ダイオウイカやリュウグウノツカイなど、光の届かない真っ暗な海で暮らす深海生物。深海には、まだまだ発見されていない生物がたくさんいると言われていますが、福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」に登場した、可愛らしい(?)深海生物がツイッターで話題になっています。

未知の深海生物、白色のヒロメオキソコエビとウオノシラミ属の一種を展示を始めました。担当者はかわいくてしょうがないようで、「ほら、この角度いいでしょ!」とたくさん写真が送られてきますが、多くの職員の理解は得られず。。。
(@aquamarinestaffより引用)

同水族館の公式アカウント(@aquamarinestaff)が投稿したこちらの写真。一見、生き物には見えませんね。この投稿を見た人からは、「寿司…じゃん…。」「スシが泳いでいる!! 」「めっちゃお寿司」「寿司にしか見えない」といった反応が続々と。1枚目は、「アナゴ白焼き」「えんがわ」「ヒラメ」「シャコ」などと意見が割れたものの、2枚目に関しては、概ね「サーモン」に見えた人がほとんどで、「サーモンの切り身落ちとる」「泳ぐサーモン」「どう見てもサーモンにしか…」といったコメントが多数寄せられていました。

お寿司そっくりのウオノシラミ属ですが、ウオノエ上科の深海の甲殻類で、魚について体液を吸う「寄生虫」だそうです。今回採集された個体は、全長約3cmという小ささ。

その生態について、担当者の日比野麻衣さんにお話をうかがいました。

―― このウオノシラミ属の写真に、「お寿司に見える」という声が多く寄せられていました。

日比野さん:飼育員としては、ウオノエの仲間にしかみえないので「綺麗な体色のウオノエだな! 」というのが第一印象です。目もつぶらで可愛いので、お客様の目にとまればいいなと思い展示をはじめましたが、お寿司にみえるという発想はありませんでした……。

―― 深海生物にも目があるんですね。この生き物は珍しい種なのですか?

日比野さん:ウオノシラミ属自体が日本で7種しか知られていません。まだどの種かもわかりませんが、今回採集された個体は水深800~1200mとかなり深いので、状態良く、生きて水族館までたどりつけたこと自体が貴重です。

―― 今回のツイートに多くの反響が寄せられていますが、感想をお願いできますでしょうか。

日比野さん:職員の思惑とは異なる方向で、今回話題になり若干驚いています。ただ、海には体も小さくマイナーだけど魅力的な生き物がたくさんいます。今回はウオノシラミ属でしたが、そんな生き物たちの存在を知っていただくきっかけになったならとても嬉しいです。


思わぬ方向に話題となった今回の投稿ですが、「えー、めっちゃ可愛い! 」「フォルムがたまらない! 」「私には可愛さが分かります、、、」「グソクムシみたいで可愛いです」という声も。かわいくてしょうがないという担当者さんの気持ち、広いツイッターの世界では共有できていますよ。

地球のおよそ7割を占めているという海には、未知の生物がいっぱい。キモ可愛い深海生物に会いに、近くの水族館に足を運んでみてはいかがでしょうか?