だんだん涼しくなってきて、スイーツがますます美味しく感じる秋が到来!今年は栗スイーツが特に熱い!今年から初お目見えの注目の栗スイーツの中でも、お取り寄せも可能な3商品をご紹介。ますますおうち時間を楽しく過ごそう!
大きな栗がゴロゴロ!「キャラメルマロンタルト」
まずは山形・赤湯温泉の「510Maison de CinQ-dix」(メゾン・ド・サンクディス)。こちらは江戸後期創業の老舗「菓匠萬菊屋」が2015年に立ち上げた洋菓子ブランドだ。現在、秋の味覚の代表格である栗を、お取り寄せでも美味しく楽しめる「キャラメルマロンタルト」を10月末までの期間限定で販売している。
秋らしい色味が上品で、見るからに美味しそうなこのタルト。パートシュクレと呼ばれる砂糖の入ったタルト生地に、アーモンドクリームと渋皮栗を入れ、その上にクランブルというそぼろ状の生地を重ねている。
お取り寄せでは冷凍状態で届く。自然解凍してそのまま食べてもOKだが、おすすめは、1時間ほど室温に置いた後、予熱したトースターで5~10分ほど温める方法。温めるとタルト生地のみがサクサクになり、中のアーモンドクリームはパサパサしないそうだ。
さっそく温めたタルトをトースターから取り出すと、シナモンや生地が焼ける甘くいい香り!驚くのは栗の多さ。渋皮栗がゴロゴロと入っていて、金太郎飴さながら、どこを切っても大きな栗が出てくる。栗はほくほくして自然な甘さ。栗を囲むアーモンドクリームはしっとりしつつも粒感があり、栗のねっとり感を口の中で引き立てる。タルト生地はサクサクほろりとしたやさしい食感、トップに散りばめたクランブルはザクザク食感で軽快。層ごとに異なる食感のコントラストの妙で、口の中が楽しい!
クランブルは、シナモンクランブルと和のクランブルの2種類を使っているのもこだわりだ。和のクランブルは、萬菊屋の人気商品である「わらび餅」にも使われている炒ったきなこが隠し味というのもユニーク。老舗和菓子店が手がける同ブランドならではだ。
「栗の美味しさを最大限に感じてもらうため、食感の対比を意識して作ったタルトです。土台のタルト生地はグルテンの強い強力粉を多めに使っており、サクサク食感が長持ちします。アーモンドクリームは粗さの異なる2種類のアーモンドパウダーを使用し、栗のねっとり感を強調しました。家庭のトースターやオーブンレンジで焼き戻ししても美味しく召し上がっていただけるように開発しています」(同店シェフパティシエ 後藤昌利さん)
栗をそのまま食べる以上に、栗の美味しさが引き立つタルト。見た目もおしゃれなので、ギフトにもおすすめだ。
グルテンフリー!「米粉のほうじ茶マロンロール」
続いては、米粉を100%使った「完全グルテンフリー」の栗のロールケーキ、コメコロールズの「米粉のほうじ茶マロンロール」。さっそく佐賀県にある同店から取り寄せてみた。冷凍で届いたロールケーキを、同封されていた「美味しい召し上がり方」に従い、まず冷蔵庫で6時間ゆっくり解凍し、さらに室温に30分おいてから実食。
包みをあけるとふわっとほうじ茶の香りが漂う。表面にトッピングされているだけでなく、スポンジにもほうじ茶パウダーが練り込まれている。淡い茶色に真っ白のホイップクリーム、中からのぞく栗の甘露煮の黄色が鮮やか。これはやはりほうじ茶と一緒に食べたいお味。
ほうじ茶の風味が香ばしいスポンジはすごく軽く、口溶けが抜群にいい。それに対してホイップクリームはコクがあって食べ応えは十分だが、甘さは控えめで栗の甘みを引き立てている。栗の適度な歯応えが食感のアクセントだ。大きな栗4個分が11㎝のロールケーキに詰まっているのにこの値段。契約農家から規格外の栗を仕入れることで実現したという。
ほうじ茶マロンロールは季節限定品だが、コメコロールズは店名通り、佐賀県産の米粉を使ったロールケーキを常時7種類揃えている。面白いのは、同店を立ち上げたのがパティシエではなく、米農家であるという点だ。減反政策が進むなか、米を作り続けるために米粉に加工することを思い立った。小麦粉アレルギーでスイーツが食べられない人も米粉のスイーツなら皆と同じようにおやつ時間を楽しめる。そんな思いで2013年にオープンした。
地元産の米粉だけでなく、佐賀県の銘柄茶である嬉野の緑茶、ほうじ茶「うれしの茶」、佐賀県みやぎ町のパッションフルーツを使っている商品もある。さらには、卵、乳製品を使わない、最近注目されるヴィーガン対応のロールケーキまで。どれも2〜3人で食べられる大きさなので、食のトレンドに敏感な人や和スイーツが好きな人、そして小麦粉アレルギーの人に贈れば喜ばれそうだ。
4種のマロンクリームを食べ比べ!「ローズモンブラン」
最後はハート型のバラがとてもエレガントな「ローズモンブラン」(写真冒頭)。大丸松坂屋のオンラインショップの限定商品で、10月31日(日)午後2時より発売スタートする。12月末まで販売予定だ。
同商品は無類の和栗好きとして知られ、これまで2,000種類以上の栗スイーツを食べているフードジャーナリストの岩谷貴美さんと、とても可愛らしい洋菓子を揃えていることで人気の「パティスリー アリス・エ・レーヌ」(兵庫県姫路市)のオーナーシェフ首藤裕恵さんがコラボレーションしたもの。映える見た目で、発売前から早くもスイーツファンの間で話題になっている。
商品は冷凍で郵送され、冷蔵で8~10時間解凍していただく。冷凍状態の賞味期限は10日間で、解凍後は当日中に味わう。ケーキ箱を開けてみると、甘~い栗の香りが漂い、可愛らしいハート型のケーキに心踊る。ハート型の横幅は15センチほどで、ローズの部分は手前から栗色がかったピンク色、クリーム色、黄色、薄黄色と4色のグラデーションになっていて美しい。精巧なバラの花びらのシルエットは感動的だ。4種のマロンクリームを食べ比べできるのも魅力のひとつ。
スイーツの巨匠・辻口博啓氏(「モンサンクレール」東京・自由が丘)に師事していたこともある首藤さんは、「バラのマロンクリームは手前から順番に、フランス栗、丹波栗、熊本栗に生クリームの配合を変えた2種類のものを絞りました。1度にこれだけさまざまな栗の美味しさを堪能できることは少ないので、とても贅沢なケーキだと思います」と説明してくれた。
実際に味わってみると、手前のピンク色はクリーミーでまろやか、2番目は栗風味が濃厚、3番目は上品な栗風味…と同じマロンクリームでもまったく風味が違うことにびっくり。「土台はしっとり焼き上げたケーク生地ですが、ここにも渋皮栗がゴロゴロ入っているんです」と岩谷さんが説明する通り、栗入りの生地とクリームがしっとり一体化していて、栗風味がふんわりと広がり止まらない美味しさ。栗好き必見(必食)の贅沢で貴重なケーキだ。
気になったので首藤さんの「パティスリー アリス・エ・レーヌ」の通販サイトものぞいてみると、バラの花びらのハート型ケーキが他にもあるようだ。でもこちらは丹波栗のみ使用でミニサイズ。「ローズモンブラン」のように栗の食べ比べはできなく、4色グラデーションではなく、生地もタルトであるが、「10月末まで待てない!すぐに食べたい!」という方にはこちらもお薦めかも。
この時期しか味わえない大満足な栗スイーツたち。今年もお取り寄せで秋の味覚を楽しんでみては?