東京商工リサーチはこのほど、2021年上場企業の「早期・希望退職」実施状況を発表した。それによると、6月3日時点における2021年の上場企業の早期・希望退職者募集人数は前年同日(6,104人)比4,121人増の1万225人となった。1万人を上回ったのは2019年から3年連続で、前年(9月14日)より約3カ月早い。

早期・希望退職、今後も増勢傾向

  • 主な上場企業の希望・早期退職者募集状況(出典:東京商工リサーチWebサイト)

早期・希望退職者の募集が判明した上場企業は前年同日(33社)比で17社増の50社。業種別では、「アパレル・繊維製品」が8社、「電気機器」が7社、「サービス」・「運送」・「外食」が各4社、「自動車関連」・「食料品製造」が各3社となった。このうち、「サービス」については全て観光で、観光関連の募集は過去10年間なかった。また、「運送」については2013年以来、8年ぶりの発生となるという。

募集が判明した50社について通期利益別にみると、約7割(68.0%)に当たる34社が最終赤字だった。

募集人数が最も多かった企業は「日本たばこ産業(パートタイマー、子会社の従業員含む)」で2,950人。次いで「KNT-CTホールディングス」が1,376人、「LIXIL」が1,200人と、1,000人以上の大型募集は3社に上った。一方、募集人数100人以下(若干名含む)は27件(構成比54.0%)で半数を上回った。「アパレルや外食などの中堅企業のほか、製造業は全社的な募集ではなく、拠点の閉鎖や部門別での実施など小規模での実施も散見された」(同調査)。

今後については、「コロナ禍による業績への影響が長期化する企業を中心に、実施企業数、募集人数ともに増勢をたどるとみられる」と予想している。