俳優の沢村一樹が、テレビ朝日系スペシャルドラマ『東京地検の男』(3月24日 20:00~21:48)に主演することが26日、明らかになった。
正義感は強いが少し変わり者、スーパー出身の庶民派検事・東丸信助が、絶対に諦めない執念で事件の真相を追い求める姿を描く本作。
沢村が演じる東丸は、弁護士を目指していたが、ある日司法試験をあっさり断念、スーパーに就職したという一風変わった経歴を持つ。検事の道を志してからも毎日元気にあいさつし、スーパーで働いていた時に培った普通の感覚を忘れない超マイペースなキャラクター。東丸の誠実な態度が、かたくなな被疑者の心を解きほぐしていく。
東丸の相棒を務めるのは、若手俳優の矢本悠馬が演じる検察事務官・桐野圭太。検察でのキャリアが自分より浅い“後輩”東丸とコンビを組んで2年になる。淡々と仕事をこなすイマドキの若者だが、文句を言いながらも熱意に押されて休日返上で働く姿に東丸も絶大な信頼を置く。愛すべき凸凹コンビが繰り広げる絶妙な掛け合いに注目だ。
そして、東京地検の花形部署・特捜部のエースで、次期特捜部長の座を狙う三枝浩一を演じるのは市川猿之助。東村と激しい火花を散らしながらも、共通の大きな敵に向かっていくことになる。
事件の関係者にも豪華俳優陣が集結。自供を覆して戦うことを決意する洋食店の経営者・山岡誠二を平岳大、その洋食店の店員で秘密を抱える田所美香を星野真里、東京高等検察庁の検事長・大川克彦を羽場裕一、贈収賄事件のターゲットとなる衆議院議員の秘書を野間口徹、岡田浩暉が演じる。
さらに、東村を明るく元気に支える妻・恭子を富田靖子が演じることも決定。家族団らんの何気ない会話から事件のヒントが生まれる。
沢村、矢本、市川のコメントは以下の通り。
■沢村一樹(東丸信助役)
――今回の役で意識したことは。
僕はこういった“事件もの”にたくさん出演させていただいているので、東丸を演じる際、キャラクターを差別化したいな、という個人的な欲みたいなものが出てしまって(笑)。台本を読んだ時に感じた“愛らしい”イメージは崩さず、ちょっとオタクな感じにしてみました。そういう人って、得意分野のスペックがすごく高かったりしますが、そこはあまり高くし過ぎず、一生懸命さで能力をカバーしている人、観た人が応援したくなるキャラクターにしたいな、と。突出したオタクっぽい一面は“諦めないところ”。七転び八起きという言葉のように“8回までは失敗してもへこたれない人”というイメージでやりました。
――矢本さん、市川さんとの共演の感想は。
東丸のキャラクターができ上がっていたので、三枝役の猿之助さんと一緒のシーンでは、三枝の面白おかしいキャラクターが生きればいいなと思っていました。三枝のキャラクターが前面に出てきた時には、グッと沈んだ動きをするよう意識していましたね。三枝のテンションに寄って行きすぎると大変なことになるので(笑)、少し気配を消すなど……その瞬間ごとにシーンとして面白くなるように考えていました。人間の脳ってすごいんですよ、瞬時にいろんなことが考えられるんです(笑)。
猿之助さんとは久々にご一緒しました。『サラリーマンNEO』の“セクスィー部長”ぶりでしたね。本当にいい具合にはっちゃけていて、三枝もとても面白い人物になっています。
東丸の相棒・桐野を演じる矢本くんは、ヤンチャ感がにじみ出ていて、すごく男気がある。そして負けん気の強さみたいなものが芝居にも出ていて、すごく面白かった! 東丸の方が年は上だけどキャリア的には桐野が先輩という関係と、僕ら自身のキャリアや性格の違いなど、いろんなものが絡み合うことで、2人の関係にすごく立体感が出ていて、面白いバランスが生まれたと思います。
■矢本悠馬(桐野圭太役)
――今回の役で意識したことは。
僕が演じる桐野はわりとイマドキの若者なのかな、と思いました。土日は休み、というのが当たり前の生活を送り、職場では上司との関係にも入り込み過ぎないタイプなのかな、と。東丸のように一つの事件を追うために自分のプライベートな時間を費やすタイプではないと思うんです。でも、一緒にいるうちに、自分にはないものをもっている東丸からいろいろな刺激を受けて、尊敬もしているんだと思います。
感情やモチベーションで仕事をしていて、やる気のあるなしがその都度変わったりする、そういう桐野が一番“人間っぽい”のかなと感じました。きっと桐野は、一つの事件に対してきちんと向き合っている時もあれば、「めんどくせーな」って思っている時もあるんですよね。僕もそういうタイプなので(笑)、珍しく自分に似た役なのかもしれません。
――沢村さんとの共演の感想は。
脚本を読んだ時、東丸のキャラクターが「テレビで拝見している沢村さんぽいなぁ」と思いました。実際にお会いした時もイメージ通りで……僕が言うのは失礼なんですが、とてもかわいらしい方でした(笑)。沢村さんとはお互い素のまま本番に入っている感じでした。居心地のいい雰囲気を作ってくださる方なので、リラックスしてやれましたね。芝居をしているという感じがあまりなく、いい意味で、肩の力をバリバリ抜いてやっていました(笑)。
■市川猿之助(三枝浩一役)
――今回の役で意識したことは。
東丸が庶民派で三枝がエリートとなると、エリートの三枝は高圧的で笑いの要素がない、というのがお約束ですよね? でも、そういう型にハマッても面白くないので、実は東丸とキャラが少しかぶるようにやってみた部分もあるんです。本来ならクソマジメになるところなんですが、東丸とはちょっと違うお茶目な面も出してみました。僕がやるならお約束には当てはまらないようにしたいと思い、キャラクターがどんどん変わっていきました。三枝には怖い面もあるんですが、おちゃらけた一面もある。キャラクターのどこかに“素”が見えないと面白さが出ないのかな……と思って、三枝と僕には似ている部分がないんですが、なるべく自分に近づけたいなと思って演じました。
――沢村さんとの共演の感想は。
沢村さんとは『サラリーマンNEO』の“セクスィー部長”で、ふざけたコントをやっていたので、そのイメージが強すぎて……(笑)。がっつり芝居でご一緒するのは今回が初めてなんですが、マジメにお芝居してらっしゃると、それだけで面白かったです(笑)。雰囲気をよくしてくださる方なので、とても和気あいあいとした現場でした。