セイコーエプソンは11月1日、国内の製造業で初めて、国内拠点における使用電力のすべて(年間530GWh)を再生可能エネルギーに転換した。これにより、二酸化炭素およそ年間25万トンの削減効果を生み出すという。

同社は、環境経営における長期指針「環境ビジョン2050」を定め、その実現に向け事業活動を展開している。パリ協定が定めた脱炭素の目標を達成するため、同社の2025年に向けたSBT達成シナリオの中でも、再生可能エネルギーの活用を重要なテーマとして位置づけ取り組んできた。

2021年3月には、グローバルにビジネスを展開する中で社会的責任を果たすため、2023年までに世界に展開しているエプソングループ全拠点の使用電力を100%再生エネルギー化することを表明した。グローバルでは、現在年間およそ35万トン排出している電力起因の二酸化炭素をゼロにすることができるという。

今回の国内拠点の再生可能エネルギーへの転換は、当初計画していた2021年度(2022年3月まで)を前倒しして実現した。この結果、2021年度は、エプソングループ全拠点の使用電力に対し、約40%が再生可能エネルギーに置き換えることができる見込みとなる。

同社は「環境ビジョン2050」に基づき「カーボンマイナス」および「地下資源4消費ゼロ」を目指している。脱炭素、資源循環、環境技術開発への費用投下は、2030年までの10年間で1,000億円を予定。経営資源のほとんどを、環境負荷低減に貢献する商品・サービスの開発に集中させ、ユーザーのもとでの環境負荷低減にも貢献していくという。