かつては「自分の声がすごく嫌いだったんです」と、コンプレックスがあったという芳根。「よく『一見、頭良さそうに見えるけど、しゃべると話し方がバカっぽい』って言われて(笑)。しゃべり方も声の感じも、嫌だなって思ってたんです」というが、女優の仕事をしていくうちに、その気持ちが変わっていった。

「お芝居で幅広い役をやらせていただく中で、声の使い方というのが、自分でも分かってきたんです。完成した作品の映像を見て、『自分ってこういう声が出せるんだ』って思えるようになった分、コントロールできるようになれているのかなと思います。アフレコや吹き替え、今回のようなナレーションとか、声のお仕事をやらせていただくたびに、それが自信になってきて、コンプレックスではなく、個性だと思うようになれました」

■未来への希望を感じる物語

2回目のナレーションとなった『ザ・ノンフィクション』については、「赤の他人のお話なのに、自分もその世界にいる感覚になる不思議な番組だと思います」と印象をコメント。

今回の物語を通じて、「悪ガキだった子供たちが成長していくのを見て、今起きている悪いことが決して悪いままで終わらないんだなと思わされました。コロナで世の中的に気持ちが沈んでいると思いますが、今回、声を入れさせてもらって、絶対に反動がくるんだという未来への希望を感じました」と前向きになれたという。

その上で、来年の目標を聞くと、「健康第一で楽しく健康にお芝居ができたらいいなというのは毎年思うんですけど、今年はより一層思う年末ですね。毎年『今年の自分を超える』というのが目標なんですが、今年はこういう世の中の状況でもっと頑張りたかった1年なので、来年はこの後悔や反省を全部チャラにできるくらい頑張っていきたいと思います」と意欲を示した。

●芳根京子
1997年生まれ、東京都出身。13年に『ラスト・シンデレラ』で女優デビュー。14年にNHK連続テレビ小説『花子とアン』で注目を集め、15年『表参道高校合唱部!』でドラマ初主演。16年にはNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロインを務め、以降もドラマ『海月姫』『チャンネルはそのまま!』『コタキ兄弟と四苦八苦』、映画『累 -かさね-』『居眠り磐音』『記憶屋 あなたを忘れない』などに出演する。来年は映画『峠 最後のサムライ』『ファーストラヴ』の公開が控える。