お笑いコンビ・ジャルジャル(後藤淳平、福徳秀介)が手がけたコントシネマ『サンチョー』が、11月19日より全国15都市の映画館で順次公開される。公開に先立って話を聞くと、2人はそろって「コントしかできない」「コントしかない」と連呼し、コント漬けの日々を語った。

  • ジャルジャルの後藤淳平と福徳秀介

『サンチョー』は、ジャルジャルの2人がほぼ全ての役(11役)を演じ分けた群像劇スタイルの長編ストーリーだ。製作経緯について後藤は「去年単独ライブができなくて、『用意していたネタを映像にしようか』とクラウドファンディングを通じて、映像化を実現しました。そのとき『ええな~』となり、本作につながりました。舞台でネタをやるのとは違う良さが出せます。複数のネタが展開されますが登場人物がつながって出たりして、全体に一本で見える感じにしました」と解説する。

福徳はまた「環境的には映画製作に近いですけど、撮影しているときはまさか映画館で上映するなんて想像すらしていなかったです。ただただ勢いでやり出しただけ。映画館でやるのはカッコ良くてうれしいです」とほほ笑んだ。

笑える映像コントとも、長編ドラマとも捉えることができる新しい映像ジャンルとして、ジャルジャルの2人は“コントシネマ”と呼ぶ。

「楽しいですね。芸人になる前は、テレビでコントやっているのを見て『面白いな』と思っていました。実際芸人になりましたが、スタジオでコントをやる機会がなかなかなく、舞台でネタやることが多いです。でも自分たちのネタをこうやって本当のロケーションで映像化できるのは、ちょっと『夢叶う』みたいなニュアンスはありました」(後藤)

  • (C)2021 「THANC YOU ─JARUJARU TOWER 2021─」 吉本興業

本作は、舞台『JARUJARU TOWER 2021─ジャルってんじゃねえよ─』(2021年春公演)とのクロスメディア企画。同じネタを舞台と映像で行った。福徳は相乗効果があったと話す。

「例えば美容室のコントで、実際に美容室で撮影し、舞台では仮の簡易的なセットで美容室を再現します。気持ちとしては本物の美容室で一度やっているのでイメージしやすくて、舞台でもリアリティーが出せますね」(福徳)

やや気が早いが、続編製作の意欲を問うと後藤は「2は作りたいです」という。「『これは続けたい』と思いました。もっともっと、他に映像でしかできない見せ方があるんじゃないかと。次まだ分かりませんが、ハマりましたね」と手応えを感じている様子。福徳も「この作品は単独ライブをただただ映像化したというものではありません。僕らのネタを単独ライブ版、映画版と二刀流でずっとやり続けられたらいいですね」と願望を語った。