俳優の生田斗真、中山優馬、シンガーソングライターの藤原さくらが21日、都内で行われたゲキ×シネ『偽義経冥界歌』(24日公開)の舞台挨拶に登壇した。

  • 左から藤原さくら、生田斗真、中山優馬

劇団☆新感線旗揚げ39周年にあたる2019年に“39サンキュー興行”と称して上演された生田主演舞台『偽義経冥界歌』は、“奥州三代”と“義経黄金伝説”をモチーフにした物語。主人公の偽義経(源九郎義経)を生田、偽義経の弟・奥華次郎泰衡役の中山、大陸渡りの歌うたい・静歌役の藤原が演じた。2019年に大阪、金沢、松本公演を行い、2020年に東京、福岡公演を予定していたものの、コロナ禍により東京は一部中止、福岡は全公演中止に。鑑賞できなかった人たちに本作を届けるべく、ゲキ×シネとしてスクリーンに登場する。

劇団☆新感線の舞台への出演は生田が4度目で、中山と藤原は初参加。中山は「みなさん現場にいやすくしていただいて、楽しく毎日笑いながら稽古場が進んでいった記憶が鮮明に残っているので、今思っても幸せな時間だったと思っています」と振り返り、観客として劇団☆新感線の舞台を見に行っていたという藤原は「舞台に出ることが初めて。スタッフの方、共演者の方が本当に優しくて、舞台はこういうものなんだと初歩の初歩から教えていただいてありがたかったです」と感謝した。

司会者が「生田さんの力も強かったのでは?」と中山と藤原に尋ねると、生田が「まあそうでしょうね」と答えて笑いを誘い、中山は「俺らで答えるから」とツッコんでから、「本当に心強くて、座長でありムードメーカーであり斗真くんの後ろで勉強させていただいてよかったなと思っています」とコメント。「稽古でも斗真くん全く手を抜くことがなく、いつも全力でやられている姿を見て、自分ももっと頑張らなきゃなという思いに駆られていました」と、生田から刺激を受けていたという。

藤原も「逃げまどいながらアクションするシーンがあったんですけど、すごく難しくて、斗真さんのほうが私のアクションを先に覚えて、こうやってやるんだよって教えていただいたりとか、本当に助かりました」と生田とのエピソードを明かした。

司会者が、中山と藤原に対して「面白かった思い出はありますか? 特に生田さんとご一緒されてみてとか…」と尋ねた時にも、生田は「あのーやっぱり…」と話そうとし、中山が「お兄さん、聞こえてますか!」と再びツッコミ。2人のやりとりに会場から笑いが起こった。

そして中山は「公演中も楽しくて勉強させてもらうことがたくさんあったんですけど、公演後や稽古後に『ご飯食べに行こう』、『お昼食べに行くぞ』ということもよくあって、ここ何カ月かこの世の中の苦しい状況とかを見ていると、ああいう些細なこともすごく幸せだったなと、脳裏に焼き付いています」と語った。

本作では3人とも歌唱シーンがあり、生田は「中山優馬の歌を聴いたのはNYC以来だったので。好きなんだよ、『ユメタマゴ』がさあ。NYCのデビュー曲。それ以来だったのですごくうれしかったですね」と中山が以前組んでいたグループの曲名を出し、中山は「やめてくれ! 何年か前からずーっと言ってる。今『ユメタマゴ』の話じゃないですから」と照れまくり。生田はその上で、「ちゃんとお芝居をやっている後輩なので、歌とかもきちんとレッスンしているんだろうなという感じがして頼もしいですね」と称賛した。

中山も「僕から見ると斗真くんの歌を聴けること自体がかなりレアなことなので毎回毎回うれしかったです」と生田の歌についてコメントし、生田の歌声の変化を聞かれると、「心でずっと歌われている方なので、同じ歌というのはなかったと思います」と返答。藤原も「レアだなと思っていました。稽古中の歌のレッスンなどあったんですけど、歌うんだと思って」と話した。

すると生田は「この舞台を見て藤原さくらの歌声にみんな魅了されると思う」と藤原の歌を称賛し、「でもどうなんだろう? もっと藤原さくらの歌が聴きたいなと思っても、CDとかが出てないと…」と発言。ちょうどこの日は藤原の新アルバム『SUPERMARKET』の発売日で、藤原は「宣伝させてくれるんですか?」と生田の振りに驚きつつ、「本日10月21日アルバムがリリースされました」と伝え、司会が「さすが座長ですね」と感嘆すると、藤原も「さすがですね。びっくりしました」と感謝した。

その後、藤原が本作の舞台で起きたギターに関するハプニングを話したときも、生田は再び「CDとか出してるの?」と尋ね、藤原が「出したんですよ」と返すと、「いつ?」「タイトルは?」と質問。「今日出しました」「『SUPERMARKET』です」と藤原が宣伝し終えると会場から拍手が起こり、中山が「全部聞いたわ、さっき」とツッコんでいた。

また、中山がお気に入りのシーンを聞かれ、「この作品はすごく殺陣が多い。その中で、斗真くんがずっと殺陣をやっている。それは本当に素晴らしい迫力で見どころです。僕の大好きなシーンです」と、生田の殺陣を見どころとして紹介する場面もあった。

撮影：阿久津知宏