつ。今回はどんな個性溢れる料理が提供されているのか、足を運んでみた。

  • Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「ザ・フィンランドデザイン展ー自然が宿るライフスタイル」

フィンランドデザインの歩みが学べる展覧会

「ザ・フィンランドデザイン展ー自然が宿るライフスタイル」では、ヘルシンキ市立美術館(HAM)監修のもと、マリメッコやフィンレイソンのテキスタイル、カイ・フランクのガラス工芸の他、陶磁器や家具など1930年から70年代にデザイン・制作された製品とともに、同時代の絵画などもあわせて展示。約250 点の作品と約80点の関係資料で、時代を超えて愛される名品が生み出されたフィンランドデザインの歩みが紹介されている。

  • 色鮮やかでポップなファッションが展示されたコーナーは60年代のエンターテイメントを思わせた

幸福度世界一(国連「世界幸福度報告書」2021年度版よる)の国・フィンランドは、豊かな自然と美しいデザインの宝庫。展示物には、木材を使用した有機的フォルムの椅子や、大量生産と実用性で人々の生活の質を向上させることを目的とした機能的フォルムの花瓶やカップに始まり、近代的な消費社会を迎えよりモダンでファッショナブルなデザイン等が並んでいた。戦中から戦後へと、人々の生活が豊かになっていくためにデザインが果たした役割の大きさを知ることができた。

  • 木材の曲線が美しい有機的フォルムの椅子が並ぶ

また、建築に光を取り込む設計がなされていたり、光を受けて表情を変えるガラス製品、あたたかい季節の太陽や花を想起させる鮮やかなテキスタイルなど、長く厳しい冬の生活を室内で心健やかに過ごすために工夫されたデザインは、コロナ禍でおうち時間を過ごす我々の生活へのヒントをもらえた気がした。ムーミンの生みの親トーベ・ヤンソンの作品もあり親しみやすさもあるので、家族連れやデザインに興味のありそうな若い世代も多く訪れているという。

グッズ売り場には、公式図録から、マスクケース、布バッヂ、トートバッグ、ポストカード、レターセットなどが販売されていた。筆者は今回、北欧ブランドAXLINGSのポーチにひとめぼれ。リネン100%で手触りが良く、取材に必要な小物を入れるのに最適。フィンランドということで時節柄サンタさんがプレゼントしてくれないかな~とか思いつつ自腹購入して展覧会を後にしたのであった。メリークリスマス。

館内で味わえるコラボメニューで幸福に

では続いて、本展会期中にBunkamura館内で楽しめるコラボメニューをご紹介。フィンランドとのコラボ料理ってどんなものなのだろう?今回は、ロビーラウンジで提供しているメニューをいただいた。

  • 「ザ・フィンランドデザイン展」でコラボメニューを食べてきた

●「サーモンスープ 冬野菜とアンチョビポテトを添えて」

  • カラフルでデザイン性に富んだ「サーモンスープ 冬野菜とアンチョビポテトを添えて」

1階の「ロビーラウンジ」で提供されているのが、「サーモンスープ 冬野菜とアンチョビポテトを添えて」(2,000円)。デザイン展とのコラボということもあり盛り付けはじつにカラフル。フィンランドでは定番のサーモンスープをアレンジしたもので、大きなサーモンひと切れが入った豪勢なメニューだ。ブイヨンと生クリームで作られたスープをひと口飲んでみると、クリーミーで奥行きがあって美味しい!サーモンは火が入りすぎてしまうとパサパサになってしまうので、低温調理でじっくり火を入れており、しっとりとした柔らかい食感が際立っている。丁寧に旨味を引き出されたサーモンとスープの相性も抜群で、アクセントのピンクペッパーと一緒に食べているうちに体がぽっかぽかになる、

  • 低温調理でじっくり火を入れたサーモンは柔らかくて絶品!

寒い冬にぴったりな味。添えられているアンチョビポテトは、北欧ではポピュラーなクリスマスの定番料理のアンチョビのポテトグラタン「ヤンソンさんの誘惑」風。ほくほくしたポテトにアンチョビの塩気がマッチしていて名バイプレイヤー的な存在感を発揮している。

  • アンチョビポテトはこれだけでメニュー化してほしいぐらいに美味!お酒が飲みたくなる味

さらに、冬の京野菜から紅芯大根、金時人参、芽キャベツなども彩りを加えている。サーモンと野菜を食べ終わり、スープにパンを浸して食べてみたら、やっぱり最高。しっとりサーモン、クリーミーなスープ。旬の京野菜、そしてパン。優しくて温かい、幸福度渋谷一な美味しさだった。かなり人気メニューとなっており、展覧会を訪れたお客さんの多くがオーダーしているようだ(※本展のチケット・QRチケットご提示で200円引)。

  • 最後はスープにパンを浸してとことん味わった

●ホットドリンク「グロッギ」

  • ホットドリンク「グロッギ」は香りを楽しみながら飲みたい

「サーモンスープ 冬野菜とアンチョビポテトを添えて」と合わせて飲みたいのが、フィンランドでクリスマス時期に飲まれるホットドリンク「グロッギ」(ノンアルコール 1,000円 / アルコール 1,100円)。ハイビスカスやシナモン、リンゴなど様々なスパイスやフルーツをベースにしたハーブティーに、アルコールでは赤ワインを、ノンアルコールではクランベリージュースを加えている。

  • レーズンやアーモンドを浸しながら飲むのがフィンランド流

運ばれてきた瞬間に、スパイシーな良い香りが漂ってきた。シナモンスティックでかき混ぜながら香りと爽やかな風味を楽しみながらホッとできるドリンクで、こちらも寒い日にぴったり。添えられたレーズンやアーモンドをスプーンに乗せて浸しながら一緒に食べるのがフィンランド流なんだとか(※本展のチケット・QRチケット提示で100円引)。

また、「ドゥ マゴ パリ」(Bunkamura 1F/B1F)ではエルダーフラワーのホットカクテル2種類(ノンアルコール1,200円 / アルコール1,400円)を提供中。ロビーラウンジ、ドゥ マゴ パリ共に、提供期間は2021年12月7日(火)~2022年1月30日(日)までとなっている。

尚、東急文化村では、この冬のホリデーシーズンを中心に、豊富な文化芸術が勢ぞろいする『SHIBUYA HAPPY HOLIDAYS(渋谷ハッピーホリデー)』を開催中。「ザ・フィンランドデザイン展」もその一環として行われている。Bunkamuraのほか、東急シアターオーブ、セルリアンタワー能楽堂などで様々な催しが開催されるので、こちらも併せてチェックしてみてほしい。

●information
「ザ・フィンランドデザイン展ー自然が宿るライフスタイル」
会期:2021年12⽉7⽇(火)〜2022年1⽉30⽇(⽇)
Bunkamuraザ・ミュージアム(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)
※詳細・最新情報はオフィシャル・ウェブサイトまで

・ドゥ マゴ パリ
Bunkamura B1F/1F
営業時間:
祝、日、月、火:11:30~21:00
水、木、金、土:11:30~22:00
※ラストオーダー:フード1時間前、ドリンク30分前
・ロビーラウンジ
Bunkamura 1F
営業時間:10:00~19:00 (L.O.18:30)ランチタイム/11:00~14:30