「凡庸」という言葉をご存知でしょうか。
しっかりと意味を理解して、普段から使用している方もいれば、本や書類を読んでいて、意味を読み取れなかった経験のある方もいることでしょう。さらには、似た言葉に「汎用」などもあり、それぞれの細かな意味の違いに頭を悩ませる方もいることかと思います。
本記事では、「凡庸」という言葉の使い方、類語表現、英語表現を紹介します。
凡庸の意味とは
「凡庸」とは、際立った特徴がない物事・現象を指す言葉です。平均的であり、それ以下でも以上でもない様子を指して用いられます。読みは「ぼんよう」。
<使用例>
- この表現は凡庸過ぎる
- あの人は、いつも凡庸な考え方ながら素晴らしい結果を出します
凡庸と汎用・平凡との違いは?
「汎用(はんよう)」は「オールマイティに活用できる」「流用できる」「幅広く使用できる」という意味を持つ言葉です。「平凡で取り得がない」という「凡庸」の意味とは異なります。
<使い分けの例>
- こちらは、汎用的に利用できるスマートフォンケースです
(スマートフォンのサイズや機種によらず、利用できるようなイメージ) - こちらは、凡庸なスマートフォンケースです
(とりえのないシンプルなケースのイメージ)
一方で、凡庸と平凡はどちらも「優れた特色がなく、並なこと」という意味なので、ほぼ同じと考えて問題ないです。
凡庸の使い方と例文
使い方や例文も紹介していますので、「凡庸」という言葉について理解を深めておきましょう。
凡庸である
<使用例>
- この文章表現は凡庸である
- 凡庸であるがために、結果も平凡だ
「凡庸」は個性を発揮したいシーンで使用する言葉ではありませんので、世間一般的な状況を指す言葉とも言えるでしょう。「日常的で大衆が目を惹く素晴らしい魅力がない」といった意味が含まれています。
凡庸な
<使用例>
- 凡庸な思考では劇的な売り上げ向上は困難です
- 凡庸な有様
誰でも考えるような似通った考え・内容では、突出した表現や結果を出せないシーンでも活用するのが「凡庸」です。「自然と表れる一般的な状況や様子」という場面でも使用できます。
凡庸の類語
「凡庸」の類語は以下の通り。
- 人並み
意味 : 世間一般の人と同じ程度であること - 月並み
意味 : 新鮮みがなく、ありふれていて平凡なこと - 陳腐
意味 : 古くさいこと。ありふれていて、つまらないこと - 平凡
意味 : これといって優れたところがなく、ごくあたりまえなこと
凡庸の対義語
「凡庸」の対義語は以下の通り。
- 非凡
意味 : 平凡でないこと。普通より特にすぐれていること - 稀有(けう)
意味 : めったにないこと。とても珍しいこと - 偉大
意味 : すぐれて大きいさま。りっぱであるさま
凡庸の英語表現
「凡庸」という言葉を英語で表現するには、「average」「mediocre」などが用いられます。
average
「average」とは、「平均」という意味を持つ言葉です。
<使用例>
- His grades are average.
彼の成績は凡庸だ(彼の成績は平均的だ)。
mediocre
「mediocre」とは、「標準」という意味を持つ言葉です。
<使用例>
- I did not study when I was in college,my grades were mediocre.
私は大学にいた時、あまり勉強しませんでしたので凡庸な成績でした。
***
本記事では、「凡庸」という言葉の意味や用途、例文を紹介しました。正しい意味を理解し、言い換え表現についても知ることで、TPOに応じた適切な言葉遣いができるようにしましょう。