土偶や埴輪(はにわ)といえば、歴史的な遺産だけあってどこか神々しさを感じたり、見方によっては少し不気味に見えたりするものです。

しかし、ツイッターユーザーの乙幡啓子さん(@otsuhata)がアップした写真に映っていたそれの姿は、不気味どころか……かわいい……!!

夫の作った砂像がなんだかカワイイぞ。
(@otsuhataより引用)

  • (@otsuhataより引用)

こんなに可愛い土偶、埴輪の砂像がかつて存在したでしょうか。その愛らしいゆるキャラっぷりもさることながら、とにかく完成度がスゴい!

制作者はツイ主のご主人で、砂像彫刻家の保坂俊彦さん。世界で活躍するアーティストで、2017年に台湾で開催されたサンドアート世界大会では見事に優勝を掴み取っています。

現在は宮城県東松島市で地域おこし協力隊として活動し、今回の作品も東松島市の奥松島縄文村の依頼を受けて制作。現在、現地で展示中されています。

この可愛らしい土偶と埴輪の画像は瞬く間に話題となり、1.5万件のリツイート、9.1万件のいいねを獲得(10月15日時点)。多くのコメントも寄せられました。

「遮光器土偶が可愛いっ後ろのはひょっこりはんみたい」

「目を離したら着いてきそうな見た目してるけど可愛いですね! 」

「『土偶でーす! 埴輪でーす! 二人合わせて土器ーズでーす!! 』って頭の中に声が響きました」

「ハニワが『よっ! 』ってしてるように見える(笑)」

「縄文生まれの母ちゃんと弥生生まれの子供感ありますな」

「目覚めたら令和に転生した件について」

「感動しました(涙)ステキな作品をありがとうございます! 」

多くのツイッターユーザーを虜にしたゆるキャラタイプの砂像ですが、保坂さんは過去に、このような作品も作っていました。す、すごすぎる……!

  • (保坂俊彦さん提供)

  • (保坂俊彦さん提供)

  • (保坂俊彦さん提供)

  • (保坂俊彦さん提供)

砂像を作った保坂俊彦さんに聞いてみた

そこで今回は、ご本人に少し詳しいお話をうかがってみました。

ーー今回話題になった土偶と埴輪の砂像は、難易度で言えばどれくらいなのでしょうか?

サイズも50〜60cmと小さく、制作時間も1時間半程ですので、簡単な部類になります。

ーーか、簡単な部類!? では、どのような作品だと作るのも難しいのでしょう?

毎回何かしらの苦労があります。例えば、制作日の殆どが雨の場合、砂質がサンドアートに向いておらず、いきなり雪崩のように砂が崩れてしまう、気温が零下になって砂が凍結してしまったとき、真夏の炎天下で10日以上朝から晩まで屋外作業しなければいけない、など様々な問題が起きます。何事もなく良い条件で作れるのは10体中1〜2体しかありません。

ーー世界でご活躍されておられますが、海外の作家さんの中ですごいと思った作品はございますか?

サンドアートのイベントは今や世界中で開催されており、残念ながら日本はその分野では後進国と言わざるをえません。私よりも凄い作家さんは世界中に沢山います。彼らに何とか追い付くためにサンドアートの認知度と技術向上のために努力しています。


保坂さんは今回、ツイッター上でバズったことについては「予想以上の反応で非常に驚いています」とのこと。いえいえ、こんなにスゴい作品にビックリしたのは私どものほうでございます。お近くの方はぜひ、保坂さんの作品を見に東松島市へ遊びに行ってみては? 過去の作品はご本人のホームページからも見ることができるようです。気になる方はチェックしてみてくださいね。