出産祝いをもらったらお返しをするのが一般的ですが、赤ちゃんのお世話に追われていて、じっくり選ぶ余裕がないという方も多いでしょう。とはいえ、お祝いの気持ちを寄せてくれた相手に対して、失礼がないようにしたいですよね。
この記事では、出産祝いのお返しに関するマナーや贈る金額の相場を紹介します。また、お返し選びのポイントやおすすめギフトについてもまとめました。
出産祝いのお返しのマナー
出産祝いのお返しを「出産内祝い」とすることがあります。本来「内祝い」とは、自分の家にお祝いごとがあった場合に親しい人に対して贈り物をすることです。つまり、内祝いを贈るきっかけとして相手から何かを受け取っているかどうかは関係ありません。
しかし、最近では出産祝いをもらった相手に対してのお礼と無事に出産を終えたことを兼ねて「出産内祝い」のかたちで出産祝いのお返しを贈るケースが一般的になってきています。
では、出産祝いのお返しを送る際、どのようなマナーがあるのでしょうか。基本的なものを紹介します。
出産祝いのお返しはいつする?
出産内祝いを贈る時期は、生後30日後ごろに出かけるお宮参りを終えたころから生後2か月くらいまでの間に贈ることが多いです。
ただし感謝の気持ちを伝えるのに遅すぎてはいけないということはありません。もし出産祝いを受け取ってからお返しまでの時間が開いてしまう場合には「遅くなりました」と一言を添えましょう。
また、すぐにお返しをするしないにかかわらず、出産祝いを受け取った場合には、3日を目安に一言お礼を伝えましょう。
出産祝いのお返しはのしをつける
出産祝いのお返しを贈る場合は、のし紙をつけるのがマナーです。のし紙には紅白の水引で蝶結びを描いたものを使います。蝶結びは何度もほどいて結びなおせるため「何度あってもよい」という想いが込められています。
のし紙の上側には「内祝」、下側には子どもの名前を記載しましょう。ふりがなを添えておくと親切です。
出産祝いのお返しメッセージの例文
出産祝いのお返しには、子どもが生まれたことを報告するメッセージを添えましょう。赤ちゃんの写真や身長、体重などを添えると相手に今の赤ちゃんの様子を知らせることができます。
以下は、お返しのメッセージの例文です。
このたびは長女(子どもの名前)の誕生に際し
心のこもったお祝いを頂戴しまして
まことにありがとうございました。
今後は親子ともどもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
素敵な贈り物をいただき本当にありがとうございました。
大切に使わせていただきます。
お礼のしるしにささやかな品物をお贈りいたしました。
ご笑納いただけましたら幸いです。
おかげさまで母子ともに元気に過ごしております。
(上の子どもの名前)も(赤ちゃんの名前)のお世話を積極的にしてくれて
子どもの日々の成長に驚かされます。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。
お返し不要と言われた場合は気持ちのお返しを
伯父や伯母など目上の相手から出産祝いを贈られたときに「お返しは要らない」と口添えされることがあります。お返しを受け取らない旨の知らせをもらっているのにあえてお返しをするのは失礼となる場合があります。
相手にお返しを辞退されているときは、手紙などでお礼の気持ちをお返しすれば何かものを贈る必要はありません。後日お祝いをいただいた相手におめでたいことがあったときを見計らい別途お礼をすれば、お互いに気持ちの良いやりとりができるでしょう。
出産祝いのお返しの相場を表でチェック
出産祝いのお返しの相場として、どのくらいの金額の品物を贈ればよいのかについて解説します。送る相手別の出産祝いの相場と、お返しの相場も表にまとめたので、必要に応じて参考にしてみましょう。
ご祝儀のお返しは半返しが基本
一般的にご祝儀やものを受け取った場合、お返しとして半分程度をお礼として贈る「半返し」が日本の古くからの慣習です。そのため、出産祝いのお返しを贈る場合は、いただいた品物の二分の一から三分の一くらいの金額を目安に選びましょう。
ただし、何かをもらったら必ず半額の返礼をしなければならないというルールはありません。出産祝いをくれた相手との関係性をふまえたかたちでのお返しを考えることが大切です。
上司や同僚へのお返しの相場
会社で自分が上司や先輩など目上の立場の場合、5,000~1万円のお祝いを受け取るケースが多くみられます。そのため、もし後輩や部下から出産祝いを受け取ったら、お返しをする際の金額は、半返しで考えると約2,500~5,000円が目安となります。
反対に、自分が部下や後輩、同僚に出産祝いを贈る際は、3,000~5,000円が相場です。また、上司や先輩、同僚から出産祝いを受け取った場合には、半返しの約1,500~2,500円が金額の目安となります。
出産祝いを贈る相手 | 出産祝いの金額相場 | 出産祝いのお返しの金額目安 | |
二分の一(半返し) | 三分の一 | ||
上司・先輩 | 5,000~1万円 | 約2,500~5,000円 | 約1,500~3,000円 |
部下・後輩・同僚 | 3,000~5,000円 | 約1,500~2,500円 | 約1,000~1,500円 |
連名で贈る場合 | 1,000~5,000円 | 約500~2,500円 | 約300~1,500円 |
友人や兄弟など親しい相手へのお返し相場
友人や知人に出産祝いを贈る場合は、金額の相場は3,000円ほどが一般的です。そのため、お返しを半返しですると、金額の目安は約1,500円となります。仮に親しい相手などから1万円のお祝いを受け取ったら、お返しは約5,000円が目安です。
出産祝いを贈る相手 | 出産祝いの金額相場 | 出産祝いのお返しの金額目安 | |
二分の一(半返し) | 三分の一 | ||
友人・知人 | 3,000円 | 約1,500円 | 約1,000円 |
特に親しい友人 | 1万円 | 約5,000円 | 約3,000円 |
連名で贈る場合 | 2,000~3,000円 | 約1,000~1,500円 | 約500~1,000円 |
職場一同のお返しは無理せず
出産祝いは職場や友人が複数名でお金を出し合って贈ることがあります。例えば、5人から1,000円ずつ集めて5,000円の出産祝いをもらったからといって、それぞれに500円のお返しが必要とは限りません。
誰からお祝いを受け取ったかわからない場合や一人1,000円を下回る額でお返しをする場合は、職場全体へお菓子などに変えてお返しをするのも手です。
もし一人ひとりにお返しをするのであれば、のしを付けずにプチギフトにメッセージカードを添えるかたちでも問題ありません。
10万円など高額なお祝いをもらったら
親戚や目上の人などから高額なお祝いをもらった場合は、お返しの相場どおり半返しにすると失礼にあたることもあります。贈る側は「心から祝いたい」という気持ちから送っているので1/3程度のお返しやそれよりも少ない額でも問題ありません。
相手との関係が深ければ深いほど、慣例に基づきお返しの品物を贈ることよりも、「大切に使わせていただきます」と言葉や手紙で感謝を伝えることが重要です。
出産祝いのお返し選びのポイント
出産祝いのお返しは、感謝の気持ちが大切です。贈る相手を思い浮かべながら、喜んでもらえるような品物を選びましょう。ここでは、お返し選びのポイントやおすすめギフトを紹介します。
定番の出産祝いのお返し
出産祝いのお返しの品で定番なのは、お米やタオル、ビール、お菓子、フォトフレーム、カタログギフトなどです。
特にお米は赤ちゃんの生まれたときの体重と同じ重さのお米を贈り、実際の重さを体感してもらうギフトが人気となっています。
出産祝いのお返しに避けた方がいいもの
出産祝いのお返しでは、お返しの相場と比べて高価すぎるものや安価すぎるものは避けましょう。また、以下のような品物も注意が必要です。
- 日本茶:葬式など弔事で使われることが多く縁起が悪い
- 刃物:地域により縁を切ることの象徴と思われる場合がある
- 肌着:お返しを受け取る相手の生活が苦しいような印象を与える
- 靴下:お返しを受け取る相手を踏みつけてしまう
- 賞味期限の短い食べ物:相手の都合により迷惑になる
名入れギフトは相手の好みに注意
赤ちゃんの名前を刺しゅうしたタオルのように記念に残るものは、身内など親しい関係の相手に喜ばれる贈りもののひとつです。しかし相手との関係がそれほど近くない場合は、受け取った相手を困らせてしまうかもしれません。
お返しの品物は相手が気に入ってくれそうなものを選ぶのが大原則です。ギフトを選ぶ際は自分の趣味を押しつけ過ぎないように注意しましょう。
出産祝いのお返しは気持ちのお返しが大切
出産祝いは、贈る側の祝いたいという気持ちが形となったものです。出産祝いを受け取ったらまずは感謝の気持ちを伝えましょう。
ここでは一般的な出産祝いのお返しのマナーについて紹介しましたが、がちがちに決まったルールがあるわけではありません。相手との関係を良好に保てるよう互いに配慮し、出産祝いを贈ったり、お返ししたりするようにしましょう。