日本能率協会は11月5日、「生産部門におけるカーボンニュートラル対応に関するアンケート調査」の結果を発表した。同調査は10月4日~15日、製造業の生産関連部門169件を対象に、インターネットで実施した。

  • カーボンニュートラルと聞いてイメージすること

カーボンニュートラルと聞いてイメージすることを尋ねたところ、「再生可能エネルギーの導入」(85.2%)が最も多かった。次いで「省エネ活動」(68.0%)、「電力使用量やCO2排出量の見える化」(67.5%)となっている。

全社におけるカーボンニュートラルに向けた方針展開の状況を聞くと、69.8%が「全社方針がある」と回答した。カーボンニュートラルに取り組むメリット(自部門にとって)を聞くと、「顧客からの評価につながる」(「当てはまる」+「やや当てはまる」の計81.1%)、「地域・社会からの評価につながる」(同72.2%)が多かった。一方、「雇用拡大につながる」(同30.1%)、「製造コストの低減につながる」(同36.1%)は4割にとどまり、経済的にはメリットを感じていない傾向があることがわかった。

  • 全社におけるカーボンニュートラルに向けた方針展開の状況

カーボンニュートラルの取り組みにおける現在の問題(自部門での)を尋ねると、「経済性と環境性の両立がはかれないこと」(59.8%)が最も多く、「自社の技術開発が十分でないこと」(43.8%)、「サプライチェーンを巻き込んだ取り組みができていないこと」(42.0%)が続いた。

「見える化」に関する実施状況について、測定に関する8項目、データ活用に関する4項目の計12項目で尋ねた。測定では「工場・事業所単位のエネルギー使用量の測定」が「実施している」(49.1%)、「実施計画+実施の検討」(26.1%)となり、実施検討まで含めると7割を超えた。また、測定8項目中6項目で実施の検討以上が半数を超えた。

  • 「見える化」に関する実施状況

「見える化」に関する取り組み効果の状況について、同12項目で聞いたところ、工場・事業所単位では、「エネルギー使用量の測定」については、41.3%が「効果がでている+でる見通し」と答えた。「CO2排出量の測定」は「効果がでている+でる見通し」が30.0%で、それぞれ「効果がでていない」を上回った。

「生産技術革新」に関する実施状況について、10項目で聞くと、「製品の軽量化・小型化」では、19.5%が「実施している」、37.3%が「実施計画+実施の検討」で、実施検討まで含めると5割を超えた。「設計段階からの工法見直し・改善」「設備・施設の電化」がつづき、いずれも実施検討まで含め5割を超えている。

  • 「生産技術革新」に関する実施状況

「生産技術革新」に関する取り組み効果の状況について、同10項目で聞いたところ、6項目が「効果がでている+でる見通し」が「効果がでていない」を上回った。

「体制/人材育成」に関する実施状況について、推進体制に関する6項目・スキルアップに関する4項目の計10項目で聞いた。推進体制では、「経営層(部門長・工場長)主導による推進体制がある」「部門をまたいだ推進体制がある」「取り組みに関する責任と役割を明確にしている」の3項目で、「実施している」がそれぞれ26.0%、21.3%、20.7%と、2割を超えている。

  • 「体制/人材育成」に関する実施状況

「体制/人材育成」に関する取り組み効果の状況について、同10項目で聞いたところ、推進体制に関する5項目で「効果がでている+でる見通し」が「効果がでていない」を上回った。スキルアップに関する1項目で「効果がでている+でる見通し」が「効果がでていない」を上回っている。