7月に入り、公務員や民間企業の夏のボーナスについて、情報が出そろう頃となりました。昨年から引き続き、今年も新型コロナウイルスの影響が気になりますが、2021年夏のボーナスは、どのようになるのでしょうか。日本経済団体連合会の発表をもとに、業種ごとの平均や昨年との比較をご紹介します。

  • 2021年夏のボーナスの平均支給額は?

■2021年夏のボーナスはいくら?

6月25日、日本経済団体連合会(経団連)は「2021年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)」の第1回集計結果(※1)を発表しました。これによると、妥結額の総平均は、84万1,150円。2020年の妥結額の総平均は90万7,151円でしたので、前年比7.28%の減少となりました。夏のボーナスが減少するのは、2018年以降3年連続で、リーマン・ショック直後の2009年(前年比約19%減)以来の下げ幅でした。

なお、製造業の妥結額の平均は84万2,115円で前年比6.52%減(2020年は90万898円)、非製造業の妥結額の平均は83万2,485円で前年比13.46%減(2020年は96万1,912円)でした。

では、業種別の妥結額はどうでしょうか。妥結額の高かった業種から順にまとめてみました(業種、妥結額、前年比の増減率、2020年の妥結額の順)。

  • 業種別の妥結額

    業種別の妥結額

建設 131万8,655円 4.14%減 137万5,657円
電機 91万6,907円 1.51%減 93万988円
食品 89万7,623円 2.11%増 87万9,099円
自動車 87万9,626円 10.76%減 98万5,680円
化学 87万8,363円 0.23%増 87万6,367円
繊維 79万9,071円 0.23%増 79万7,259円
造船 79万2,833円 7.16%減 85万3,963円
セメント 77万4,536円 3.99%増 74万4,822円
非鉄・金属 76万7,420円 2.52%増 74万8,592円
紙・パルプ 69万8,305円 0.27%減 70万177円
印刷 62万8,919円 1.59%減 63万9,086円
鉄鋼 54万1,614円 4.93%減 56万9,679円

業種別で最も高いのは建設で131万8,655円、最も低いのは鉄鋼で54万1,614円でした。また、前年比の伸びが最も大きかったのはセメントで3.99%増、落ち込みが最も大きかったのは自動車で10.76%減となりました。

※1 : 調査対象は、原則として東証一部上場、従業員500人以上。第1回集計では、主要21業種大手251社のうちの104社から回答を得た。

■中小企業も含めたボーナス平均支給額は

前項でご紹介したボーナス額は、大手企業の平均です。それでは、中小企業も含めたボーナス支給額は、どのくらいなのでしょうか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、2021年夏の民間企業の一人あたりのボーナス支給額は、前年比2.3%減の37万4,654円と予想されています(※2)。

また、同調査によると、コロナ禍による業績悪化でボーナス減額にとどまらず、支給自体を取りやめる企業も増加するとみられます。ボーナスを支給する事業所で働く労働者の数は前年比1.9%減の3,988万人と2年連続で低下し、1990年以降の最低水準を更新する見込みです。

withコロナも2年目となり、業績への影響が避けられない企業が増えています。「毎年決まってボーナスが支給されてきた」という企業でさえも、例年通りとはいかないような状況が見えてきました。

※2 : 調査産業計。民間企業は、事業所規模5人以上。賞与を支給する事業所で働く全常用労働者(当該事業所で賞与の支給を受けていない労働者も含む)の平均

■コロナ禍におけるボーナスの使い方

「ありがたいことに、今年もボーナスが出た」という人も、悩むのはその使い道ですよね。コロナによって「いつ何が起こるかわからない」と、ボーナスを貯金する人がますます増えそうですが、ボーナスはどう使えば有意義なのでしょうか。

実は、ボーナスには「黄金比率」というものが存在し、その比率で使うのが理想とされています。それは、ボーナスを「貯金:好きなことや物:自己投資:金融商品への投資=4:3:2:1」という配分で使うのです。これなら、しっかり貯金や投資にお金をまわしつつ、自分へのご褒美にも使えて、とてもバランスのよい使い方ですね。

たとえば、ボーナスが50万円支給されるなら、

・貯金20万円
・美容家電やエステ、アクセサリーなど15万円
・資格取得やセミナー参加の費用10万円
・投資信託5万円

といった具合で、ボーナスの黄金比率に使い道と配分を当てはめてみるのです。ただし、現在はコロナ禍という特殊な状況下にあります。そのため、「今は好きなことや物にお金を使う機会がない」という人もいるでしょう。その場合、貯金や投資の比率を多めにする、もしくは、この自粛生活を利用して思いっきりスキルアップ(自己投資)に使う、というアレンジもおすすめです。

一方、気を付けたいのは、教育資金や住宅ローンの返済などをボーナスに頼り過ぎること。ボーナスを利用してこれらの資金をまかなっている人は多いですが、ボーナスは必ず支給されるものではなく、景気や業績によっては「支給なし」や「大幅ダウン」もあり得ます。万が一そうなった場合でも支払いに困らないよう、ボーナスありきのマネープランは立てないことが大切です。

■ボーナスに期待しすぎずお金に向き合うこと

ほぼ例年通りボーナスが支給される人がいる一方、これまでと比べて大幅ダウン、もしくは支給なしとなってしまった人も多く、人によって様々なボーナス事情があります。ボーナスはもらえれば嬉しいですが、もっと大切なのは、ボーナスに期待し過ぎず、普段からしっかりお金に向き合うこと。貯金も、毎月コツコツできる人が、結局は多く貯められています。ボーナスの支給をきっかけに、ぜひ、日常のお金の使い方も見直してみましょう。