2020年から引き続き不安定な状況が続いています。毎年恒例行事ともいうべき、今年も目標を立てて、その目標を達成するためにお金を貯める仕組みを早く作りましょう! といった内容の話になるのですが、もちろんこれも大切ですが、2021年は少し状況が変わってきています。

それは、お金の流れが大きく変わってきていると感じているからです。非正規労働者の解雇や早期退職や希望退職といった雇用が不安定になっているにも関わらず、日本の景気のバロメーターともいうべき、日経平均株価が30年ぶりの高値を付けるなど、実経済と株価が伴っていない状況となっています。

そして所得は増えなくても物価はじわじわと上昇している中で、どのように生活していくのがよいのかを今一度立ち止まって考えるときが来ているのではないかと考えています。

所有にこだわらずデジタル化やレンタル、シェアを活用する

そしてそのような状況の中でも、できることを探して行動することが大切です。今年は3つのお金の行動を意識して変えてみましょうという。

1つ目は、現物の所有からデジタルの所有や共有(シェア)を考えることです。今までは家を購入する、車を購入するといった購入することに価値が求められていましたが、これからは、所有にこだわらずにレンタルやシェアにして身軽になることも一案です。

当然ですがどちらにもメリットデメリットがあり、それぞれの価値観によるものも大いにありますので、所有をすることにメリットを感じるのであれば、もちろんそれでも大丈夫です。しかし、持たずに共有する選択肢もあることで、所有や保管、管理のコストを抑えることもできると考えることもできます。

それ以外にも、インターネット環境が整ったことで、本や音楽、映像といったものも、タブレット端末などを利用して、デジタルで所有することができる時代です。タブレット1台に何万冊という本や何万枚というCDが所有できれば、本やCDを購入するお金やそれらを保管するスペースなどのコストを削減することができます。もちろん、所有することに価値を見出しているのであればそれでも構いません。

基本はレンタルやシェアの生活をすることで、今までとはまた違ったお金の価値観が生まれてくると思います。例えば、賃貸住宅にして車はカーシェアリングを使い、本や音楽、映像はタブレット端末などで管理する。服はその都度シェアリングやレンタルでそのシーズンに必要な服を借りて、シーズンが終われば返却する。といった生活になれば、小さな家でも快適に、そして住み替えに伴う引っ越しもラクになることでしょう。身軽にそして臨機応変に対応することが求められる時代ですから、このような生活スタイルも増えていくと考えることができます。

キャッシュポイント=収入を得る機会を増やす

2つ目は、キャッシュポイントを増やすことです。キャッシュポイントとは、収入を得る機会を増やすことです。これは1つの仕事だけではなく、副業など複数の収入を得る機会を増やすことです。

コロナ禍において企業では、副業を認めるところも増えてきました。そして、スキルマーケットといった自分がもっている技術や技能を売るためのサービスも登場しています。自分には何ができるのか、何が好きなのか? 趣味や特技といった「好きを仕事にする」ことが企業に勤めることなく、できるようになっています。はじめはそれが副業だったとしても、本業になることは十分あり得ることです。そしてキャッシュポイントを増やすことは、雇用や収入が不安定になりがちな時代でも、生活の支えとなり収入を安定させることができるでしょう。

小額からでも投資運用を始める

3つ目は、投資運用を毎月少額からでもスタートすることです。

ひと昔前までは100円で大きなパンを買うことができました。それが年々小さく、そして値上がりもしています。これはモノの値段が上がり、現金の価値が下がるインフレという状況です。将来的にインフレが徐々に進む可能性は十二分に考えることができます。その場合、現金や預貯金だけでの運用には、価値が目減りしてしまうリスクがあります。そういったリスクを軽減させるためには、リスクを軽減させる金融商品で運用する必要があります。

投資運用につきものである、元本が減るリスクを軽減させるためには、「長期に積み立てて、運用する商品を分散させる」ことです。個人型確定拠出年金のiDeCoやつみたてNISAといった節税にもなる制度を利用して、インフレリスクに備えて資産をバランスよく守ることも大切でしょう。

2021年は状況に応じて動くことがカギとなりそうです。世の中の状況に応じて柔軟に行動ができるように、身の回りのものはできるだけコンパクトに、そして必要なところにお金が使えるように、運用方法を考えながら備えておきましょう。