大都市圏に住んでいる方は、鉄道やバスなどの公共交通機関が充実しているため、車を持たないご家庭も多いのではないかと思います。
最近では、20代~30代を中心に車を所有せずにサブスクリプションを利用する人も増えているようです。
一方で小さいお子さんがいたり、仕事上、車があったほうが便利という方もいるでしょう。特に地方にお住いであれば車は必需品で、ご家庭で複数台所有されているケースも珍しくはありません。
ただ、車を所有していても、その税金については、知らない人が多いと思います。負担が重いと感じながらも何気なく支払っているのではないでしょうか。
自動車に関わる税
車にかかる税金は、種類も多く複雑で分かりづらいです。
車の税金は、自動車税(環境性能割)、自動車税(種別割)、自動車重量税、消費税の大きく4つに分けられます(ガソリン税などは除く)。
購入時、所有時、車検の時など、場面によってかかる税金が異なるため、1つずつ整理してみていきましょう。
購入時にかかる税金
車を取得したときにかかる税金は、自動車税(環境性能割)、自動車重量税、消費税です。
■自動車税(環境性能割)
車を購入した時にかかっていた「自動車取得税」は、消費税が10%に引き上げられた2019年10月のタイミングで廃止されました。同時に新たに導入されたのが、この自動車税(環境性能割)という税金です。
税率は、新車・中古車にかかわらず、車を購入した時にその車の燃費性能等に応じて決められています。自家用の登録車の場合、税率は0~3%です。電気自動車など、エコな車は非課税(0%)となります。
なお、自動車税(環境性能割)については、当初は2019年10月から2020年9月まで、税率が1%軽減される措置が取られていましたが、その後の景気対策や税制改正により2021年12月末まで延長されています。
■自動車重量税
自動車重量税は、新たに車を登録した時と車検時に支払います。車の重さに応じて支払う税金です。
3年自家用、乗用車の場合は、税額は以下の通りです(2021年5月から適用)
■消費税
みなさんご存知の消費税です。物を買った時にかかる税金です。 2019年10月から10%の税率で税金がかかっています。
所有しているとかかる税金
車を所有していると、自動車税(種別割)という税金がかかります。毎年支払っている税金はこれです。
■自動車税(種別割)
自動車税(種別割)は、1年に1回、4月1日時点での所有者が、車の総排気量に応じて支払う税金です。
排気量は1リットル以下~6リットル超までの10段階に分けられ、総排気量が多いほうが税金は高くなっています。例えば排気量2.5リットル場合、自動車税(種別割)は43,500円です(2019年10月以降購入の場合)。
参考までに2019年9月末までに購入した車は旧税額が適用され、総排気量が2.5リットルの場合45,000円です。この階層(2リットル超~2.5リットル以下以下)では1,500円の差があります。
2019年10月以降に購入した車は、新税額での計算になり、旧税額より1,000円~4,500円引き下げられています。
車検の時にかかる税金
自動車重量税は、新たに車を登録した時に支払いましたが、車検の時にもかかります。
車検は、新車の場合は購入から3年後に1回、その後は2年に1回受けるルールで、自動車重量税を年数分まとめて前払います。
2年自家用、乗用車の場合は、以下の税額となります(2021年5月から適用)
エコカー減税・グリーン化特例とは?
エコカー減税は、排出ガス性能や燃料性能に優れた車に対して、初回車検時等の自動車重量税が軽減される制度です。対象車や燃料基準の達成度に応じて、減税の割合は異なります(25%~100%軽減)。
エコカー減税は、税制改正により適用基準を見直した上で2年延長されたため、2023年4月末まで適用されます。
またグリーン化特例も対象車や燃料基準の達成度に応じて、新車新規登録等を行った翌年度の自動車税(種別割)が減税されものです(0~約75%軽減)。
グリーン化特例は、適用対象を電気自動車等に限定した上で2年延長され2023年3月末までの適用となります。
税金面ではエコカーがお得?
環境性能の高い車は、その分価格も高めですが、取得時や所有時にさまざまな税金の軽減措置が受けられます。
環境面はもちろん、税金面を考えると、環境性能に優れたエコカーの購入、乗り替えを検討する余地は十分ありそうですね。