日本コカ・コーラは、同社のサスティナビリティー戦略発表会を5月13日に開催した。この発表会では、日本コカ・コーラおよび全国5社のボトリング会社等で構成されるコカ・コーラシステムの旗艦製品「コカ・コーラ」「ジョージア ジャパン クラフトマン」などにおいて100%リサイクルPETボトルを導入するほか、「容器の2030年ビジョン」に関する発表が行われた。
2030年にはPETボトル容器を100%サスティナブル素材に
日本コカ・コーラ 代表取締役社長のホルヘ・ガルドゥニョ氏は、2018年1月に日本のコカ・コーラシステムが発表した「容器の2030年ビジョン」に関する現状と、旗艦製品の100%リサイクルPETボトル導入を報告した。
同社の「容器の2030年ビジョン」は「設計」「回収」「パートナー」を3つの柱として、日本国内におけるプラスチック資源の循環利用の促進を行っている。「設計」では「ボトルtoボトル」「容器の軽量化」「ラベルレスボトル」を取り組んでいるという。
「ボトルtoボトル」は、使用済みPETボトルを回収し、新たにPETボトルとして再生すること。同社ではこの取り組みを通して、2030年までにPETボトルへの新たな石油由来原料の使用ゼロを目指す。
2020年3月には「い・ろ・は・す 天然水」、4月には「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」に100%リサイクルPETボトルを導入、現在、同社の清涼飲料事業におけるリサイクルPET樹脂使用率は28%とのこと。2022年にはリサイクルPET樹脂使用率を50%に、2030年にはPETボトル容器を100%サスティナブル素材(リサイクル樹脂使用率90%、植物由来樹脂使用率10%)に切り替えることを目指す。
今回新たに、5月31日より「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロシュガー」「コカ・コーラ ゼロカフェイン」および「ジョージア ジャパン クラフトマン」などの旗艦製品に、100%リサイクルPETボトルを導入することが発表された。
この導入により、1本あたり約60%、コカ・コーラシステム全体で年間約35,000トンのCO2排出量を削減、また石油由来原料からつくられる新たなプラスチックを約30,000トン削減できる見込みだという。(※一般的なPETボトルから100%リサイクルPET素材に切り替えた場合。対象製品合計、前年出荷実績に基づく同社試算)
また旗艦製品では「容器の軽量化」も行われ、「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロシュガー」「コカ・コーラ ゼロカフェイン」の容器1本あたりのプラスチック使用量は42gから27gへ、「ジョージア ジャパン クラフトマン」は19.5gから17gに。「ラベルレスボトル」の取り組みえでは、同じく5月31日より、一部エリア・チャネルにおいて紙カートンを使用した「コカ・コーラ」などのラベルレス4本マルチパックのテスト販売も実施する。
3つの柱の「回収」においてもホルヘ氏は言及した。日本では93%のPETボトルがリサイクル目的で分別・回収されており、可燃ごみを含めると100%の回収と、世界でも類を見ない数字だという。ただ、回収されたPETボトルのクオリティに課題があるとホルヘ氏。「回収の努力はこれからも続ける必要はありますが、今後はクオリティにフォーカスしたい。1社ではできないため、パートナーシップが重要となる。啓蒙活動を続けながら、民間・政府・コミュニティ・消費者、全員が関わって進めていく必要があります」と述べた。
なおコカ・コーラシステムでは「回収」の柱の一環として、2021年2月下旬より順次、すべてのリサイクル可能な製品パッケージに共通の「リサイクルしてね」ロゴを導入している。
ホルヘ氏は「グローバルビジョン『World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)』に基づき、活動を強化し前進し続けます」と力強く述べた。
またホルヘ氏の発表に続き、コカ・コーラのアンバサダーを務める綾瀬はるかさんとのトークも実施。100%リサイクルPETボトルに関するクイズに挑戦したり、同社がコンビニやスーパーに設置しているPETボトル回収機に触れて理解を深めた。
自身がコカ・コーラとともに挑戦したいこととして、綾瀬さんからは「自分にできる選択をしっかり考える」とメッセージも。「環境に優しい製品を選んで、コカ・コーラ社製品を100%リサイクルすることが目標ですね!」とコメントを寄せた。会の最後には、ホルヘ氏と綾瀬さんから「リサイクルしてね!」と消費者へ呼びかけを行って締められた。