国民年金には「付加保険料」という制度があり、毎月400円支払うことで、将来の年金を増やせます。毎月の負担が少ない割にはリターンが大きい制度です。
今回は付加保険料の仕組み、メリット、対象となる人について解説します。自営業者・個人事業主などの人は、利用を検討してみてはいかがでしょうか?
国民年金の付加保険料とは
毎月400円をプラスして支払うことで、将来受け取る年金を増やせる制度のことです。別名で「付加年金」と呼ばれることもあります。
400円を支払うたびに、受け取る年金が毎年200円増えます。年金を2年受け取るだけで元が取れることになり、3年目以降はすべて利益になるのがメリットです。
たとえば30歳のAさんが60歳まで付加保険料を支払うとすると、支払う額は400円×12カ月×30年=14万4,000円です。毎年受け取る年金の増額分は、200円×12×30=7万2,000円です。
Aさんの支払った14万4,000円は2年目ですべて回収でき、3年目以降も毎年7万2,000円を年金本体にプラスして受け取れることになります。
リターンの面から見ると、非常にお得な制度と言えます。
付加保険料の対象となる人
付加保険料を支払えるのは、以下のいずれかに該当する人です。
・国民年金第1号被保険者
・任意加入制度の被保険者(65歳以上を除く)
第1号被保険者とは、自営業者や農業従事者、個人事業主、パート・アルバイトなどの非正規雇用、無職者などのことです。
任意加入制度とは、60歳以上65歳未満で任意に国民年金に加入している人のこと。年金の納付期間が40年に足りず、受給額を満額に近づけたい人が利用する制度です。
よって、一般的な会社員や公務員は付加保険料の対象ではありません。
付加保険料を納付するための手続き方法
付加保険料の納付を希望する人は、お住まいの地域を管轄する市役所や区役所、出張所、年金事務所などでの手続きをすることになります。
以下の資料を持っていきましょう。
・年金手帳または基礎年金番号通知書
・マイナンバーカード(持っていない場合は通知カードと身分証明書)
なお新型コロナの影響により、郵送でも受け付けている地域もあります。具体的には 東京都練馬区、東京都調布市、埼玉県さいたま市など。
お住まいの自治体の公式ホームページをチェックしてみてください。
付加保険料についての注意点
国民年金を減免された場合、付加保険料のみを支払うことはできません。あくまで国民年金を全額支払える人のための制度です。
また国民年金基金との併用ができないのも注意点です。国民年金基金にもメリット・デメリットがありますので、興味のある方は比較したうえで選んでください。
なおiDeCoとの併用はできますが、その場合、毎月の掛金の最高額は68,000円ではなく、67,000円に減額となります。