NHKでは、8月9日の長崎原爆の日に『NHKスペシャル「原爆初動調査 隠された真実」』(22:00~23:15)を放送する。
今から76年前の終戦直後、広島と長崎では、アメリカを中心とした連合国による大規模な調査が行われていた。その目的は、人類の上に初めて投下された原爆の被害とその“効果”を調べること。アメリカ軍に日米の科学者が協力する形で進められ、原爆の放射線の影響などが詳しく調べられた。
実は今、その調査に関して新たな事実が明らかになっている。爆心地から3キロ以上離れた地点で、自然界の100倍以上の放射線が計測されたにもかかわらず、アメリカ軍は「人体への影響は無視できる」と報告書に記載。科学者たちが被爆地に残る「残留放射線」の影響を指摘していたが、それを否定していたのだ。
なぜ、そうしたことが起きたのか。番組では、埋もれていた報告書や証言を発掘。アメリカだけでなく、旧ソビエトが行った調査や報告書なども入手した。そこからは、米ソが核開発にまい進する中で、原爆の被害に向き合おうとしなかったことが分かってきた。
今も原爆の影響に苦しむ人々にとって原点とも言える「初動調査」……その全貌に迫る。
NHKでは他にも、過去に放送した原爆関連の特集番組を、広島原爆の日の6日深夜に以下の通り編成する。
『NHKスペシャル 選「証言と映像でつづる原爆投下・全記録」』(6日24:11~)
『NHKスペシャル 選「原爆投下・10秒の衝撃」』(6日25:11~)
『NHKスペシャル 選「原爆の絵」』(6日26:12~)
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