ニュースなどでよく耳にするマイナンバーカードですが、実際には何に使うものでなぜ必要になるのかよくわからない人もいるでしょう。本記事では、今さら人には聞けないマイナンバーカードの基礎知識について、わかりやすく解説。さらに、マイナンバーカードの作り方や使用シーンについて、自宅に届いた通知カードについても詳しく解説していきます。
マイナンバー(個人番号)カードとは?
まずはマイナンバー、個人番号とはどういったものなのかについて、詳しくご紹介します。
■マイナンバー(個人番号)について
マイナンバーとは、日本の住民票を持つすべての人、一人ひとりに与えられた番号のこと。「住民票を有する人」には日本で暮らす外国人も含まれています。 番号は12桁で構成され、基本的には自分で変更することはできません(番号が漏洩し不正に用いられる恐れがある場合は変更も可能)。 「社会保障」「税」「災害対策」の3分野において、国民の利便性を高め、行政の効率化を図るためなどに活用されます。
■マイナンバーカードとは?
マイナンバーカードとは、プラスチック製のICチップ付きカードでマイナンバーが記載されたカード。カードにはマイナンバーに加え、本人の顔写真、氏名、住所、生年月日、性別が記載されているため、本人確認のための身分証明書として使用可能です。市区町村に申請することで交付されます。
■マイナンバーカードは悪用されないか?
マイナンバーカードを悪用されることが怖いという方もいるかもしれませんが、マイナンバーの数字は住所や生年月日などとは関係のない番号が割り当てられています。
また、マイナンバーカードのICチップには、プライバシー性の高い個人情報は記録されません。各情報のアクセス権限を制御し、通信を暗号化するなどのセキュリティ対策がされていますので、不正利用される心配は少ないと言えます。
■マイナンバーカードを紛失した場合は?
万が一、マイナンバーカードを紛失してしまった場合は、下記のいずれかに連絡をして一時停止の手続きを行いましょう。
- マイナンバー総合フリーダイヤル(通話料無料・外国語も対応):0120-95-0178
- 個人番号カードコールセンター(通話料有料):0570-783-578
あわせて警察に遺失届を出し、受理番号を控えておくことも忘れずに。
一時停止後、カードが見つかった場合は市区町村窓口で一時停止を解除し、見つからない場合は、同じく市区町村の窓口に紛失・廃止届を提出し、再発行手続きをします。
■再発行する手続きは?
マイナンバーカードが紛失や破損等で使用できなくなった場合は、有料で再交付申請が可能です。手続きは市区町村の窓口に下記の書類を持参して行います。
- 本人確認書類
- マイナンバーカードの紛失、焼失等を証明する書類
・遺失届を出した警察署の連絡先、遺失届受理番号が記載された個人番号カード紛失・廃止届
・消防署または役場の発行するり災証明書
・家の中で紛失した方などは、紛失の経緯を記載した書類
- 本人の顔写真 6カ月以内に撮影した無帽、正面背景の写真1枚(サイズ縦4.5cm×横3.5cm)
- 再交付申請書
- 旧マイナンバーカード(ある場合)
■住所変更の方法は?
引っ越し後は14日以内にマイナンバーカードの住所変更手続きをする必要があります。
- 同じ市区町村での引っ越しの場合
転居届の手続きと同時にマイナンバーカードの手続きも行えます。
- 違う市区町村へ引っ越した場合
通常の引っ越しでは旧住所の市区町村にて転出証明書を発行してもらう必要がありますが、マイナンバーカードがある場合は「特例転出」を利用できます。旧住所の市区町村に転出届を提出(窓口もしくは郵送)した後、転出証明書の発行がありません。引っ越し先市区町村にマイナンバーカードと転入届を提出し、マイナンバーカードの継続利用手続きを行いましょう。
マイナンバーカードでできること
マイナンバーカードの申請は義務ではありません。そのため、発行する意味があるのかと考える方も多いのではないでしょうか。ここではマイナンバーカードでできることを詳しく解説していきます。マイナンバーカードを持つことのメリットが感じられるかもしれません。
■身分証明書として使える
マイナンバーカードには、本人の顔写真や住所、氏名などが記載されているため、運転免許証同様に公的な身分証明書として使用できます。
■行政手続きがオンラインでできる
確定申告はマイナンバーカードがなくても行えますが、マイナンバーカードがあると手間を省いたマイナンバーカード方式によるe-Tax送信が可能に。健康保険証としての利用もでき、マイナポータルから医療費の閲覧ができるようになります。
■証明書等のコンビニ取得
市区町村の窓口に行かなくても、全国のコンビニエンスストアで住民票や印鑑登録証明書、各種税証明書などを取得できます(市区町村により内容が異なる場合があります)。
■民間取引にも活用
電子証明書としての機能を搭載しているマイナンバーカードは、オンラインバンキングや証券口座の開設、オンラインでの本人確認など、民間のオンライン取引でも利用できます。
通知カードとは?
通知カードとはマイナンバーを知らせるため、2015年10月以降に住民票のある住所に送られてきたものです。券面に氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーが記載されています。
■マイナンバーカードとの違い
通知カードはマイナンバーを証明する書類として利用することはできます。しかし、あくまで通知のためのものであり、マイナンバーカードのように公的身分証明書として使用することはできません。
■通知カード廃止後は?
通知カードは2020年5月25日で新規発行は廃止になりました。通知カードの再交付申請、住所や氏名等記載事項変更の手続きはできなくなります。
廃止後、マイナンバーを証明するためには、以下の書類で対応が可能です。
- マイナンバーカードを取得する
- マイナンバーが記載された住民票の写しを取得
- 住民票記載事項証明書を取得
マイナンバーカードの申請方法
最後にマイナンバーカードの申請方法をご紹介します。
マイナンバーカードは申請から交付までは概ね1カ月ぐらいですが、混雑時には2カ月ほどかかる場合があります。
■申請の流れ
交付申請書または個人番号通知書を利用し
「スマートフォン」「パソコン」「証明写真機」「郵送」いずれかの方法で申請を行います。
- スマートフォンでの申請
交付申請書に記載のQRコードを読み取り、申請用WEBサイトより申請を行います。顔写真はスマートフォンを利用して撮影が可能です。
- パソコン
申請用WEBサイトにアクセスし申請を行います。顔写真はデジタルカメラ等で撮影したものを添付して送信します。
- 証明写真機での申請
街なかにある証明写真機を利用して申請を行います。タッチパネルで「個人番号カード申請」を選択し、交付申請書のQRコードをかざして、必要事項を入力します。顔写真は写真機で撮影し、送信します。
- 郵送
個人番号カード交付申請に必要事項を記入、顔写真を貼付し、郵送します。
■交付申請書とは?
交付申請書は住民票のある住所に「個人番号通知書」と共に郵送された書類です。紛失した場合はマイナンバーカードの総合サイトよりダウンロードすることができます。
マイナンバーカードは活用シーンが広がる可能性大
マイナンバーカードを取得したとしても、なんとなくメリットが見えてこないため、申請を躊躇している方は多いのではないでしょうか。2021年3月からマイナンバーカードは健康保険証として利用可能になりましたが、今後もさらに民間利用などで活用シーンが広がる予定です。申請はネットで気軽にできますので、ぜひ取得してさまざまなシーンで活用してみてくださいね。
参考文献
地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカード総合サイト」
厚生労働省「マイナンバーカードが 健康保険証として 利用できます!」