東急電鉄は23日、探し物トラッカー「Tile」と検知システム「Tileアクセスポイント」を活用した追跡サービス(忘れ物検知サービス)を10月26日から東急線全路線88駅で開始すると発表した。

  • サービスのイメージ

「Tile」は、世界約195の国・地域で導入されている忘れ物検知サービス。東急電鉄のサービスでは、東急線の88駅の窓口に常時、「Tile」のBluetooth電波を拾う「Tileアクセスポイント」を設置する。「Tile」を取り付けた鍵や財布などの忘れ物が駅窓口に届けられると、自動かつ匿名で接続し、位置情報を持ち主のアプリに通知。結果として、電車内・駅構内での忘れ物を早期に発見できる。

2018年7月から渋谷駅(東横線・田園都市線)で「Tile」を試験導入し、一定の効果が見込めると判断され、サービスの導入に至った。東急線全線で年間約37万件(2019年度実績)の忘れ物が発生しているものの、落とし主に返還できた忘れ物の数は約40%にとどまっているという。駅での保管場所が不足するとともに、落とし主に返還されない忘れ物を該当警察へ送付する作業も発生するため、駅係員の業務負担増の課題も生まれている。

忘れ物返還率を向上するため、2019年7月には紛失防止タグ「MAMORIO」を東急線全路線88駅で導入し、忘れ物追跡サービスを開始。新たに探し物トラッカー「Tile」を導入し、追跡サービスを利用できる乗客を増やすことで、忘れ物のさらなる返還率向上をめざす。