豊島竜王2勝、羽生九段1勝で迎えた第4局の戦型は横歩取り
豊島将之竜王に羽生善治九段が挑戦する将棋のタイトル戦、第33期竜王戦七番勝負第4局(主催:読売新聞社)が11月26、27日の日程で鹿児島県「指宿白水館」で行われています。本日は勝負の決する2日目です。ここまでの対戦成績は、豊島竜王の2勝、羽生九段の1勝となっています。
豊島竜王が先手番の本局は、横歩取りの将棋になりました。
両者は直近の対戦である、11月20日に行われた王将戦挑戦者決定リーグ最終局でも横歩取りを指しています。その将棋も先手が豊島竜王、後手が羽生九段で、羽生九段が中盤で優位に立ちました。しかし、豊島竜王は角2枚を自陣に配する頑強な受けで決め手を与えません。次第に羽生九段の攻めが細くなり、ついには豊島竜王が逆転勝ちを収めました。
その結果、豊島竜王-羽生九段戦における後手番の連勝は10でストップしました。後手番が25勝12敗と大きく勝ち越しているこのカードですが、後手番10連勝の前は先手番が4連勝しています。
その4連勝は、第89期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第1局~第4局にかけてのもの。2勝2敗で迎えた最終局を後手番の豊島八段(当時)が制し、初タイトルを獲得しました。
本局は王将リーグの将棋と同じように進みましたが、羽生九段が△1四歩と端歩を突き、豊島竜王が▲1六歩と端を受けたことで異なる展開となりました。38手目に羽生九段がこの突き合いを生かし、△1五歩と突き捨てて本格的な戦いがスタート。▲同歩に対し、角を盤上に打って局面を動かしていきました。
1日目は羽生九段が△2五歩と飛車取りに打った局面で封じ手に。2日目を迎えて開封された豊島竜王の封じ手は▲1六飛でした。この手は1日目に羽生九段が端歩を突き捨てたために生じた手です。
その後羽生九段は4筋の、豊島竜王は1筋の歩を伸ばしていきます。先に目に見える戦果を上げたのは豊島竜王。▲1三歩成とと金作りに成功し、1筋の突破を果たしました。一方の羽生九段は△4六歩と取り込むなどの攻めを急がずに、△7一玉と自玉に手を入れる緩急を付けた指し回しを見せています。
豊島竜王としては敵陣突破をすでに達成しているため、羽生九段の攻め駒に自陣を食い破られなければ、優位に立てるでしょう。羽生九段の3筋の飛車が自陣に直通しているため、この飛車をいじめつつ、自陣のケアをするものとみられます。または、相手の攻めを受け流しつつ、それよりも早い攻めを繰り出すという展開も考えられます。
一方の羽生九段は、自玉の守りはすでに万全。あとは攻めをつなげられるかの勝負となっています。1筋を破られているため、モタモタしてしまうと差が付いてしまいます。現状盤上の争点は2~4筋なので、ここで飛車・角・歩を用いて手を作っていけるかがポイントとなります。
本日は12時30分から1時間の昼食休憩をはさんだ後、ノンストップで終局まで指し続けます。終局は夕方から夜となる見込みです。