リクルートは12月20日、「シニア層の就業実態・意識調査2021(個人編・企業編)」の結果を発表した。調査は3月16日~29日、55〜74歳の男女8,000名、および企業600社の人事・採用担当者を対象にインターネットで行われた。

  • 何歳くらいまで働きたいと思うか

    何歳くらいまで働きたいと思うか

この5年以内における仕事探しの経験について聞いたところ、約3割が「仕事探しをしたが、見つからずに、現在は仕事探しをやめている」(30.8%)と回答。5年前と変わらず厳しい状況が続いている。

また、何歳くらいまで働きたいと思うかと尋ねたところ、男女共に「70~74歳」(全体35.6%)が最も多く、次いで「75歳〜79歳」(29.5%)、「65歳〜69歳」(21.2%)と続き、特に、70〜74歳の男女の場合では、およそ2割が「80歳以上」と考えていることが明らかに。継続勤務への希望については、「現在の勤務先で働きたい」(63.5%)人が過去調査より約10ポイント増加するなど、より長く今の職場で働き続けたい人が増えていることがわかった。

  • 採用実績

    採用実績

続いて、企業の人事・採用担当者に対し、従業員数の過不足を聞いたところ、「正社員が不足している」企業は38.0%、「パート・アルバイトが不足している」企業は17.7%と、正社員を中心に人材不足は続いており、過去調査と比較して大きな変化は見られなかった。

採用実績については、1年以内に採用を行った企業のうち、「60代以上」の人を採用した企業は他年代に比べて大幅に少なく、従業員が不足していると回答した企業でさえシニア採用は2割に満たない結果に。シニア層採用への積極性を聞くと、いずれの雇用形態でも積極的との回答は3割強だった。

  • シニアが希望する勤務日数と、シニア層従業員の勤務日数

    シニアが希望する勤務日数と、シニア層従業員の勤務日数

次に、シニアに対し、希望する勤務時間を聞いたところ、現在就業中の人は「8時間程度」(21.9%)が最も多いものの、「4~7時間程度」もそれぞれ約1~2割と分散。非就業の人の場合では「4時間程度」(29.1%)が最も多かった。一方、企業調査では正社員で「8時間程度」(51.2%)や「7時間程度」(20.3%)が多く、パート・アルバイトは「4~8時間程度」で分散する結果となった。

また、勤務日数についても聴取すると、現在就業中のシニアは「週に5日程度」(36.4%)が最多。しかしながら、「週に4日程度」(26.7%)や「週に1~3日程度」(29.4%)という人も6割弱を占め、分散する結果に。非就業の人の場合では「週に1~3日程度」(53.1%)が最多となった。一方、企業調査では「週に5日程度」以上働いている人が正社員で8割強、その他雇用形態で6割弱。パート・アルバイトは週に1~5日程度で分散する結果に。

現在就業中の人でも実際に働いている時間・日数と比べてより短時間・日数での勤務を希望する傾向が見られ、個人によって希望する働き方にはバリエーションがあることがうかがえた。