BSテレ東は30日に『プリンスアイスワールド 2021』(14;00〜)を放送する。
同ショーは1978年に日本初のアイスショーとしてスタートし、今回で42回目となる歴史あるアイスショーで、今年のゴールデンウィークに開催された横浜公演の模様を放送する。プリンスアイスワールドチームの群舞、そして宇野昌磨、田中刑事、樋口新葉、本田真凜、本田望結、友野一希、鍵山優真、三浦佳生といった現役選手に加え、荒川静香、本田武史などトップスケーターがゲストとして出演。解説は町田樹、実況は板垣龍佑(テレビ東京アナウンサー)が務める。
町田樹&板垣アナウンサー 収録後コメント
・全体の印象について
板垣:「プリンスアイスワールド 2021」横浜公演が、2年ぶりに無事開催されました。やはり、「プリンスアイスワールド」ならではの一体感、迫力がありましたね。
町田:2年ぶりに開催されてよかったです。毎年「プリンスアイスワールド」は群舞が見どころなのですが、プリンスアイスワールドチームの演技では、新しいフォーメーションが多数取り入れられていました。新たな群舞の魅せ方を探求し続けている姿勢が表れていて、素晴らしかったです。
板垣:私はスピード感が増していたと思いました。クライマックスの群舞は、プリンスアイスワールドチームの真骨頂と言える演目だと思います。もはや実況・解説が不要なのではないかと思うほど美しかったです。
町田:(収録では)実際、あまり話しませんでした(笑)。ザンボニー(製氷車)が登場したり、エアリアル(空中での演技)なども、今回新しく演出に取り入れられていました。2年分の思いが出演者一人一人にこもっていますし、ゲストスケーターも久しぶりのアイスショーできっと刺激を受けたのではないでしょうか。
・ゲストスケーターについて
町田:皆さん本当に素晴らしかったですが、しいて挙げるとすれば、樋口新葉選手の『ライオンキング』です。“太陽を昇らせていく”という演技冒頭の象徴的な振り付けが、朝日のような赤い照明と合わさり、その一瞬だけでオーディエンスの視線をロックオンする巧みなシーンでした。4年に一度の冬季オリンピックシーズンですが、勝負の年にふさわしい、樋口選手にとても合った力強く重厚なプログラムだと思います。
板垣:演技が始まった瞬間に、ステージが変わったように感じました。苦悶の表情から優しい笑顔まで表情が豊かで、私には彼女のスケート人生を投影しているようにも感じられました。'21-'22シーズンのフリーということですが、ここにジャンプが入り、完璧な演技をした時は、想像もつかない感動を呼ぶのではないかと思います。
町田:宇野昌磨選手の『ボレロ』は、宇野選手の重厚かつなめらかなスケートによく合っていると思います。非常に難度の高い演技構成になっていますので、これからシーズンを通じて、どこまで完成させることができるかが注目ポイントですね。
板垣:鍵山優真選手の演目、’20-’21シーズンのショート『Vocussion』は、すごかったですね! 4回転ジャンプのコンビネーションにトリプルアクセル…。どこまでも跳べそうでした。そして、アイスショーで渾身のガッツポーズはあまり見たことがありません(笑)。
町田:本当に素晴らしいジャンプの才能です。彼が跳ぶ瞬間だけ重力が弱まっているのではないかと感じるほどの軽やかさですね。
板垣:本人も今回のアイスショーは『世界選手権 2021』以上の出来だったと言っていました。独特のリズムを捉える感性もジャンプの技術も本当に素晴らしいです。
・「継承プロジェクト」について
板垣:町田さんは今回、「継承プロジェクト」ということにも挑戦されましたよね。
町田:作品をほかのスケーターに継承するというプロジェクトで、そのトップバッターとして、平昌五輪代表の田中刑事選手が、私が2014年の「プリンスアイスワールド」で演じた『Je te veux』という作品を、7年ぶりに演じてくれています。
板垣:とてもよかったです。田中選手の演技は哀愁があって、悲しみを強く感じました。
町田:私とはまた別の作品世界を描いていたなと感じました。『Je te veux』という作品は、パリに生きる男と女の悲恋の物語を描いていくわけですが、田中選手は私とはまた違った別の味わいを出していて、単なる作品のコピーではなくて、田中さんが作品をしっかりと自分のものにしてオーディエンスに提示しているということに、私は本当に感銘を受けました。
町田:今回は、とにかくこのような大変な状況(コロナ渦)の中、無事にアイスショーが開催され、こうしてオンエアできるという喜びを心に刻み、解説・実況をさせていただきました。一人でも多くの皆さんに鑑賞していただけますと嬉しいです。
板垣:今回も町田さんのエッジの効いたコメントがたくさんありますから、是非そのあたりに注目してください(笑)。そして、プリンスアイスワールドチーム、ゲストスケーター、スタッフの皆さんは、コロナ禍の中「本当にショーを開催していいのだろうか」と葛藤があり、その中でさまざまな対策をし、無事にショーを開催することができました。彼らの喜び、想いが込められたアイスショーの魅力を視聴者の皆様にお伝えしたいと思い、実況させていただきました。ぜひ、ご覧になってください。
江連プロデューサー コメント
氷上を舞い、天にも上る...コロナの影響で2年ぶりの開催、スケーター1人1人の思いが詰まったショーになっています。日本唯一のプロフィギュアスケートチームによる群舞・交差・シンクロナイズドスケーティングは、フィギュアファンはもちろん、そうでない方にも楽しんでいただけます!そして、五輪へ向かう現役スケーターが用意した勝負プログラムも! 町田樹さんが田中刑事選手に継承したこのショー限定ナンバー、さらに、“氷上の哲学者”と称された町田樹さんだからこそ発せられる解説、言葉の1つ1つは、まさに珠玉です! “ここでしか見られない”が詰まった2時間、ぜひ、お楽しみください。