「日本食材の再発見」をテーマに地産地消にこだわりつつ、フランスの最先端料理と北欧の先進的な料理のエッセンスを取り入れたレストラン「Sublime(スブリム)」が6月1日より初夏メニューの提供をスタート。どんな料理を味わうことができるのか、足を運んでみた。
スブリムは都営大江戸線及び東京メトロ南北線の麻布十番駅から徒歩3分、落ち着いた街並みに溶け込んでさりげなく店を構えている感じのレストラン。2015年に新橋でオープン、現在地に移転した2017年から3年連続ミシュラン東京の一つ星を獲得。店内はフローリングに木製テーブルと椅子が並んでいて家庭的な雰囲気。個室も用意されており、リラックスして心ゆくまで食事を楽しめそうだ。
新進気鋭のシェフたちが腕を振るう旬のフレンチ
腕を振るうのは、有名店での経歴も持つ平均年齢27歳の3名のシェフたち。王道フレンチに北欧のエッセンスを取り入れスブリム流の演出を加えた料理の数々をランチ、ディナー共にコースのみで提供している。スブリムの料理のルーツとなっている北欧では、1つひとつの食材をとても大事にして廃棄する部分がほとんどないような調理法や保存法が昔から取り入れられている。先代シェフが北欧での修業時代に身に着けた料理の表現を受け継ぎ、食材を余すことなく使い、デザインも楽しく、美味しい料理を楽しんでもらおうというのがコンセプトの1つとなっているようだ。
コースの内容は固定しておらず、その日手に入る国産食材を中心に調理される。この日、初夏メニューのアミューズで最初に登場したのは「沖縄県産ヤングコーンのフリット」。
見た目にもいきなりとうもろこしがそのまんま!?とインパクトがあった。指でつまんで食べるとサクッとした歯応えが美味しい。「赤エビのムースのサブレ」のムースは赤エビの殻からとった出汁を使っているそうで、こんなところにも食材を余すことなく使う姿勢と創意工夫が表れている。北欧風ミートボールの「岩手県産の豚のフリカデラ ルバーブのコンフィチュール」、キャベツの仲間の野菜コールラビを使った「コールラビのエスプーマかぼすのマリネ」と、かなり凝った料理が並び、シェフの説明を興味深く聞きながら食事を楽しんだ。
カツオを北欧フレンチ風のアプローチの一皿にした「千葉県産初ガツオとハイビスカス」に続いて、スブリム自慢のスペシャリテ「発酵マッシュルームのスープ」がテーブルに。生マッシュルーム、ソテーしたマッシュルームと、マッシュルームに塩をふって3週間醗酵させたエキスを出汁に入れたスープを組み合わせた逸品。スライスしたマッシュルームの歯応えと、スープのコクと旨味、さらに中から温泉たまごが出てきてとろ~りと混ざり合ってたまらない美味しさだった。
北海道産の蝦夷アワビと旬なアスパラをたっぷりな肝ソースでいただく「温菜国産ホワイトアスパラのソテーと蝦夷アワビのコンフィー青さのりと抹茶のパウダー肝のソース」、ふっくらした身でしっかり旨味がある松川カレイのムニエルを、はまぐりの出汁に燻製をかけたものとドライベルモットのノイリープラットを使ったソースでいただく「北海道産松川カレイのムニエル スモークはまぐりジュ ノイリープラットのソース」と、一品ごとに手が込んだ料理ばかり。メインは「和牛のポワレ」。山形県産の和牛サーロイン、サマートリュフを使ったソース、付け合わせにグリンピースのソテー、そら豆、万願寺唐辛子と、旬の野菜を使っている。赤身肉と野菜の緑が色鮮やかで、見た目にも美味しいメインであった。
デザートの「愛媛県産びわと黒糖 レモングラスとヨーグルトアクセント」では、テーブル上で液体窒素でびわのジュレをパウダー状にしたものをかけて仕上げる演出もあり。色んな食感、甘みが感じられた。最後は、ひと口で食べるのがもったいない工夫が凝らされた「オレンジに見立てたチーズのムースとオレンジのソース」とハーブティーをいただいてコースは終了。たっぷりとスブリム流の料理の神髄を味わうことができて大満足。
シェフたちの経験と確かな技術、豊富なアイディアで、次はどんな料理が出てくるのかな?と、ワクワクしながら食事を楽しむことができた。たまの外食で贅沢をしたいとき、ちょっと1ランク上のデートプランでキメたいときなどに、思い切って利用してみては?
●information
Sublime(スブリム)
東京都 港区東麻布3-3-9 アネックス麻布十番1F
営業時間
ランチ:12:00- 16:00 (L.O.14:00)
ディナー:16:00- 20:00 (L.O.18:00)
休:月