「場末の酒場で一人お酒を飲んだ」などの表現がありますが、この「場末」とはどういう意味かご存じでしょうか?

本記事では「場末」の意味や使い方、類語や英語表現について解説していきます。意味や使い方を学び表現力を豊かにしましょう。

場末の意味

場末とは「にぎやかな町の中心部から離れた場所」という意味です。郊外や裏通り、中心から離れた所という意味で使用されます。読み方は「ばすえ」。

「場末の居酒屋に入るとホッとする」のように“安心感がある、落ち着く”などのポジティブなイメージで用いられることもあれば、「場末感が漂う町になった」のように“寂しい・落ちぶれた”など、ネガティブなイメージで用いられることもあります。

  • 路地裏の飲み屋街

    場末の使い方を学びましょう

場末の類語

場末の類語には、主に場所を示す言葉が多くあります。しかし、使用する場面やイメージの異なる類語もありますので、言葉を使いこなすためには意味を理解する必要があるでしょう。

シーンに合わせた類語の使い分けができるよう、使用方法と例文を併せて紹介していきます。

郊外

「郊外」は都市に隣接した地域、都市周辺の田園地帯という意味です。中心地から離れた地域という意味では、場末の類語になります。

「郊外に一軒家を購入した」「東京郊外の静かな地域」などの例文があります。場末のようにイメージを伴わず、単に場所を示す言葉として使用されています。

路地裏

路地裏は、「路地を入った、表通りに面していない場所」のことです。中心地から離れた場所を示す点と、寂し気な様子を表現する点が場末と似ています。

「子供たちが路地裏で遊んでいた」「路地裏は人通りがなく静かだ」などの使い方ができます。

町外れ

町外れは、街並みが途切れる辺りの場所、町から外れた場所を表します。静かな場所や家の少ない閑散としたイメージを与える場合にも使われます。

「町外れに大きな工場が建設されることになった」「町外れにおいしい焼き肉屋があるから行こうよ」など、通常は場所を示す際に使います。

裏町

裏町とは、文字通り表通りの裏側に位置する町のことです。場所を示す言葉ですが、表側にはない静かな印象を与える場合にも使われます。

「裏町にあるやきとり屋に寄ってから帰ろう」「ノラネコが裏町の方へ走っていった」などの使い方があります。

  • ぼんやりとした夜の交差点

    場末の類語を学びましょう

場末の英語表現

場末を英語で表現する場合、町外れや郊外という意味を持つ「outskirts」を用いるとよいでしょう。

<例>

  • on the outskirts of Tokyo
    東京の郊外に
  • on the outskirts of a town
    町外れに
  • 自転車が行き交う風景

    場末の英語表現を学びましょう

***

場末は、場所を表す場合とイメージを表現する場合があります。

さまざまな意味で使うことができる言葉ですが、他人に使用すると失礼に当たります。使用する場面に注意が必要です。

単に場所を示す時は、類語を使用する方がわかりやすいでしょう。ひとつの意味や使い方にとらわれず、言葉の持つニュアンスなども理解することで、正しく使いこなせるようになるでしょう。