日本労働調査組合は、ブラック企業に関するアンケート調査の結果を9月29日に発表。調査は、自身の勤務先が「ブラック企業だと思う」と回答をした全国20~49歳の会社員男女552名を対象に、インターネットにて実施された。
はじめに「会社を辞めることを検討していますか?」という質問には、「はい」が68.7%、「いいえ」が31.3%という結果に。2021年4月に実施した会社員を対象とした調査では35.8%が退職を検討していると回答。同調査との比較では32.9ポイント増、自身の勤務先をブラック企業と認識している会社員の退職意向はかなり高いことが伺い知れるという。
年代別比率でみると、「はい」と回答したのは「20代」が77.8%、「30代」が66.8%、「40代」が61.2%だった。「いいえ」と回答したのは「20代」が22.2%、「30代」が33.2%、「40代」が38.8%となった。年代が上がるにつれて退職意向は低くなる傾向が出ていた。一方、20代では約8割が退職を検討していると回答。仮に検討者が退職をした場合5人中4人、10人中2人しか会社に残らない計算となり、労働環境の改善がない限り人材の流出は免れないと考えられる。
次に「会社を辞めたい理由を教えてください」という質問には、第1位が「給料が安い」で37.7%、第2位が「従業員を大切にしない」で30.6%、第3位が「仕事量が多い」で28.2%、第4位が「不当な人事評価」で24.3%という結果になった。2021年6月に実施したブラック企業の定義を問う質問では「サービス残業」が断然の1位だったが、会社をブラック企業と認識している会社員の場合、退職検討理由はサービス残業が第7位。給料、従業員の扱い、業務量など、その他の理由が多く挙げられている。
「会社を辞めていない、辞められない理由を教えてください」という質問には、第1位が「転職活動が不安」で41%、第2位が「生活が困窮する」で38.9%、第3位が「家族を不安にさせる」で19.9%、第4位が「同僚や関係者に迷惑が掛かる」で17.6%という結果に。長時間労働により十分な転職活動時間が取れず、収入のない期間が発生することを懸念する様子が伺い知れるという。