『エヴァンゲリオン新劇場版:Q EVANGELION:3.333』Blu-ray発売決定を記念して『エヴァンゲリオン新劇場版:Q EVANGELION:3.333』と『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の連結上映舞台あいさつが6月27日、東京・新宿バルト9にて開催された。

登壇者は坂本真綾、三石琴乃、山口由里子、関智一、岩永哲哉、岩男潤子、長沢美樹、沢城みゆき、勝杏里。坂本、関、沢城は初の舞台あいさつの登壇となる。

まずは『Q』について。沢城、勝は『Q』からの登場ということで、勝は「『エヴァ』は声優になる前からファンとして観てきた作品。オーディションに参加するだけでもいいという気持ちでした。決まったときの報告は街中で受けたんですけど、大声を出した記憶があります。現実離れした感覚でした」と語る。沢城は「オーディションでは鶴巻(和哉)さんが立ち会ってくれました。印象的だったのが、コンテを鶴巻さんが読んで「庵野さんはこう書いているんじゃないか」って。そうやってコンテを読み解ける人に出会ったのが初めてでした」と思い返していた。

ここからはアフレコ時の思い出や作品の印象について。坂本は「マリは謎が多いキャラクターで、私も全部はわかっていません。庵野さんも全部はおっしゃらないんです。庵野さんもミステリアスな口調でおっしゃるから、全部が大事なものに聞こえるんです。マリの「次行ってみよう」ってセリフは、いかりや長介みたいに言ってみてってディレクションをされました」とコメント。

また、「『Q』になって14年が経過して庵野監督に何があったのかを聞いたら、ニヤってして。これは考えてないなと(笑)。なので私の方で構築をして演技をしたら『重すぎる』と言われて手探りでやりました」と三石が語ると、山口が続く。「台本を読んだときにどれだけ重いのって。絶望感が満載でした。14年間何があったの。アフレコのときも絵がないまま収録しているから、どう想像したらいいかもわからなくて。アフレコが終わったあとも現実に戻れなくて、スタジオのトイレで泣いていました」と同調するように語った。

長沢は自身が演じるマヤについて「14年かなり変化を遂げたひとりです。監督に聞いても『何があったんだろうね』って。確実に言えるのは、マヤが見つめてきたのはリツコ先輩なんだなって。先日、マヤの気持ちで『シン』を観てきました。マヤたちってこんな危険の中で、最前線で戦ってきたんだなって、別の感動が生まれてしまいました」とじっくりと語る。

そして、話題は結婚して家庭を持ったトウジとヒカリへ。岩男は「まず生きていたことに感動しました。トウジくんのお嫁さんになれて、ツバメちゃんという赤ちゃんを授かって……」と語ると関も「岩男さんはいつもトウジのことを大事に思ってくれるんです。テレビのときは死ぬ予定で……。一番逆転してハッピーです。僕たち幸せだね」と笑顔を残した。

さらに『シン』でまさかの大役を務めたケンスケ。岩永は「今回のケンスケは縁の下の力持ちで、人の縁をつなぐポジション。救いがあるって素晴らしいと思いました。劇中で碇とリョウジの写真を撮ったんですけど、これでミサトさんが少しでも笑顔になって、でも最後かもしれないと思うとグッときちゃって。立派な大人になって、生き抜いてよかったね」としみじみ。

「あの写真に写った家族の一枚。あれだけを支えにして挑んで言ったような感じがあります」と沢城が語ると、関は「劇中で一回も会わないまま、写真だけが唯一交わされたんですよ。写真に書いてあったメッセージは僕が書いたものを使っているんです」と裏話を語った。

そして『Q』『シン』と物語を語る上で欠かせないミサトとリツコの話に戻ってくる。まずは三石が語りだす。「『Q』のときは艦長として司令を出す、戦闘シーンばかりだったので、若干つまんないなって(笑)。次は心情的なセリフがあると良いなと思っていたら、期待どおり素敵なシーンを描いてくれました。ミサトは自分の大切な役割を果たすために命をなげうったんです。艦長になった時点で、船とともにいくなと思っていました。しっかり生きて、そして散りました」。

対するリツコについて山口は、「リツコはテレビのころから、すごく不器用なんです。心を開かないし、ものすごい不幸な人生を歩んできて、それでも唯一ミサトにだけ心を開いていて、運命共同体です。自分の足りないところを補ってきて、自分を認めてくれた唯一の人。大好きなんです。ミサトのすべてを受け入れて、できる限りをかけてサポートする。収録のときもミサトとふたりきりでアフレコをしていて、それがすごく幸せな時間だったんです。それがなくなったのはすこく寂しい」としんみり語る。それを受けた三石は、「前は喧嘩するシーンもあったけど、ぶつかって角がとれて、いい感じにガッチリ組み合うことができた。ありがと!」と感謝を述べた。

最後に入場者特典のミニポスターを持っての撮影や、緒方恵美からのメッセージが寄せられ、本舞台あいさつは幕を下ろした。