広告を作成するコピーライティングは、どのようなポイントに気をつけるべきなのでしょうか。本稿では、いくつかのコピーライティングのパターンについて紹介しつつ、ポイントや、つまずいてしまったときの対処法について紹介します。
コピーライティングとは
コピーライティングとは広義に、人の心に働きかけ、何らかの行動を促すための文章スキルのこと。一般的には、広告などの文章を書くことや、書く技術を意味します。
コピーライティングの手法は、紙媒体の広告やテレビCM、Webメディアの広告、ダイレクトメールなど、幅広い分野で使われています。
コピーライティングのポイント
誰しも、人々の心を動かせる広告を作りたいもの。そういったコピーを作るためには、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。
以下、コピーライティングのポイントを紹介します。
ポイント1 : メリットを考える
ポイントの1つ目は、顧客のメリットを考えることです。
商品やサービスを宣伝する場合には、顧客にとってどのようなメリットがあるのかを理解する必要があります。
顧客が抱える問題をその商品がどのように解決できるのか、なぜそのようなメリットを提供できるのかという理由を考えてみると、訴求すべきポイントが見えてきます。
ポイント2 : ニーズを理解する
ポイントの2つ目は、ニーズを理解することです。
顧客のニーズを理解せずにコピーを作成したとしても、顧客の購買意欲をかき立てることは難しいでしょう。コピーライティングでは、顧客のニーズの理解が大切です。
商品やサービスの市場を調査し、顧客がどのようなニーズを持っているのかを理解した上で、コピーを作成しましょう。
ポイント3 : データを活用
ポイントの3つ目は、データを活用することです。
顧客の信頼を得るために、具体性のある言葉を使用することも効果的です。
そのため、商品やサービスに関する具体的な数値などのデータがあれば、有効活用しましょう。収集したデータを用いた具体性のある情報を用いることで、より顧客の信頼性を集められるコピーを作ることができます。
ポイント4 : 行動を促す
ポイントの4つ目は、行動を促すことです。
コピーライティングの目的は主に、商品やサービスを購入してもらうよう、行動変容を起こすこと。そのため、顧客を購入という行動へ近づける、もしくは直接購入を促す必要があります。
例えば、その商品が「お得に購入できる」点をアピールするのもよいでしょう。「いいものを安く買いたい」というのは多くの人が感じること。商品やサービスそのものではなく、手に取りやすさなどもアピールポイントにすることができます。
ポイント5 : ターゲットをリサーチする
ポイントの5つ目は、ターゲットをリサーチすることです。
ターゲットとする顧客層をリサーチすることで、顧客が何を求めているか理解することができるでしょう。そうすれば、その顧客が求めているものを提供できることをアピールできるコピーを作れます。
また、すでに商品を購入した顧客がいる場合は、その顧客へアンケートやインタビューを行うのもおすすめです。
コピーライティングのパターン(テンプレート)例
それでは、実際にコピーライティングに使えるパターン例について紹介します。「どのようにコピーライティングを書けばいいか分からない」という方は、参考にしてみてください。
例1 : 期間や時間の提示
1例目は、期間や時間を提示するコピーです。
このパターンでは、どれほどの期間で顧客の問題を解決できるか、または限定性を伝えることが有効的です。
例 : 「たった○日で△できる」「先着○名様限定に△プレゼント」
例2 : 効果訴求
2例目は、効果を訴求するコピーです。
宣伝する商品やサービスを購入することで、顧客の問題や悩みをどう解決できるのかをアピールするという方法です。コピーを見た顧客が一目で効果をイメージできるようにすることが重要です。
例 : 「もう○○には悩まされない」「○○ができるように」
例3 : 実績
3例目は、実績をアピールするコピーです。
商品やサービスの実績を伝えることで、顧客に信頼感を与えます。実際にどれほどの実績があるのか具体的な数値を示しましょう。
例 : 「販売累計○万個を突破!」「○○ランキング第1位」
例4 : 価格
4例目は、価格をアピールするコピーです。
買い物においては、なるべくお得に済ませられるに越したことはありません。そのため、お得感を感じさせられるようなコピーライティングを用いると効果的です。
例 : 「今だけ○% オフ」「初回半額! 」「全額返金保証! 」
例5 : やり方
5例目は、やり方をアピールするコピーです。
商品やサービスからいかに簡単に効果を得られるのかをアピールします。
悩みや問題を抱える顧客は、その悩みをなるべく楽に解決したいと考えます。そのため、いかに楽に効果を得られるのかやり方を具体的に示しましょう。
例 : 「痛みを感じない○○」
例6 : 難易度
6例目は、難易度の低さをアピールするコピーです。
このパターンでは、前項でご紹介したやり方と同様に、難易度が低く簡単に効果が得られることをアピールします。顧客はより簡単に問題や悩みを解決したいと考えるため、難易度が低いことをアピールしましょう。
例 : 「毎日○分△するだけ! 」
例7 : 具体性
7例目は、具体性を示すコピーです。
このパターンでは、名前の通りに数値など具体的なことを示します。具体性をアピールすることで、顧客はその商品やサービスにより信頼性を感じるのです。
正確なデータなどを用いて、端数や小数点第1位まである数値を表示すると、より信頼感が増すでしょう。
例 : 「○週間で△人が購入した」「○カ月で△できた! 」
例8 : 好奇心
8例目は、好奇心をくすぐるコピーです。
このパターンでは、顧客が持っていた常識や認識を覆すことをアピールします。そのため、顧客がよく間違って認識していることを用いて、好奇心をくすぐるフレーズを書いてみましょう。
そうすると、顧客は自分の思っていたことと違うフレーズを目にして、気になって広告を読んでくれるでしょう。
例 : 「実は○は△だった? 」
例9 : 権威性
9例目は、権威性をアピールするコピーです。
このパターンでは、著名人が絶賛していること、知識人が推薦していることなどを示します。そのような権威性を示すことで、顧客の信頼感を得られます。
例 : 「女優○○も大絶賛」「テレビ番組○◯に取り上げられた」
例10 : 専門性
10例目は、専門性をアピールするコピーです。
このパターンでは、商品やサービスを販売する特定のターゲットに向けたフレーズを取り入れます。それぞれの商品には、ターゲットとする顧客像があるでしょう。その特定のターゲットが興味を引くような内容を書いてみましょう。
例 : 「○◯にお悩みの方へ」「まだ◯○してない? 」
コピーライティングの上達方法
コピーライティングのポイントを押さえたら、次は上達するための方法を学びましょう。以下に2つの方法をまとめましたので、実践可能な範囲からトライしていきましょう。
(1)インプットをして引き出しを増やす
コピーライティングはアウトプットされたもので評価されるわけですが、ライティングをする人の頭の中にそもそもアウトプットすべき言葉や情報がなければ意味がありません。そのため、コピーライティングをする上では、インプットが非常に重要になってきます。
知識をインプットするには、専門の本や教材を活用します。ただし、ダラダラと時間をかけて何十冊も質の悪い関連書籍を読んでいても、コピーライティング力の向上は見込めません。コピーライティングに明るい人に聞いたり、インターネットの口コミなどを活用したりしてセレクトした書籍を短期間で読破し、脳へのインプットを一気にやりきるようにしましょう。
(2)写経をして身に染み込ませる
コピーライティングにおける「写経」とは、寺院などで行う般若心経などのお経を書き写す行為ではありません。書き写す対象は、上手なコピーライティングです。自分自身が「いいな」と感じたコピーライティングを、行間や改行する場所も含め、正確無比にまねをして書くのです。
この写経は、コピーライティングの知識をある程度インプットしてからやると効果的です。その知識がない人がやると、単に文字をなぞるだけで終わってしまいかねないリスクがあります。一定量の知識を持っている人ならば、「お、ここはPREP法を用いているな」とか「これはあの有名なコピーの手法を応用しているな」などの気づきがあるため、より上達の効果が見込めます。
写経の対象はセールスレターや有名なコピーライターのメルマガなどがおすすめです。
コピーライティングにつまずいた時の対処法
続いて、コピーライティングにつまずいてしまった時の対処法について紹介します。
「人を動かせるようなコピーを書きたい」と思っても、思うようにアイディアが思い浮かばない時もあるでしょう。そんな時には、以下でご紹介する対処法を試してみてください。
対処法1 : 分かりやすい言葉を選ぶ
対処法の1つ目は、分かりやすい言葉を選ぶことです。
広告の文章の中に、難しい言葉が多く使用されていないか確認してみましょう。コピーライティングは、顧客へ商品やサービスの購入を促すのが目的です。そのため、顧客の誰もが理解できるような分かりやすい言葉を使用して書いてみましょう。伝わりやすい文章に改善できます。
対処法2 : 内容を明確にする
対処法の2つ目は、内容を明確にすることです。
コピーライティングでは、顧客がどのようなメリットを得ることができるのかを伝えるのが重要です。そのため、広告の内容から明確にメリットが伝わってくるかを見直してみましょう。
もし、使用している数値をより正確な数値に変更できる場合は、そのような正確な数値を記載してください。より内容が明確化するでしょう。
コピーライティングの勉強におすすめの本
最後に、コピーライティングの勉強に適した書籍をいくつか紹介します。知識や情報、コピーライティングにおけるテクニックをインプットする際に役立ててみてください。
現代広告の心理技術101
セールスコピーライティングを学ぶにあたり、「まずは押さえておきたい一冊」とまで評されることがあるのが「現代広告の心理技術101」です。セールスコピーの基本的なテクニックや書き方が余すことなく記されています。消費者マインドを丸裸にし、お客の心を研究し尽くした本と言えるでしょう。
ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則
著者のジョン・ケープルズ氏は米国の広告業界でコピーライターとして長きにわたって活躍し、特にレスポンス広告において多大な影響を与えてきました。そんな偉大な同氏が「効果のある科学的広告」のノウハウを明かした一冊は、コピーライティングの王道を学ぶのに最適な書籍です。
禁断のセールスコピーライティング
経営コンサルタントや作家として活動する神田昌典氏が手掛けた同書では、主にダイレクトメールやセールスレターの書き方のテクニックが細かく紹介されています。成果が実際にあった事例が紹介されているため、「売れるためのコピーライティング」の具体例が知りたい人にとっては必見の一冊と言えます。
コピーライティングのポイントを押さえよう
コピーライティングとは、人の心に働きかけ、何らかの行動を促すための文章スキル。顧客に商品の購入を促すことのできる広告を作るためには、「商品にはどのようなメリットがあるのか」「顧客のニーズはどういったものか」などを深くリサーチをする必要があります。
今回紹介したポイントを押さえて、より効果的なコピーを書けるようにしましょう。