子育てには多くの労力や時間、気遣いが必要であり、周囲のサポートは欠かせない。そんな時、実両親や義両親の存在はとても頼りになることだろう。子育てに迷った際に、豊富な経験や知識に裏付けられた的確で親身なアドバイスに勇気づけられたという人も多いのではないだろうか。
しかし一方では、親世代との価値観の違いから、子育てをめぐって衝突したという苦い経験がある人もいるかもしれない。今回は子育ての経験があるマイナビニュース女性会員281人に「子育てにおいて実両親や義両親と価値観が合わないと感じるのはどんな時か」などを聞いた。
Q.子育てにおいて、ご自身の両親と価値観が合わないと思うことはありますか?
「ある」(43.8%)
「ない」(56.2%)
Q.子育てにおいて、ご自身の両親と最も価値観が合わないと感じるのはどんな時ですか?
1位「しつけや子どもとの接し方について」(44.7%)
2位「食事や健康面について」(15.4%)
3位「子どもの教育や進学について」(14.6%)
4位「金銭面」(11.4%)
5位「日々の生活リズムについて」(5.7%)
6位「住む環境や地域について」(4.1%)
6位「その他(自由回答)」(4.1%)
Q.その内容について具体的に教えてください教えてください(自由回答)
■「しつけや子どもとの接し方について」
・「何でも厳しく接するから、イライラする」(31歳/その他/その他・専業主婦等)
・「自分の孫となるととにかく『可愛がる』『甘やかす』。これは止めてほしい」(38歳/教育/専門サービス関連)
・「言い方がきついとかごちゃごちゃ言ってくるけれど、私が子どもの頃、母親だってそのようにきつく接してたくせに、口出しすんなと思う」(43歳/ガラス・化学・石油/技能工・運輸・設備関連)
・「親がもっとしっかり管理しろみたいなことを言うが、本人の自主性をもっと重んじることも必要だと思う」(46歳/電力・ガス・エネルギー/技能工・運輸・設備関連)
・「親が見返りを求める人なので、子どもにいちいち感謝しろと言うこと」(28歳/その他/その他・専業主婦等)
・「母親は姉の子どものほうがかわいいらしく、私の子どもに対してはあからさまに面倒臭そうな態度をとる」(44歳/その他/その他・専業主婦等)
・「時代錯誤が甚だしい。はいはい、言っていますが、完全におかしい」(38歳/その他/その他・専業主婦等)
・「ゲームなど、母には理解できない」(49歳/その他/その他・専業主婦等)
■「食事や健康面について」
・「子どもの食べたいものを食べさせようとするので、甘いものや好きなものばかりになることが嫌だと思っている」(41歳/その他/その他・専業主婦等)
・「昔の食育を押しつけて来たり、子どもが小さい頃は自分で噛み砕いた物を食べさせたりされた」(51歳/その他/その他・専業主婦等)
・「虫歯菌やアレルギーなど、こちらは医者と相談をして進めているのに、勝手な憶測で『大丈夫』として、私がいないときに自分の意見で進めようとする」(35歳/その他/その他・専業主婦等)
・「両親は子どもが食べたいものを食べさせたいと言うが、私達、親はバランスを考えたりして食べさせたい」(58歳/その他/その他・専業主婦等)
・「バランスが取れていないのは承知しているが、子どもが食べてくれないものを作るのは時間の無駄だと思いますが、チクチク言われる」(51歳/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
■「子どもの教育や進学について」
・「子どもの進学について、親世代は大学に行くなど興味がなかった」(52歳/その他/その他・専業主婦等)
・「子どもはのびのび育てばそれで良し、の考えしか持たない祖父母です」(43歳/その他/その他・専業主婦等)
・「私はのびのびとと思いますが、両親は学業をかなり大切に思っているので」(45歳/通信関連/事務・企画・経営関連)
・「進路のことで子どもに決めてほしいし、そのつもりだが、87歳の母から押しつけがある」(49歳/その他/その他・専業主婦等)
■「金銭面」
・「おもちゃや駄菓子を買いすぎる」(48歳/その他/その他・専業主婦等)
・「お年玉等に金額をけちること」(54歳/その他/その他・専業主婦等)
・「子どもが持て余すほどの高価な洋服などを買い与えてしまう」(41歳/サービス/営業関連)
■「日々の生活リズムについて」
・「子どもの好きな時間に起床させたり、就寝時間が決まってない事を指摘する」(35歳/食品/その他・専業主婦等)
・「子どもはゲームばかりで夜型の生活になり、私の両親は心配していますが、どうにもならないので板挟みになり、ストレスが溜まります」(57歳/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「親達の生活リズムを押し付けるので困る」(45歳/官公庁/公共サービス関連)
Q.子育てにおいて、義理の両親と価値観が合わないと思うことはありますか?
「ある」(48.4%)
「ない」(51.6%)
Q.子育てにおいて、義理の両親と最も価値観が合わないと感じるのはどんな時ですか?
1位「しつけや子どもとの接し方について」(34.6%)
2位「金銭面」(18.4%)
3位「子どもの教育や進学について」(14.0%)
4位「食事や健康面について」(11.0%)
5位「住む環境や地域について」(9.6%)
6位「日々の生活リズムについて」(8.1%)
7位「その他(自由回答)」(4.4%)
Q.その内容について具体的に教えてください教えてください(自由回答)
■「しつけや子どもとの接し方について」
・「義祖父は、子どもの世話をするのは母親だけで十分と思っている」(35歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「子どもが触ってほしくないものを、届かないところに移動させるなどの処置を全くとろうとしない」(37歳/教育/専門サービス関連)
・「子どもには何も手伝わさせない。食器を下げたり、片付けたりとか。私としてはお手伝いもさせてほしい」(49歳/その他/その他・専業主婦等)
・「子どもに対してどのくらい厳しくすればいいのかで、義理の両親とは意見が合いません。私は厳しくしたいのですが、義理の両親は厳しいのは嫌いみたいです」(47歳/食品/営業関連)
・「昔の考えで長男が一番という考えで、長男が優遇されています」(49歳/その他/その他・専業主婦等)
・「虫歯菌のことを考え、親と同じ箸を使って食べさせていなかったが、気にせず自分の箸でとったおかずを子ども(孫)の口に入れた」(43歳/その他/その他・専業主婦等)
・「夫の母に子どもを預けて、夫婦共稼ぎをしていたので、姑が孫である子どもに過保護であったが、文句を言うことができなかった」(68歳/その他/その他・専業主婦等)
・「夫を育てた義両親を見ていると、夫の人間性に納得してしまう部分が大きい。今後ますます似てくると思う」(53歳/その他/その他・専業主婦等)
■「金銭面」
・「おねだりすると無限に与えようとするので、金銭感覚の教育に良くない」(40歳/サービス/事務・企画・経営関連)
・「子どもの歳に見合わないお金を、すぐに渡してしまう」(51歳/その他/その他・専業主婦等)
・「子どもにかけるお金の使いどころ。必要最低限にしたい私と、贅沢させたい義母」(47歳/その他/その他・専業主婦等)
・「お金・お金とこだわりすぎている、という風に説教されるところが嫌い。私は全然こだわっていないのに」(34歳/インターネット関連/その他技術職)
■「子どもの教育や進学について」
・「勉強なんてしなくて良い、という義理の親の考え方が理解できなかった」(47歳/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「どの大学には入れば学資の全ては出してやるが、それ以外の大学では出さないと言い、実際に違う大学へ進学すると、学資は一切出さなかった」(58歳/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「私立の学校に行かせたい義父母と、地元の友達と一緒に学んでほしい私との価値観の違い」(38歳/教育/専門サービス関連)
・「全てにおいて、習い事でもお金をかけるべきだという方針なので、話すといつもイライラします」(45歳/通信関連/事務・企画・経営関連)
・「夫の親は好きなことを好きなだけやれば良いと言うが、ついつい教育ママになってしまう。とはいえ夫は高学歴なので、夫の親の育て方が正しかったんだろうと思う」(49歳/文具・事務機器関連/事務・企画・経営関連)
■「食事や健康面について」
・「お菓子をすぐあげたがる」(34歳/その他/その他・専業主婦等)
・「食べさせたいものを、なんでも食べさせてしまう」(35歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「アレルギーの価値観が違い、原因アレルギー物質が入っているものや甘いものをあげようとしてくる」(35歳/その他/その他・専業主婦等)
・「なんでも食べなきゃとうるさい。誰でも好き嫌いはあるのに」(54歳/専門店/販売・サービス関連)
■「住む環境や地域について」
・「近所付き合いなどが親密な地域で困る」(49歳/その他/その他・専業主婦等)
・「常に、実家の側におきたがること」(50歳/医療・福祉・介護サービス/事務・企画・経営関連)
■「日々の生活リズムについて」
・「お休みの日に寝ているのが嫌らしい」(51歳/銀行/事務・企画・経営関連)
・「義母は農家をしてるので朝が早い。私は子どもたちに合わせるので適度な時間に起きる。最初は、『遅いな』みたいな顔をされたけれど、今はされても平気です。リズムなんて崩したら体調に合わないから。食事も別々です」(49歳/その他/その他・専業主婦等)
■総評
調査の結果、子育て経験のあるマイナビニュース女性会員のうち、子育てにおいて自身の両親と価値観が合わないと思うことが「ある」人は43.8%となった。同様に、義理の両親と価値観が合わないと思うことが「ある」人は48.4%となり、子育ての価値観への違和感は、実の親よりも義理の両親に対するものの方が若干大きいことがわかった。
最も価値観が合わないと感じるのは、自身の両親では、1位「しつけや子どもとの接し方について」(44.7%)、2位「食事や健康面について」(15.4%)、3位「子どもの教育や進学について」(14.6%)、4位「金銭面」(11.4%)の順。義理の両親では、1位「しつけや子どもとの接し方について」(34.6%)、2位「金銭面」(18.4%)、3位「子どもの教育や進学について」(14.0%)、4位「食事や健康面について」(11.0%)の順番となった。
ともに、1位は「しつけや子どもとの接し方について」で共通しているが、実の親に対するものの方がやや強く出ている。また、実の親よりも義理の両親に対して、「金銭面」がかなり強く意識されていることが明らかとなった。
具体的な内容としては、世代の違いからくるギャップを感じると言うコメントが多数を占めた。そこには、親世代では常識だった子育ての方法が、娘世代では科学的ではないとされていたり、時代にそぐわないと受け取られている現実がある。また、親世代にとっての孫はやはりかわいく、ついつい溺愛してしまう。娘とすれば無闇に甘やかすことへの反発も大きいようだ。
その他、特に義両親に対して「今の夫を見たら、子育てが失敗しているのがわかる」という辛辣な意見も。これは、義両親とだけではなく、夫との関係性もうまくいっていないのではないか、と想像させる点でも興味深い。
子育てに関して、親世代のサポートはマンパワーの点でも、経験の豊富さや精神的な支えの部分でもとてもありがたい一方で、そこには世代による価値観の違いもあり、さまざまな摩擦を生む可能性もある。今回のアンケートでも明らかになったように、そのギャップに悩んでいる人も思いのほか多いようだ。
いずれにしても、子育ては一生をかけて取り組む大事業であり、夫や両親、行政や近隣のコミュニティなどと協力することで、多くの困難も乗り越えやすくなる。これまでにもまして子どもを産みやすく、育てやすい環境を整えることの重要性を感じさせる調査結果となった。
調査時期: 2020年11月26日~2020年11月27日
調査対象: マイナビニュース女性会員
調査数: 281人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません