俳優の香川照之が主演を務めるテレビ朝日系スペシャルドラマ『当確師』が、今冬放送されることが3日、明らかになった。
原作は、大ベストセラー『ハゲタカ』シリーズで知られる人気作家・真山仁氏の同名小説。香川は、“当確師”の異名を持つ凄腕選挙コンサルタント・聖達磨を演じる。
聖は、敗色濃厚な選挙戦でも必ず当選させる男であり、依頼者に莫大な報酬を要求し、勝利のためならどんな手段もいとわない切れ者だ。
そんな聖が請け負うのは、日本中から注目を集める政令指定都市・高天(たかあま)市長選。その大本命で、3期目を目指す現職市長・鏑木次郎を阻止するというミッションを課せられる。
聖は対抗候補として、市内で保育園を経営する女性・黒松幸子を擁立する。圧倒的に不利な状況で、聖に勝つ公算はあるのか。誰もが鏑木の再選を確信する中、聖は情報戦はもちろん、ときに“奇襲攻撃”を仕掛け、大胆不敵に選挙戦を進めていく。
香川と真山氏とのコメントは以下の通り。
■香川照之
――最初に脚本を読んだときの感想は?
選挙の裏側にさまざまな根回しが存在することはわかっていたつもりだったのですが、それを“生業”とされている方がいることに驚きました。また、羽原大介先生の脚本がしっかりと“一本道”で書かれていたので、セリフを覚えてそのまま演じれば、それだけで素晴らしい作品になると確信しました。
――聖達磨を演じるにあたって考えられたことは? 若干、あやしげな人物にも思えますが…?
おっしゃるとおりです(笑)。当確師はスーツを身に着け、政治家という重い立場の人たちの横で仕事をしています。でも、決して政治家には見えないよう、若干のうさんくささというものを出すべきではないかと考えて、しゃべり方から“謙虚さ”を引いています。表舞台で謙虚さを全面に出してしゃべらなければならないのが政治家だとすると、当確師はだいぶ謙虚さを抜いた方がいいんじゃないかと思ったので…。引くというより、“ちょっと雑に言う”感じを心がけています。
――聖達磨とご自身の相違点や共通点は?
ドラマの中で、聖はさまざまな出来事を予見したり、見破ったり…と、かなりスーパーマン的に描かれています。もちろんそこは僕自身と全然、違います。だからこそ、そういった聖の優れたところを視聴者にうまく伝えたい、という思いがあります。似ているところは…実は、監督から「飲みものや食事が出てきたらすぐ口をつける人にしてください」と言われました。聖は、出されたものをそのままにして帰るのが非常にもったいないと思っている人物なんです。僕自身も“きちんといただく”ことは礼儀だと思っているので、そういう意味では同じような人間性かもしれません。
――聖のような当確師を、大好きな昆虫に例えるとしたら?
ハチでしょうか…。“必ず花を咲かせます”みたいなことで、しかも回り回って自分のためにもなっている、というところがハチっぽいかもしれないですね(笑)。
■真山仁氏
選挙とは、血を流さない戦争と言われています。史上稀に見る異常な米国大統領選挙が行われたこのタイミングで、『当確師』がドラマ化されるのは、運命なのでしょうか。『当確師』を見れば、選挙を見る目が変わります。