UCC上島珈琲が展開する、ボタンひとつで世界のコーヒーが味わえるカプセル式コーヒーシステム「UCC ドリップポッド」。この1杯のコーヒーが消費者の手元に届くまでには、同社が継続して行うエシカルな取り組みがある。専用カプセル「ルワンダ フイエマウンテン」の発売を記念して開催されたイベントで話を聞いた。

  • UCCが開催したイベント「ルワンダのコーヒータイム」で挨拶する、ルワンダ共和国大使のルワムキョ・アーネスト氏(右)

ルワンダ共和国は東アフリカの中央に位置する、面積2万6,340km2、人口約1,130万人の内陸国。「ミルコリンズ(千の丘の国)」と呼ばれるような海抜1,500m〜2,200mという高地や肥沃な火山灰土壌などの条件に恵まれ、スペシャルティコーヒー(生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されたコーヒー)の産地として注目されている。

1990年からの内戦と1994年のジェノサイド(大量虐殺)が起こった同国。その悲劇から世界各国の支援などにより急速な経済成長を遂げたことは、「アフリカの奇跡」とも呼ばれている。現在では街はきれいでインフラも整っており、治安もよいという。注力しているのは、ICT産業、観光、高付加価値農業。

生産者とともにコーヒーの品質向上に取り組んできたUCC

UCCでは、コーヒー産業の持続可能性にも配慮した取り組みなど、独自のサステナビリティ活動を行っている。なかでもルワンダにおいては、JICA(国際協力機構)による地域経済活性の取り組み「一村一品運動」を通じて農園の開拓から深く携わり、生産者とともに品質向上に取り組み続けてきたという。

ルワンダのコーヒー農園の多くは内戦により一度は荒廃してしまったが、生産者とUCCも参加した技術指導者が手をとり合い工夫を重ねることで、良質なコーヒーを生み出す有数の産地となった。現在では、コーヒーは復興のシンボルとして語られているそう。

「コーヒーはルワンダにとって非常に大切な商品。UCCも多大な交渉をしてくださっています」とルワンダ共和国大使のルワムキョ・アーネスト氏。

  • エシカルなビジネスについて語る、ルイズビィ代表の小澤里恵氏とUCC農事調査室長の中平尚己氏

UCC農事調査室長の中平尚己氏は、「自分の仕事は、消費地と産地をつなぐ電話の交換手のようなものだと思っています。よいものができてそれを見つけてもらえれば、消費者に手にとってもらえる。産地には品質と生産量を求め、消費者にはありのままを伝えて知ってもらうことが大切です」と話す。

  • 「ルワンダ フイエマウンテン」。「フルーティーで個性がしっかりしている。グリーンアップルやマスカットのようなフレーバーが探しに行かなくてもはっきり感じとれる。余韻が長く甘い。土地の味や地域特性が出ている」(中平氏)

伝統工芸品の輸入販売で女性たちを支援する「Ruise B」

また、コーヒーと同じく復興の際に人々の生活を支えたのが、バスケットなどの伝統工芸品だった。その土地にある天然素材を活用し手で編みあげることができるため、内戦により働き手を失った女性たちにとって大切な生活の糧となっていたという。

  • 「Ruise B(ルイズビィ)」が取り扱うバスケット(右)を始めとしたルワンダの伝統工芸品。美しく力強いデザインが特徴

ルワンダの伝統工芸品を扱うアパレルブランド「Ruise B(ルイズビィ)」を手がける小澤里恵氏は、「やってもらったことに対価を払う、そしてオーダーし続けることがモットー。お互いを信頼して役割を担うことをやめずに続けたい」と語った。

中平氏も小澤氏も、「素晴らしい品質のものを生み出す」「魅力を伝え、確実にお客様の手元に届ける」「適正な価格で購入する」「品質向上への投資」という、よいサイクルをつくり出していくことへの思いは共通している。

「ルワンダ フイエマウンテン」とバスケットをセットで限定販売

このほど発売された「DRIP POD JOURNEY -RWANDA- バスケットセット」(5,000円)は、「Ruise B(ルイズビィ)」とのコラボレーション。ルワンダ フイエマウンテン2箱(12個入り/箱)とRuise Bのルワンダバスケットがセットになっている。数量限定でなくなり次第終了。また、ルワンダ フイエマウンテン単品(1箱12個入り/1,620円)は5月1日から販売を開始する。

  • カプセル式コーヒーシステム「UCC ドリップポッド」

また、このカプセルから得た収益金の一部を公共の井戸の開発費として地域に還元するという独自の仕組みも構築。きれいな水を安全に入手できるようになることで、コーヒーのさらなる品質向上が見込めることに加え、地域住民の暮らしもより豊かになるという。

UCCでは、「コーヒーを通じてこうしたサイクルを生み出すことで、SDGsの理念でもある誰一人取り残さない持続可能でよりよい社会の実現に向け、さまざまなアプローチを続けてまいります」とコメントしている。