日本気象協会は9月30日、全国・都道府県別の「2021 年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第1報)」の結果を発表した。花粉飛散予測は、前シーズン(2020年)の花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて行われている。

  • 2021年花粉飛散予測(左:例年比、右:前シーズン比)

    2021年花粉飛散予測(左:例年比、右:前シーズン比)

2021年春の花粉飛散予測は、広い範囲で前シーズンより多く、例年に比べると少ない見込みだという。

例年に比べると、九州から東北にかけて広い範囲で例年より少ないと予想され、特に、九州と関東甲信、近畿の一部では例年よりも非常に少なく、東海や北陸ではやや少なく、北海道は例年並みになるとのこと。

一方、前シーズン比で見ると、九州から東北南部にかけて前シーズンより多いと予想され、特に四国や東海、北陸を中心に非常に多い飛散量が見込まれるという。東北北部と北海道では前シーズンより少なくなると予想されているが、これは前シーズンの飛散量が例年より多かったためという。

飛散量予測の根拠としては、花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響し、気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるといわれている。2020年夏の気象条件をみると、7月は日本付近に梅雨前線が停滞し続けたため、九州から東北にかけて降水量が多く、西日本と東日本では日照時間が記録的に短くなった一方、8月は、勢力の強い太平洋高気圧に覆われ、西日本と東日本では気温がかなり高く、日照時間は多かった。北日本では気温は高く、日照時間は太平洋側では多くなった。