日本能率協会は9月8日、企業が抱える経営課題を明らかにし、これからの経営指針となるテーマや施策の方向性を探ることを目的として、企業経営者を対象に実施した「当面する企業経営課題に関する調査の結果を発表した。今回は517社からの回答を得たという。

同調査では、経営全般における課題として想定される20項目を列挙し、「現在」「3年後」「5年後」において重要と思われるものを尋ねた。

その結果、「現在」の経営全般の課題は、「収益性向上」が第1位だったが、その比率は減少した(45.1%→40.8%)。「人材強化」「売り上げ・シェア拡大」は昨年より上昇したという。

5年後の課題は、「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築」が第1位だったが、その比率は減少した(17.3%→13.3%)。一方、「事業を通じた社会課題の解決」の比率が約2倍となり、第2位となった。

  • 「現在」の課題(上位 10 項目)の3年間の推移 (3つまで選択) 資料:日本能率協会

組織・人事領域における課題として想定される20項目を列挙し、特に重視しているもの3つを尋ねたところ、第1位は昨年同様に「管理職層(ミドル)のマネジメント能力向上」(34.2%)となった。

一方、昨年急増した「多様な働き方の導入(テレワークなど)」は、26.5%から 9.7%に減少し、同率で第14位とベスト10から外れた。昨年は、コロナ禍に対応するための在宅勤務・テレワークの導入などが急務だったが、これらの対応が一段落している状況が浮き彫りとなった。

  • 「現在」の課題(上位 10 項目)の3年間の推移 (3つまで選択) 資料:日本能率協会