社会人になって、給料をもらい始めたころ「想定していたよりも振り込まれた給料が少なかった」と感じたことのある人は多いでしょう。

口座には、給料から社会保険料や税金などが天引きされて振り込まれるため、額面の給料より少ない金額が振り込まれます。

それでは、月給が18万円の場合、社会保険料や雇用保険料・税金などを差し引いた手取り金額はどれくらいなのでしょうか。月給18万円で可能なライフスタイルとともにご紹介します。

  • 月給18万円の手取り額と税負担は? 生活費のイメージも紹介

    月給18万円の手取り額と税負担は? 生活費のイメージも紹介

額面給与18万円の人の手取りは14.5万円ほど

求人票に「月給18万円」と書かれていても、実際に支給される額は18万円ではありません。実際に受け取る金額は「手取り額」といって、額面給与の75~80% です。月給18万円の人の場合、独身であればだいたい14万5,000円前後です。

■給料の仕組みを知ろう

そもそも、なぜ月給と手取りには差があるのでしょうか?

一般に、給与明細書には「総支給額」と「控除合計額」と「差引支給額」が書かれています。「総支給額」とは会社から支給される給与の合計で「額面給与」とも呼ばれます。額面給与の内訳は、基本給と手当です。

額面給与 = 基本給 + 手当

基本給の算定の仕方は会社によって異なりますが、仕事内容や勤続年数などを組み合わせて算出したもので、諸手当や賞与、退職金の算定基準にもなるものです。

手当は通勤手当や家族手当、時間外手当、資格手当、住宅関連手当などがあります。例えば残業した場合は、時間に応じて「時間外手当」がつく仕組みです。

■控除とは? 何がどれだけ引かれるかを知ろう

「控除」というのは「一定の金額を差し引く」という意味で、今回の場合には健康保険料や介護保険料、住民税、所得税などがこれに相当します。給料として手元に入るのは、額面給与から控除合計額が引かれたものです。

手取り給与 = 額面給与 - 控除合計額

控除に含まれるのは以下のものです。

  • 所得税 : 1年間の所得にかけられる税金で、毎月「源泉徴収」として給料から天引きされる
  • 住民税 : 居住している都道府県の自治体に納税する税。前年の所得を元に算出されるため、新社会人の場合、初年度は課税されない
  • 厚生年金 : 65歳から支給される老齢厚生年金のための掛け金。会社が半分を負担する
  • 健康保険 : 病気やケガの治療のために診療を受けた際に、3割負担で治療を受けることができたり、入院などで休職した場合には給付金が支給されたりする。健康保険料は会社と従業員が半々で負担している
  • 介護保険 : 高齢になって介護が必要な時のために納める保険料。40歳になる前日から支払い義務が発生する
  • 雇用保険 : 失業しても生活が続けられるよう失業給付が得られるための保険

なお、税率や保険料率は給与額や扶養家族の数によって変わってきます。

  • 月給18万円の生活をシミュレーション

    おおまかに「控除」されるものをイメージしておきましょう

月給18万円の生活イメージ

月給18万円の場合、手取りは14万5,000円前後になります。この手取り額だとどのような生活になるのか、ここでは就職後、1人暮らしを始めた場合で想定してみましょう。

■生活費のイメージを紹介

実際の生活にかかる内訳を理想的な割合にしたがって配分してみましょう。

生活費内訳 理想割合 理想割合に基づく目安
家賃 30% 45,000円
食費 20% 30,000円
水光熱費 5% 7,500円
通信費 5% 7,500円
日用品 3% 4,500円
被服費 3% 4,500円
教養娯楽費 4% 6,000円
交際費 5% 7,500円
貯金 15% 20,000円
予備費 10% 12,500円
合計 100% 145,000円

■減らせるもの、減らしてはいけないもの

家計の項目は、以下の4種類に分けることができます。

  • 固定費 : 家賃、インターネットのプロバイダー料、携帯料金、習い事の月謝など、毎月かならず一定の額が必要となる費用
  • 変動費 : 食費、水光熱費、日用品、交際費など、毎月使用額が変動する費用
  • 数カ月に1度発生する費用 : 美容費、被服費、冠婚葬祭費など
  • 特別に発生する場合がある費用 : 医療費など

上記の中で、固定費を抑えることができれば、大きな節約になります。特に、生活費に占める比率が高い家賃をどれだけ抑えることができるかがカギです。5万円以内に収めれば、月給18万、手取り14万5,000円で生活する場合であっても毎月貯金が可能な生活を送ることができます。

また、上記以外にも奨学金の返済や車やバイクのローンの返済など、決まった額の支出がある場合には、「ローン返済」という項目を設けて計上しましょう。月々の返済額にもよりますが、各内訳項目を全体に数% 圧縮する必要があります。

変動費の中でも比率が高い食費は、自炊によって1日1,000円以内に抑えることを目標としましょう。工夫次第で減らすことのできる項目ですが、栄養や健康のことを考えるのは、自己投資とも言えます。電気・水道・ガス料金などは、目安として毎月1万円以内、理想的には7,500円以内に抑えることを目標にしてください。

交際費、教養娯楽費は、日々の生活を楽しむために必要な費用です。両方を合わせて1万3,000円程度を目途に使っていくとよいでしょう。

もちろん、上記であげたのは生活費の例にすぎません。まずは理想を元に予算を立て、それに合わせた生活を送り、家計簿により自分自身が何にどのくらいお金を使っているか、正確に把握することから始めるとよいでしょう。

家計簿により支出を管理できるようになったら、毎月、月末や給料日前には締めの日を設け、以下の項目をチェックすることをおすすめします。

  • 予算を超えた項目の有無
  • 無駄遣いの有無
  • 予算配分が適正だったかどうか
  • 独自に項目を設ける必要の有無

ただ記録するだけでなく、問題点を洗い出し、次の月の改善策を考えることで、より自分にあった生活をおくることができます。

  • 将来の計画を立てよう

    ムダを抑えるにはまず記録! 家計簿アプリを活用するのもよいでしょう