近年、ビジネスシーンでもよく聞かれるようになった言葉の一つとして、ワークショップが挙げられます。ビジネスでの活用にも注目が集まり、さまざまな種類のワークショップが行われています。本記事ではワークショップの意味や進め方、メリット・デメリットや活用例などをご紹介します。

  • ワークショップとは

    ワークショップとは何なのでしょう

ワークショップとは

近年さまざまな企業などでワークショップは導入されています。ワークショップとはセミナーの一種で、特に体験型のものを指します。ここではまずその意味について詳しくご紹介します。

ワークショップの意味

ワークショップとは参加者が主体となる体験型のイベントなどのことを指す言葉です。英語のworkshopは本来「作業場」や「仕事場」を意味しますが、日本におけるカタカナ語としては意味が違いますので注意が必要です。

近年注目を集めているワークショップですが、日本でもすでに1980年代から行われています。ワークショップはあらゆるジャンルで活用でき、参加者を集めやすいといったメリットもありますので、近年改めて大きな注目を集めるようになっています。

ワークショップの種類

  • 自己啓発系
  • 演劇やダンスなどアート系
  • ものづくり
  • ビジネス分野
  • 教育分野

ワークショップとセミナーの違い

ワークショップもセミナーの一種ではありますが、ビジネス用語としては明確に使い分けられています。ワークショップは参加者が主体となって参加する体験型の講座です。それに対してセミナーは主催者側の講師が一方的に話すという形になりますので、参加者はあまり主体にはなく、受動的になります。

セミナーの場合、一方的な分だけ準備などにあまり時間やコストをかける必要がないというメリットがあります。ただ、どうしても参加者が受動的になってしまうことから、内容に強い関心を持っていないと話を聞くだけになり、次のアクションにつながらない可能性があります。

ワークショップならではの特徴

ワークショップならではの特徴はやはり、参加者が主体的に参加してさまざまな体験ができるという点です。たとえば、ハンドメイドなどのワークショップであれば、参加者は講師から説明を受けるのみでなく、実際にハンドメイドを体験できます。これはワークショップならではの特徴です。

セミナーというとどうしても「勉強」という色合いが強くなりますが、実際に体験できるワークショップにはエンターテイメント的な要素を盛り込むことができます。そのため、より人の関心を集めやすいという特徴もあります。

もちろん、参加者に実際に体験してもらうためには会場のセッティングのみでなく、さまざまな準備が必要となり、場合によってコストがかかるケースがあるという点も頭に入れておくべきワークショップの特徴です。

ワークショップが注目される理由

ワークショップは注目を集めていますが、その理由はやはり参加者を集めやすいのみでなく、関心を惹きやすいという点です。セミナーは最初からその内容に強い関心を持っていないと効果が薄くなってしまいがちですが、ワークショップの場合は実際に体験することによって関心を惹きやすくなるのです。

また、学習という点においてもセミナー形式で単に話を聞くのみでなく、実際に体験することによって身につきやすくなるという点でも注目されています。そのため、人を集めるためのイベントなどのみでなく、多くの企業で研修などにも導入されています。

  • ワークショップとは

    ワークショップとセミナーの違いを理解しましょう

ワークショップの効率的な進め方

仮に「新たなサービスの創出」がテーマのワークショップを実施するとしましょう。その際、一般的なワークショップの大まかな流れとしては以下のようになります。

  1. ワークショップの目的を参加者に共有
  2. アイスブレイクおよび参加者同士の自己紹介
  3. 個々人によるアイデア出し
  4. メンバー間でのアイデアの共有
  5. アイディアのブラッシュアップを議論
  6. チーム内で最良と思うアイディアの発表

では、実際にワークショップをするとなったら、どのように進めていけばいいのでしょうか。失敗しないためのポイントを絞りつつご紹介します。

目的とゴールを明確にする

ワークショップをするにあたっては「目的」と「ゴール」の設定が肝要になってきます。特にゴールが曖昧なようだと、参加者が「何のためにこのワークショップをやっているのだろう」と感じ、終わった後の消化不良感につながってしまいます。

参加者全員がしっかりと参加できるように工夫する

ワークショップの意義を最大限に活用してもらうためには、参加者のマインドをしっかりとワークショップに向けさせる必要があります。そのためにも、何かしらの個人ワークを取り入れるとよいでしょう。

そして、グループワークにおいても配慮が必要です。人によって積極性は異なりますので、主催者側はそれぞれがバランスよく参加し、発言できるようなプログラムを組むようにしましょう。

ワークショップのメリットとデメリット

ワークショップには多くのメリットがある一方でデメリットもあります。導入を検討する際にはメリットとデメリットの両方を頭に入れておくことが大切です。そこで、続いてはワークショップのメリットとデメリットやセミナーとの使い分けなどについてご紹介します。

ワークショップのメリット

ワークショップのメリットとしては、ただ話を聞くのみでなく実際に体験できますので、参加者に当事者意識が生まれるという点です。そのため、より真剣に講義に取り組めます。また、参加者が能動的に動きますので自分自身で考えて体を動かし、周囲とコミュニケーションを取る必要があります。そのため、達成感を得やすいという点もメリットです。

学習という面においては、ただ話を聞くだけでは「わかったつもり」になってしまう可能性があります。それに対してワークショップではその場で実践することで、さまざまな発見ができますし、新たなアイデアが生まれるかもしれません。

社内研修などにおいては、セミナー形式ではなかなか身につかず、結局は実際に仕事を進めながら教育することになるといった二度手間が発生するケースもあります。しかし、ワークショップであれば「実際に仕事を進めながら学ぶ」ことをその場で行えます。そのため、無駄のない教育が行えるという点もメリットです。

ワークショップのデメリット

ワークショップのデメリットとしては、しっかりと進行やスケジュールを考えなければ失敗してしまう可能性があるという点です。参加者が主体的に動く形になりますので、100%主催者側の予定通りに進行できるとは限りません。そのため、セミナーよりもさらに入念な準備が求められます。

雰囲気を盛り上げることもワークショップにおいては重要なポイントとなります。特に、広く参加者を募集した場合は初対面の人が集まることになるため、限られた時間の中でしっかりと盛り上げ、活発な意見交換が行える環境を作ることが求められます。

このように、セミナー以上にさまざまな準備が必要で、実施するにはある程度のノウハウが求められるという点がワークショップのデメリットです。特に短い準備期間でワークショップを実施する場合、失敗のリスクが高まるという点は頭に入れておくべきでしょう。

ワークショップとセミナーの使い分け

ワークショップのメリットやデメリットを頭に入れたうえで、セミナーとうまく使い分けることが大切です。たとえば、あまり内容に関心を持っていない人を広く集めたいのであればワークショップは効果的です。一方で、あまり準備期間がないという場合や、最初から参加者が内容に強い関心を持っている場合はセミナーの方が有効なケースもあります。内容や参加者に合わせてワークショップとセミナーを使い分けましょう。

  • ワークショップのメリットとデメリット

    メリットとデメリットの把握が重要です

ワークショップをビジネスで活用する具体例

最後に具体的なワークショップ活用の方法についてご紹介します。

組織内でワークショップを活用する

組織内でワークショップを活用する場合、まずは目的を明確にすることが大切です。会議にワークショップを取り入れるにしても、報告や連絡が目的であるのであれば、情報共有がメインなのでワークショップはあまり有効ではありません。

それに対し、問題発見や課題の解決などを目的とした会議であれば、活発な意見交換やさまざまなアイデアが求められますので、参加者全員が主体的になるワークショップが有効です。このように、目的に合わせてワークショップを導入するか否かを決めましょう。

研修にワークショップを取り入れる

ワークショップは研修においても有効です。特に新人研修においてはお互いのことをあまり知らない状態からスタートするため、セミナー形式だと一方的に指導する側が話をする形になってしまいがちです。

ワークショップであれば、新人側と指導する側の双方向でコミュニケーションを取りやすくなります。そのため、緊張をほぐしながらお互いの理解を進めることができるでしょう。

  • ワークショップのメリットとデメリット

    ワークショップをうまく活用しましょう

ワークショップはビジネスにも活用できるセミナーの一種類

ワークショップはセミナーの一種です。参加者が主体になって参加することによって、より強い関心を惹くことができますし、より実践的にさまざまなことを学べる手段として近年改めて注目を集めています。

ワークショップの意味やメリットを正しく理解することで、ビジネスに活かすことができるでしょう。特にセミナーとの違いを理解して使い分けるようにしましょう。