Googleは3月29日、コロナ禍での消費者のECにおける買い物動向調査の結果を発表した。それによると、2020年の国内小売EC市場は、コロナ禍の影響もあり市場規模がさらに拡大しているという。

  • 2020年の国内小売EC市場

    2020年の国内小売EC市場

2020年の国内小売EC市場は、コロナ禍により近年続いていた上昇傾向が加速し、その市場規模は前年から20%以上増の11.9兆円まで上昇(推定)。しかしながら、2020年2月以前と比較し、2020年2月以降のEC利用率は3pt増にとどまっており、市場規模拡大の要因は新規利用者数の増加ではなく既存利用者の購買行動が活性化したためと推察される。

  • 2021年3月までに「単価10万円以上の商品をオンラインで買った経験がある」層

    2021年3月までに「単価10万円以上の商品をオンラインで買った経験がある」層

同社が2021年3月に実施した「買い物に関するアンケート」によると、2021年3月までに「単価10万円以上の商品をオンラインで買った経験がある」と回答した人は全体の34.8%。うち4.5%が「2020年3月以降に初めてECで10万円以上のお買い物をした」と回答しており、その中心は20代と40代男性という結果に。

また、EC購入者1人あたりの購入金額について、感染が拡大した「2020年3月~5月」と「2020年10月~12月」の2か月間で比較したところ、「2020年3月~5月」は3万9,682円であったのに対し、「2020年10月~12月」には5万5,575円と、1.4倍に増加していることがわかった。

  • 2020年3月以降にオンラインで購入した価格帯が高い商品

    2020年3月以降にオンラインで購入した価格帯が高い商品

2020年3月以降に「オンラインで購入した価格帯が高い商品」を教えてもらったところ、「PC・スマートフォン」(14.7%)、「家具・インテリア」(7.9%)、「ワイン・ウイスキー等の酒類」(4.9%)が上位に。在宅勤務や外出制限に伴って増加した「おうち時間」を豊かにする目的の商品購入が目立つ結果となった。

また、「オンラインで購入を検討しても良い/実際に検討している価格が高い商品」についても、「PC・スマートフォン」(33.4%)、「家具・インテリア」(24.9%)、「TV・オーディオ」(16.8%)、「高級お取り寄せグルメ(調理加工済みの食品)」(13.1%)、「カメラ」(11.5%)、「ワイン・ウィスキー等の酒類」(10.1%)「高級食材」(9.3%)といった「家具/家電」「高級食品」が上位に並び、実物を手にとって確認できないECでも、高価格商品の購入を検討している人が一定数存在していることが見受けられた。

  • 2020年3月以降における「代引」「ATM支払」「コンビニ支払」の利用について

    2020年3月以降における「代引」「ATM支払」「コンビニ支払」の利用について

続いて、オンラインショッピングにおける決済手段について調査を行った。日本ではこれまで、代引やATM/コンビニ支払などの商品を手に入れてから後払いする現金決済の利用率が高い傾向であったが、新型コロナウイルスの影響により、「代引」「ATM支払」「コンビニ支払」について、それぞれ4~5割が「以前より使わなくなった」と回答。一方、「クレジットカード」や「電子マネー」での決済が増加傾向に。感染予防の観点から配達員との接触を回避する、あるいは外出機会が減りコンビニへ行くタイミングが少なくなったことが伺える結果となった。