久しぶりの株高を受け、株式投資に興味を持ち始めている人が増えている。とはいえ、いざ始めてみようと行動するのはなかなか勇気がいるもの。「大損したらどうしよう」「経済のことはよくわからない」そんな理由でしり込みしてしまう人も少なくない。
そんな株式投資の超初心者はどのように一歩を踏み出したらいいだろう。『貯金40万円が株式投資で4億円 元手を1000倍に増やしたボクの投資術』の著者・かぶ1000さんに株式投資の極意を聞いた。
かぶ1000さん
中学2年(1988年)から株式投資を始め、専業投資家歴33年目。投資スタイルはPMVとカタリストを重視したネットネット株、資産バリュー株への投資がメイン。株主資本成長率を最も重視。年20%の運用利回りが目標。
■"継続することで年利7%は可能"かぶ1000さんが株式投資を勧める理由
"なるべく早く始めて、やりながら自分の得意・不得意を見極めていくのがおすすめ"と語るかぶ1000さん。中学2年から株式投資を始め、専業投資家歴は今年で33年目だ。
「いまはネット証券などで少額から株取引ができるようになり、資金が少なくても始められます。また、株式投資は始めるのが早ければ早いほど良いので、勉強から入ると頭でっかちになる可能性もあるし、試行錯誤できる時間は長いほうが有利です。長く続けるほど複利の力が生きてきますから」
日常生活で節約して浮いた数百円のお金や、ポイントで株取引ができる時代! しかしまだまだ投資初心者にとっては変動が激しく危険なのでは? という意識がぬけないのも事実。そんな株取引の魅力について、生粋の投資家はどう考えているのか。
「株価は短期で見るとさまざまな要因で大きく変動しますが、長期(10~15年)で見るとその変動は打ち消されファンダメンタルズに収束して行きます。企業は子どもの成長と同じで、1日単位ではさほど変化はわからないけど、10年後には大きく成長したという実感がありますよね。実際、戦後1949年からの日経平均のリターンは年平均7.2%。同じ時間軸で見るとNYダウもほぼ一緒(年平均7.5%)。過去の歴史から見ても株式投資は長期で継続して運用する事で、今後もリターンが期待できると思います」
7%を複利で運用すると10年で約2倍。地道に続けることで、今後も7%前後の利回りを達成出来る可能性はあるとのこと。"1日で100万円や200万円の増減もザラ"というかぶ1000さんだが、まずは継続していくことが大切だと語っている。
■自分に合った投資スタイルを見つける方法
長い目で見て利益が出るといえども、目の前の損失が怖い、メンタルが持たないという人も多いだろう。どうしたら自分の身の丈に合った投資ができるのだろう。
「まずはiDeCoやNISAなど節税を活用したインデックス投資と、自分なりに良いと思った個別株投資を両方並行して行い、パフォーマンスを比べてみるのはどうでしょう? どちらのパフォーマンスが良かったかで翌年の運用方針を決めていくのもいいと思います。『もう少し個別株に力を入れてみよう』とか『まだしばらくインデックスで勉強しよう』とか自分に合った方法を見極める判断の基準にするといいですね」
iDeCoやNISAなどのインデックス投資を超える利益を出すために、個別銘柄を買うわけだが、自分には合わないと感じたら税制面で優遇されるこれらの制度を利用するだけでも始めないよりは良いということだ。
「投資スタイルの向き・不向きは自分で経験しないとわからない。例えば"自分は一喜一憂するタイプだから値動きの激しい銘柄はやめよう"といった具合に、金額や精神面も含め、やってみて初めてわかることもある。実際に自分のお金を入れると真剣さも行動も変わるので、その感覚を身につけるのが得策です」