日本歯周病学会と日本臨床歯周病学会は11月1日、「マスク習慣と歯ならびに口腔ケアにおける意識および行動調査」の結果を発表した。同調査は10月19日~21日、全国の20代~70代の男女7,766名を対象に、インターネットで実施した。

  • コロナ禍以前に比べて間食の頻度が増えましたか

コロナ前後における間食頻度について尋ねたところ、全体では66%が「変わらない」と回答した。年代別で見ると、「増えた」と回答した人は20 代・30代で目立つ。20代では23%、30 代では 20%が「増えた」と回答した。

起床時(朝)の歯磨きの頻度について聞くと、79%が必ず行うと回答した。20 代~30 代では平均 20.7%が起床時(朝)の歯磨きをたまにしか行わないと答えている(40 代: 13.8%、50 代: 10.0%、60 代: 8.8%)。

  • 起床時(朝)の歯磨きの頻度

コロナ禍前後における歯や口の健康を気にする頻度について尋ねると、「気にする」と答えたのは20 代(24%)、30 代が「21%」が多かった。一方で、1 年以上歯医者や定期歯科検診を行っていないと回答した 20 代は 49%、30 代は 46%で、2 人に 1 人は歯や口の健康を気にしつつも、受診までのアクションには至っていないことがわかった。

  • 「コロナ禍前後で歯や口の健康を気にすることが増えましたか

日本臨床歯周病学会理事長の高井康博氏は今回の結果を受けて、「20 代・30 代において間食を取る割合が増加している。口腔内の健康を維持するには、より一層の注意を要します」とコメントした。

また、「朝歯磨きをしない」という20代・30代が約20%見られる点については「就寝中に口腔内では細菌が増殖することが知られており、朝歯磨きをしないことは、むし歯や歯周病・口臭の原因になりかねません」と注意を呼び掛けている。

さらに、マスク習慣による歯周病リスクの低年齢化についても指摘。歯周病ケアには、就寝前・起床時の歯磨きと唾液腺マッサージが有効で、歯科医院での定期健診の習慣化も大切なことであるという。

日本歯周病学会理事長で日本大学松戸歯学部歯周治療学講座教授の小方賴昌氏は、マスク習慣による歯周病リスクを低減する"バス法"と"1歯ずつの縦みがき"をすすめている。歯ブラシの毛先を歯面に45°に当て、毛先をポケットに挿入し微振動させる"バス法"と、歯ブラシを縦に持ち、毛先を歯面と歯肉に垂直に当てて上下に微振動させる"1歯ずつの縦みがき"を併用すると効果的とのこと。