エン・ジャパンはこのほど、「ミドル世代の異業種転職」に関する調査結果を発表した。同調査は7月8日~16日、ミドル世代に特化した求人情報サイト「ミドルの転職」を利用する転職コンサルタント164名を対象に、インターネットで実施した。
直近、異業種・異業界企業への転職を希望するミドル人材の増減は変化していると感じるか尋ねたところ、70%が「増えていると感じる」「どちらかと言えば増えていると感じる」と回答した。担当したミドル世代の人材が異業種へ転職したことはあるかという問いに対しては、47%が「ある」と答えている。
担当したミドル世代の人材が異業種へ転職したことがあると回答した転職コンサルタントに、異業種転職を果たした人材の年齢について聞くと、トップ3は「40代前半(40歳~44歳)」(78%)、「30代後半(35歳~39歳)」(71%)、「40代後半(45歳~49歳)」(60%)だった。異業種転職のほとんどが、40代までに行われていることがわかった。
異業種へ転職したミドルの職種を尋ねたところ、トップ3は「営業・マーケティング系」(52%)、「経営・経営企画・事業企画系」(48%)、「管理部門系」(43%)となった。
「営業・マーケティング系」と回答した人は、「営業を経験している方は対人スキルが高く、重宝される傾向がある」といった理由が多かった。「経営・経営企画・事業企画系」は、職種の実績、専門性を評価されるケースが多いこと、「管理部門系」は異業種への転職の垣根が低いことを理由として多く挙げている。
転職前・転職先の業種は「メーカー」(64%)、「流通・小売・サービス」(38%)、「IT・インターネット」(32%)が多い。その理由として「メーカー」は早期退職制度を導入するケースが増えていること、「流通・小売・サービス」は、経営悪化などによる雇用不安を感じている人が多いこと、「IT・インターネット」は、クライアントワークから自社サービスへの転職を希望する人が多いことなどが考えられるという。
一方、転職先の業種トップ3は「IT・インターネット」(60%)、「メーカー」(47%)、「コンサルティング」(36%)で、「メーカー」「IT・インターネット」は、異業種への転職と異業種からの転職の双方が多かった。
異業種からのミドルの転職者に対して採用企業が期待するものについて聞くと、最も多い回答は「経験職種での専門知識・専門スキル」(70%)、次いで「マネジメント力」(42%)、「新しい環境でも主体的に動ける行動力」(39%)となった。
転職コンサルタントからは、注意すべきポイントとして、「未経験で他業界に入るため、年収が一時的に下がるリスクを認識すること」「企業側がミドル層に求めるものと自身のやりたいことに食い違いが生まれやすいことを理解してほしい」「転職を検討している企業・業界のことをよく調べ、入社後のギャップを減らす努力をすること」といったコメントが寄せられている。