マイナンバー通知カードには大切な個人情報が記載されているため、紛失すると空き巣やなりすまし、ストーカー被害に遭ってしまう可能性も。本記事ではマイナンバー通知カードを紛失した場合に行うべき手続きや、対応方法などを詳しく紹介します。
なお、マイナンバーを知らせる書類は令和2年5月より、マイナンバー通知カードからマイナンバー通知書へ変わりました。ここではマイナンバー通知カードについて触れていますが、これにはマイナンバー通知書も含まれます。
「マイナンバー通知カード」と「マイナンバーカード」の違い
「マイナンバー通知カード」とは住んでいる自治体から送られてくる、住民一人ひとりにマイナンバーを知らせるものです。顔写真が付いていないので、これだけでマイナンバーや本人確認をすることはできません。
マイナンバー通知カードが届いたあとに、交付申請をして初めて手元に届くものが「マイナンバーカード」です。通知カードとの主な違いをまとめました。
マイナンバー通知カード | マイナンバーカード |
・マイナンバーを個人に伝えるためのカード ・顔写真はない ・2020年5月25日で廃止(現在はマイナンバー通知書) |
・マイナンバーを記載 ・自治体の窓口で申請者にだけ交付される ・顔写真付きで身分証明書として使用可 |
【マイナンバー通知カード】
総務省「通知カード」
【マイナンバーカード】
引用画像:総務省「マイナンバーカード」
マイナンバー通知カード紛失時の対処法
マイナンバー通知カードを自宅で紛失した場合は、住んでいる自治体の窓口に紛失の届け出をしてください。自宅外で紛失した場合は警察に遺失届を提出しましょう。
なお、マイナンバー通知カードは2020年5月25日に廃止されていますが、現行のマイナンバー通知書に関しても、紛失しても再発行はされません。紛失後にマイナンバーの確認・証明が必要なときは、下記のどちらかを行う必要があります。
- マイナンバーカードを申請・取得する
- マイナンバーが記載された住民票の写しを取得する
それぞれ、詳しくみていきましょう。
マイナンバーカードを申請・取得する
マイナンバー通知カードは再発行されませんが、通知カードとともに送られてきた「個人番号カード交付申請書」は使えます。この交付申請書が手元にある場合は、必要事項を記入してマイナンバーカードを申請し、取得します。
引用画像:総務省「通知カード」
交付申請書も一緒に紛失してしまった場合は、マイナンバー総合サイトから交付申請書をダウンロードして申請しましょう。
マイナンバーカードの取得には数カ月かかる
マイナンバーカードはマイナンバーの確認・証明のほかにも電子証明書などの便利な機能が付いていますが、申請から交付までに数カ月かかります。今すぐマイナンバーを知りたいという方は、次に紹介する「マイナンバーが記載された住民票の写しを取得する」を参考にしてください。
マイナンバーが記載された住民票の写しを取得する
マイナンバーの確認・証明には、自治体の窓口で取得できる「マイナンバーが記載された住民票の写し」も利用できます。以下のものを窓口に持参しましょう。また、申請書にはマイナンバー記載の有無を問う項目があるので、必ずチェックを入れましょう。
- 申請書(窓口に用意してあります)
- 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
- 手数料
マイナンバー通知カードの紛失で悪用されるケース
マイナンバー通知カードは顔写真がないため、これだけで身分証明書として使えるわけではありません。他人によるなりすましの可能性は低いと考えられています。
ただし、通知カードには「氏名・住所・生年月日・性別・マイナンバー」という大切な個人情報が記載されています。万が一これらの個人情報が漏れてしまうと、犯罪に悪用される可能性があります。
なお、現行のマイナンバー通知書に記載されている個人情報は「氏名・生年月日・マイナンバー」です。
空き巣やストーカーなどの被害
マイナンバーは、マイナンバーそのものだけでは犯罪のリスクは低いとされています。例えば銀行口座などを開設する際も、マイナンバーに加えて顔写真付きの身分証明書が必要です。
問題は、通知カードを紛失するとマイナンバーに加えて住所や氏名などの個人情報が漏れてしまうこと。空き巣やストーカーなどの犯罪に利用されかねません。
「なりすまし」には利用されにくい
マイナンバーが他人に知られても、その人がマイナンバーだけで本人になりすますことはできません。行政手続きや税金手続きでマイナンバーを使う際には、必ず顔写真付きの身分証明書の提示が求められるからです。だからと言って、マイナンバーの管理を怠るべきではありません。しっかり管理することが大切です。
また、マイナンバーカードを紛失したときは事態は深刻です。顔写真が付いているので、他人による「なりすまし」の被害に遭う危険性があります。しかるべき対応をとりましょう。
悪用の恐れがあるときはマイナンバーを変更する
マイナンバーは原則、一生涯にわたって変更されることはありません。引っ越しや結婚をしても同じマイナンバーを使い続けます。
ただし、マイナンバー通知カードを紛失したことにより、マイナンバーが外部に漏れて悪用される恐れがある場合は、以下の手続きで変更することができます。
- マイナンバーの一時停止を申請する
- 警察署に紛失届を提出する
- 市区町村の窓口で変更手続きをする
それぞれ、詳しくみていきましょう。
マイナンバーの一時停止申請をする
まず、マイナンバーの悪用を防ぐために「マイナンバーの一時停止申請」をします。申請先は下記のとおりです。
- マイナンバー総合フリーダイヤル:電話番号:0120-95-0178
- 個人番号カードコールセンター(全国共通ナビダイヤル):電話番号:0570-783-578
マイナンバーカードの紛失や盗難などによるマイナンバーの一時利用停止は、24時間365日対応しています。
警察署に遺失届を提出する
マイナンバー通知カードやマイナンバーカードを紛失した場合は、最寄りの交番や警察署に遺失届を提出します。遺失届を出しておくと発見されたときに連絡してもらえるので、手元に戻ってくる可能性が高まります。通知カードを悪用されたときには、紛失していたことを証明することもできます。
市区町村の窓口で変更手続きをする
遺失届を提出したら、市区町村の窓口で新たなマイナンバーを請求します。ただし、新しいマイナンバーが発行されるのは、次の2つに該当すると認められたケースのみです。
- 本人と同一世帯の者以外に情報が漏洩した
- 不正に使用される恐れがある
マイナンバーが仮に流出してしまっても、悪用される恐れがない場合は変更できません。
マイナンバー通知カードを紛失したら適切な対処を!
マイナンバーを知らせるために送られてくる、マイナンバー通知カード(現在はマイナンバー通知書)。マイナンバー通知カードがなくても住民票の写しなどでマイナンバーは確認でき、マイナンバーカードの交付申請を行うことも可能です。しかし大切な個人情報が記載された、重要書類であることに変わりはありません。大切に保管し、紛失に気付いたときは適切に対処しましょう。
参考文献
総務省「通知カード」
総務省「マイナンバーカード」
マイナンバーカード総合サイト「個人番号通知書および通知カードについて」
個人情報保護委員会「マイナンバーの保護措置」